2017飛騨の旅

−避暑を兼ねて、飛騨と上高地をブラ散歩−

   

山行概要

日 程
2017年8月19日(日)
山 域
北アルプス
天 気
曇り後晴れ
メンバー
私、C
コースタイム
大正池=0:20=田代池=0:20=ウェストン碑=1:30=明神池=1:10=河童橋=0:05=上高地バスターミナル【3:25】

記録文(写真はクリックで拡大)

 8/18 曇り時々晴れ

 とりあえず、今夏も涼しいところに行きたいし、温泉でのんびりもしたい!
 ということで、連れを連行し、車で飛騨へ。
 京都からほぼノンストップで、飛騨古川へ。「君の名は。」で一躍アニメの聖地になったところである。折しも、『訪れてみたい日本のアニメ聖地88(2018年版)』に選定されたばかりである。
 街中には11時過ぎに到着し、まずは腹ごしらえと、三乃町にある「蕎麦正なかや」へ。車は近くの「飛騨古川さくら物産館」に止めるよう言われた。

「蕎麦正なかや」さんの飛騨そば! 11:46

 そばの香り立つ飛騨ざるそばに辛味大根トッピングと鮎の天ぷらにノンアルビールで、昼からご満悦である。

豪壮な真宗寺本堂 12:11

 近くの真宗寺から、街中散策のスタート。
 真宗寺は、円光寺や本光寺とともに1月9日から16日まで開かれる報恩講は三寺まいりで知られている。
 文亀2年(1502年)に白川郷で創建され、天文11年(1542年)に古川町に移転した。豪壮な本堂が素晴らしいが、明治37年(1904年)の古川大火で焼失し、現在の本堂は明治45年(1912)の再建である。

鯉泳ぐ瀬戸川と白壁土蔵街 12:34

 真宗寺からJR飛騨古川駅に伸びるメインストリートっぽい通りを進み、壱之町にある飛騨地方のNO.1酒造メーカー「渡辺酒造店」さんで、主力銘柄の「蓬莱」をさっそく購入する私…
 「渡辺酒造店」から1本北の筋が、有名な「瀬戸川と白壁土蔵街」である。約500mに渡って続く白壁土蔵やお寺の石垣を背景に、1,000匹余りの色とりどりの鯉が泳ぐ瀬戸川は、ホンマに絵になります。多くのインスタグラマー(笑)達が、熱心にスマホをかざしている。

瀬戸川畔に建つ円光寺 12:40

 すぐ近くには三寺の一つ円光寺が建つ。
 円光寺は、室町時代にこの辺りを治めていた江馬氏の家臣、岩佐正祐が、永正11年(1514年)に近くの旧吉城郡宇津江村に開いた念仏道場が起源で、戦国時代に金森氏が飛騨に移ってきた際に古川町に移ってきた。古川大火でも焼け残り、その際に寺の本堂の亀の彫刻が火災から寺を守ったとしてそれ以来その彫刻は水呼びの亀と呼ばれている。
 山門は廃城となった増島城から移築されたもので、飛騨市の文化財に指定されている。

飛騨古川のシンボル、大イチョウ 12:48

 円光寺から瀬戸川沿いに北西に進むと、「飛騨の匠文化館」があり、その一角に「福全寺跡の大イチョウ」が悠然とした姿を見せている。
 案内板によれば、ここにはかつて福全寺という寺があり、天正(1573〜92年)の末頃、旅僧快存上人が領主金森可重の帰依を得て再興したが、のち衰退して、明治7年(1874年)に廃寺となったという。その後、昭和47年(1972年)まで、ここには古川町役場があったらしい。
 銀杏の成らない雄株で良かった(笑)

「君の名は。」の舞台となったJR飛騨古川駅 12:57

 街並みを抜け、飛騨古川駅に到着。跨線橋に登り、「君の名は。」で登場したシーンの生風景を見る(しかし、二人してまだ映画を見ていない…(笑))。今日は平日だが、アニヲタが数名たむろしていた。
 電車の本数が少なすぎて、映画と同じ電車が停車中の写真は撮れず…(笑)
 駅を後に、だいぶ東に進んでから、車まで戻る。途中には、三寺の一つ本光寺が建つ。

本光寺の本堂 13:08

 天文年間に創建されたという。古川の三寺は、いずれも堂々とした伽藍を誇っている。この本光寺の本堂も素晴らしいが、古川大火で焼失し、大正2年(1913年)の再建だという。
 車に戻り、街中散策終了。少し離れた気多若宮神社へ車を走らせる。

