南会津の山旅(2日目:七ヶ岳・二岐山)

−両日とも快晴に恵まれ、のどかな南会津を満喫した2日間−

   

  

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山行概要

日 程
2012年5月20日(日)
山 域
南会津
天 気
快晴後曇り
メンバー
単独
コースタイム
黒森沢コース登山口=0:55=護摩滝=0:45=七ヶ岳=0:50=下岳=0:35=下岳登山口=0:30=黒森沢コース登山口【3:35】
御鍋神社登山口駐車場=0:30=ブナ平=0:35=二岐山(男岳)=0:10=二岐山(女岳)=0:15=二岐山(男岳)=0:45=御鍋神社登山口=0:05=御鍋神社=0:05=御鍋神社登山口駐車場【2:25】

記録文(写真はクリックで拡大)

 4時に起床。窓の外はもう薄明るい。さすがに5月下旬。しかも快晴は確実。急いで出発準備を整え、車へ。
 さゆり荘で用意してもらったおにぎりをほおばりながら、R289を昨日とは逆走し、針生集落のところで右折。ここには「七ヶ岳登山口」の標識あり。昨日に下見をしていたせいもあり、スムーズに林道へ。軽にはやや厳しいダートをなんとかそろりそろりと進み、広い駐車場のある黒森沢コース登山口には5時前に到着。当然ながら、私が一番乗りである。

スタート 5:00

 荒れた林道を進む。沢筋に沿って進んでいるようだが、やや上部を歩むので水面は見えない。普通に歩けるように見えるが、下はグチャグチャであっと言う間に運動靴はビチャビチャに…
 15分ほどで登山道となるが、路面は相変わらず。徐々に黒森沢が近づいてくる。途中、何度か枝沢をまたぐが、その一つが雪の残る超急斜面で落ちたら真っ逆さまで、アイゼンなど持っているはずのない私は、運動靴で必死にステップを切りながら、何とか突破した。

護摩滝 5:55

 前方に爆音が響くようになると、目の前にこの護摩滝がドーンと登場。左岸を高巻くと聞いていたので、安心して登れると思いきや、この写真の中段当たりで滝に戻され、トラロープ1本に頼っての悲惨な滝登りを強いられる。
 足元はツルツル&超冷水で、沢の両サイドは残雪で手がかりも無く、滑ったら滝壷まで一気に墜落である。ホンマに泣きながら、そろりそろりと滝を突破する。

黒森沢の上部 6:15

 護摩滝を何とか突破すれば、美しいナメの沢が続くが、雪解けで水量多く、運動靴の私は悲惨極まりない。ずっと脛くらいまで浸かったままの歩行で、ほとんど足は凍傷寸前。
 最後まで本流を行かず、枝沢を拾って稜線に出るのだが、これが残雪で良く分からない。もう冷水攻めが嫌で仕方なかったので、辺りの地形から適当に主稜の方向目指してヤブを漕いだら、数分で登山道らしい踏跡に出た。これでひと安心である。
 ものの数分で幅広登山道が整備された稜線に飛び出す。昨日登った荒海山が眼前に展開。アドレナリンが急速に分泌される。

荒海山 6:42

 素晴らしい山容。登ったばかりの山なので感動も増幅。
 ピークには反対側の平滑沢から登ってきた名古屋の人がいた。こんな時間にいるのはどうみてもマニアで。やはりこの後連続で荒海山に登るとのこと。私も人のことは言えないが、やれやれである。
 往復コースで帰る彼を見送り、私は縦走コースへ。七ヶ岳に登るなら、このコースは外せない。

縦走コーススタート! 6:52

 三番岳、四番岳が真正面。素晴らしい好天の下、極上の縦走コースを歩むことに思わず一人で顔がほころぶ。
 このコース。ガイドブックによれば、七ヶ岳と言いながら、実際は13のピークを越えていくらしい。細かいアップダウンが連続する。

あっと言う間に三番岳へ 7:10

 三番岳への登り辺りから、本峰と二番岳を振り返る。
 四番岳へは越路(こえじ)と呼ばれる深い切れ込みがあり、足を使わされる。

四番岳にて 7:25

 急登をやっとこなして四番岳の頂に立つと、今度は残雪の向こうに折り重なるように五番、六番、七番(下岳)岳の姿が…
 倒しても倒しても… であるが、頑張るしかない。名のあるピーク以外にも細かなコブも多く、なかなか消耗するコースである。

下岳 7:42

 四番岳以来の急登を頑張ると、やっと七番(下岳)岳。
 ヤブっぽくて展望はもう一つだが、七ヶ岳(一番岳)まで、何度もアップダウンを繰り返した稜線が一望のもと。
 さらに二つほどコブを越えると針生下降点。ここで楽しかった(ウザかった)稜線から離れる。眩い新緑の森を楽しみながら下ること10分余りで林道に降り立つ。

黒森沢コース登山口 8:50

 ここからスタート地点まで林道をてくてく歩くが、いつもならタルい林道歩きだが、新緑が本当に素晴らしくて、全く辛さを感じない。
 結果的には余力十分で終了。まだ9時前で天気は上々と、どうしても欲が出てきてしまう。

 気がつけば、二岐山の登山口である二岐温泉へ車を走らせていた。ガイドブックや地図は全くなし。まあ何とかなるでしょう。
 阿賀川に沿った快適なドライブ。湯野上温泉の少し北で右折し、今度は鶴沼川に沿って東へ。二岐温泉までは快適な舗装道路だったが、登山口のある御鍋神社までは少々ハードなダートが続く。

二岐山登山口 10:35

 登山口手前には広い駐車場が整備されていた。登山口はさらにダートを5分ほど歩いたところだが、駐車スペースは狭いので、ここに停めてほいた方が無難でしょう。
 いきなりの急坂で幕を開ける。「八丁坂」と言うらしいが、ダブルヘッダーの身にはなかなか辛いリスタートである。途中、「あすなろ坂」など様々な名称の坂が現れるが、こちらにしたら単に急登が続いているだけ。一気に汗だくになる。

ブナ平 11:00

 アスナロやミズナラの木々の中、徐々にブナが現れてくると、急登が緩み、のんびりした小平地に出る。ここがブナ平。かってブナの大伐採が行われたらしいが、ブナの大木はまだまだ健在だった。
 かって林道だった幅広道を水平に進むと、再び二岐山(男岳)への登りとなる。出端の登りに匹敵する急登で、各地で行き倒れている(失礼)登山者がいた。
 私も何度か立ち止まりそうになるが、何とか歯を食いしばって最後の急登を頑張る。

二岐山(男岳) 11:35

 だいぶ曇ってはきたが、山頂は展望抜群! 眼前の那須連峰が圧巻である。
 地元の方々が多数憩っていたが、話を聞くと、皆さん震災後もガンガン山に登っているとのこと。「我慢してても仕方ないじゃない」そりゃそうですよね。

 これで登山口に戻りたかったが、やはり「二岐」山なので、隣の女岳に行かねばならぬ。展望は無いのは男岳での会話で分かっていたが、両方登らないと個人的には到底納得できるとは思えないので仕方がない。
 残雪に難渋しながらの女岳ピストン。やはり展望は皆無だったが、私は両方踏めたことで大満足だった。

那須連峰 12:10

 男岳に戻ってあらためての1枚。三本槍岳は気持ちよかったな〜 過去に登った山を眺めるのはピークハンターにとって無上の喜びである。
 帰りは連戦の疲れで足の踏ん張りが利かず、何度かコケかけたが、無事登山口に戻ることができた。
 御鍋神社の案内板が気になり、ダートを挟んだ美しい新緑の森の中へ分け入る。

御鍋神社 13:01

 美しい二俣川の辺に静かに佇む、名前のとおり巨大な鍋の御神体を祀る不思議な神社。

 平将門が乱を起こしたとき、家臣の永井平九郎が諫止したが受け入れられず、将門が帝から下賜されたという宝の大鍋を携えて、この地に逃れてきたという伝説が残っている。
 一方、神社に貼ってあった伝承には、「平将門が戦に敗れ奥州清原氏を頼り逃げ延びていた際に、妻の桔梗の前は平九郎を産んだが、行軍に女が足手惑いになるのを恐れて一族に平九郎を託して自害した。一族はこの地に留まり本神社を祀り再起を図っていた。しかしながら、飢饉がつづき一族は三々五々次第に他の土地に移住し、神社だけが残った」と書かれてあった。どっちかいな?

二岐温泉「大丸あすなろ荘」 13:52

 さあ、温泉へ! 二岐温泉最古で徳川時代からの歴史ある「大丸あすなろ荘」へ。
 源泉掛け流しの名湯へはエレベーターを降りて向かう。写真は渓流のきわに作られた爽快露天風呂。泉質も最高で充実した1日を反芻しながら、のんびりとお湯に浸かる。帰りたくない!

宇都宮餃子 17:16

 帰りは羽鳥湖経由で白河ICに出、睡魔と戦いながら何とか宇都宮に無事到着。
 レンタカーを返却し、駅前の「餃天堂」さんへ。
 餃子メニューは「焼餃子」と「水餃子」のみの潔さ。いつも「王将」のパリッとした餃子に慣れている関西人の私には、このモチモチ感たっぷりの餃子は非常に新鮮に感じた。
 新幹線で東京に出、この日は横浜駅前のカプセルサウナに投宿。明日の予定に備えた。

参考タイム

5/20黒森沢コース登山口 5:005:55 護摩滝 5:556:40 七ヶ岳 6:507:40 下岳 7:458:05 針生下降点 8:058:20 下岳登山口 8:208:50 黒森沢コース登山口
御鍋神社登山口駐車場 10:3011:00 ブナ平 11:0011:35 二岐山(男岳) 11:4011:50 二岐山(女岳) 11:5512:10 二岐山(男岳) 12:1012:55 御鍋神社登山口 12:5513:00 御鍋神社 13:0513:10 御鍋神社登山口駐車場

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