気多若宮神社 13:34

 気多若宮神社は、平安時代に創建されたとされる。増島城主の金森可重から、城の鎮守と古川の産土神として崇敬を受けたことで栄えた。
 国の重要無形民俗文化財で、日本三大裸祭りの一つに数えられる古川祭はこの神社の例祭で、祭当日には起し太鼓がここに奉納される。
 「君の名は。」の中で、主人公の瀧がもう1人の主人公である三葉を探し求めてこの神社(をモデルとする神社)に立ち寄るシーンがあり、ここも聖地になっているのか、セーラー服のコスプレをした女性二人組が写真を撮りまくっていた(笑)

宇津江四十八滝の一つ、上段滝 14:20

 飛騨古川の探索終了。今日は平湯温泉に泊まるだけで、まだ時間があるので、すぐ近くの高山市国府町にある宇津江四十八滝へ立ち寄る。一周1時間ほどの遊歩道が整備されており、次々と滝が現れる。
 遊歩道が整備されているが、結構登りがあるので、草履で登った私は、終点まで半分ほどの所にある最大落差18.8mを誇る王滝で、あえなくギブアップ。
 それでも涼味満点の軽ハイクだった。
 ようやく平湯へ向かう。この辺りはいつも上高地に直行するため、素通りするだけだったところなので、色々と目移りしてしまう。
 円空ゆかりの千光寺を近くに発見し、細い車道を山上へ。
 千光寺は、約1200年前に弘法大師の10大弟子の一人、真如親王によって建立されたが、永禄7年(1564年)の武田軍の飛騨攻めの時に焼け落ち、後の飛騨国主となった高山城主金森公が再建したのが現在の堂宇である。
 円空が54歳の頃、当時の住職と意気投合し、数年間滞在し、作品を相当数彫ったというエピソードが残っており、境内には円空の作品が約60点展示されている「円空仏寺宝館」もある。

平湯温泉「安房館」さんの飛騨牛朴葉焼き! 18:00

 色々と寄り道をしたが、ついに平湯温泉へ到着。今晩の宿は温泉街入口にある「安房館」である。
 源泉掛け流しのお湯を堪能した後は、飛騨牛の夕食を満喫。
 明日の上高地行きのために、朝5時発のバスに乗るつもりなので、朝食はおにぎりにしてもらい、早々に寝た。

 
   

 8/19 曇り後晴れ

 4時に起き、温泉に入ってから、歩いて2分のバス停へ。車は宿に置かしてもらえるので便利だ。
 5時発のバスに乗り、大正池のバス停で下車。

霧が漂う大正池 5:48

 残念ながら、標高2000m以上は雲に覆われており、焼岳や穂高の姿は叶わず…
 それでも、池の水面には、うっすらとベールのような霧が漂い、物凄く幻想的な光景が広がっていた。

ウェストン碑前から望む六百山の一部 6:57

 田代池の畔で、おにぎり弁当を頬張る。時折雨が降り出したり、霧に巻かれたりと、天候がコロコロ変わっていく。
 梓川右岸を進み、ウェストン碑の横を通過し、河童橋へ。まだ7時過ぎなので、さすがに人も疎らである。連れがあまり疲れていないので、このまま明神まで足を延ばすことに。

明神池も幻想的 8:30

 これまでの遊歩道からは単調になった梓川左岸の歩道を黙々と進み、明神池へ。
 ここも大正池と同様、水面上に霧のベールがかかり、何ともインスタ映えする景色が広がっていた。
 帰路は右岸を進む。こちらの方が、清流沿いに進んだり、湿原が現れたりと、飽きさせないルートだ。
 戻ってきた河童橋は人で溢れかえっており、橋すぐ横の「レストラン小梨」に避難し、ここでトマトカレーの誘惑に負けた…

焼岳が見えてきた 10:35

 上高地散策は終了。だいぶ天候が回復してきた。焼岳は既に全貌をさらしている。
 穂高も標高2900mくらいまで見えてきた。
 なので、バスを1本遅らせて粘ってみたところ、何とか前穂のピークは確認できた。奥穂はしばらく無理そうだったので、満足して上高地を離れる。

 平湯温泉に戻り「ひらゆの森」で一浴し、高山へ。
 今日のお宿である高山セントラルホテルさんに車を止めさせてもらい、高山市街の散策へ。まだ14時過ぎ。長い1日だ…  街中に点在する飛騨牛のにぎりやコロッケを食べ歩きしながら、古い街並みをそぞろ歩き、高山陣屋へ。

高山陣屋 14:56

 高山陣屋は現存する唯一の陣屋跡で、国指定の史跡。元来は飛騨高山藩主であった金森氏の所有する下屋敷だったが、1692年(元禄5年)に幕府が飛騨を天領として以降、代官所として用いられるようになった。
 明治維新後は筑摩県高山出張所(のち岐阜県高山支庁)庁舎として用いられるなど、その後も様々な公共機関の事務所として利用され、何と1969年まで県事務所として利用されていたという由緒ある建物である。
 建物の他、蔵が多く残されており、その内部全てに展示がされているので、なかなか見ごたえがあり、1時間ほど滞在してしまった。

桜山八幡宮 16:21

 続いて反対側の古い街並みを抜け、桜山八幡宮へ。
 桜山八幡宮は、仁徳天皇65年、飛騨国に二つの顔を持つ宿儺(すくな)という賊が現れ、それを討伐するために派遣された難波根子武振熊命が戦勝祈願のために先代の応神天皇を祀ったのに始まると伝える。
 秋の例祭は、春の日枝神社の例祭とともに高山祭として、余りに有名。京都の祇園祭、秩父の秩父夜祭と並んで日本三大曳山祭や日本三大美祭の1つに数えられている。

 1960年(昭和35年)に「高山祭屋台」23台が重要有形民俗文化財に、1979年(昭和54年)には「高山祭の屋台行事」が重要無形民俗文化財に指定されている。同じ行事に関連して、重要有形・無形民俗文化財の両方の指定対象となっているものは日本全国で5例のみである。
 さらに、平成28年12月には、「高山祭の屋台行事」を含む日本の「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に決定された。  神社隣の高山祭屋台会館にも行きたかったが、閉館時間が迫っており、断念…

「八角亭」さんで沈没… 17:41

 今日朝から何キロ歩いたんだろうと考えながら、けっこう疲れ切ってホテルへ戻った。
 夕食は予約していた「八角亭」さんへ。
 鮮魚や明宝ハムに舌鼓を打つ。地元の銘酒の種類も豊富で、疲れもあり、あっという間にベロベロに…

 勢いで、最近できた屋台村の「でこなる横丁」へ。「でこなる」とは高山の方言で「でこ〜なる(大きくなる)」という意味で、でこなる横丁に集うお客様や店主の「夢」がより大きく叶いますように… という願いが込められているらしい。
 ここの「ハッピーチキン」さんへ突入し、鶏のから揚げとハイボールで轟沈…
 バタン&キューで、速攻寝た…

 
   

 8/20 晴れ

 昨日の疲れもあり、チェックアウトの限界である10時まで寝てしまった…
 とりあえず、高山ラーメン一番人気の「?屋しらかわ」さんの始業である11時前に並ぶことにし、それまで街並みを散策することに。
 ホテルのすぐ近くには、飛騨国分寺がある。

飛騨国分寺の大イチョウ 9:51

 飛騨国分寺は、聖武天皇の国分寺建立の詔を受け、757年(天平勝宝9年)頃、行基によって建立されたという。
 本堂、三十塔ともに、何度か火災や暴風雨で倒壊するが、その都度再建された。
 境内には、国天然記念物の大イチョウがある。推定樹齢1250年で、幹周10m、高さ37mの大木で、古来から「乳イチョウ」と呼ばれている。

「麺屋しらかわ」さんの中華そば(並)に味付け玉子トッピング! 11:25

 宮川朝市を覗いてから、10時40分頃に「麺屋しらかわ」さんに着いたが、既にかなりの人数が並んでおり、1回転目には入れず…
 待つこと30分ほどで入店。並んでいる時にオーダーを聞いてくれるシステムなので、スムーズにラーメンにありつく。
 すっきりとした鶏ガラスープベースの縮れ麺で、おいしゅういただきました。
 これで全旅程終了。渋滞回避のため、昼前には高山を離れる。
 京都にはスムーズに帰還しました。

参考タイム

8/19大正池 5:506:10 田代池 6:356:55 ウェストン碑 7:008:30 明神池 8:5510:05 河童橋 11:1011:15 上高地バスターミナル

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諸国名山探訪

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