会津朝日岳

−昨日の荒沢岳と甲乙つけがたい。この山も「名山」でした−

   
   

山行概要

日 程
2002年10月13日(日)
山 域
会津駒・朝日山地
天 気
快晴
メンバー
単独
コースタイム
白沢登山口=0:45=三吉ミチギ=0:45=人見ノ松=0:15=叶ノ高手=0:25=熊ノ平避難小屋=0:15=バイウチノ高手=0:15=会津朝日岳=0:50=叶ノ高手=0:35=三吉ミチギ=0:30=白沢登山口【4:35】

記録文

 4時半に目覚ましで飛び起きる。満天の星に満足しながら、すぐに車を始動。不気味すぎる暗闇の六十里越を何とか越える。田子倉ダムから只見へ転がり落ちるように下っていくが、あっと言う間に濃霧に包まれてしまった。只見でR289に入り、小雨も落ち始めた中を「いわなの里」の道標に従い、白沢に沿った車道へ。最後はダートになり、いわなの里の奥の駐車場へ。驚いたことにすでに20台ほどの車が止まっている。昨日の荒沢岳の方が有名な気がしたが、結局すれ違ったのは10人位だったような気がするので、意外である。もっとマイナーな山だと思っていたが… さすがに二百名山である。

 霧雨の中、不本意ながら雨具を着けて出発。赤倉沢沿いの平坦な道を行く。何度か枝沢を渡ったり、赤倉沢自身を渡ったりと泥濘がちの道をひたすら進めば、あっと言う間に辺りの霧は幕が上がるように消え、紅葉劇場の始まり始まり。三吉ミチギの水場で喉を潤し、本格的な登りへ。ジグザグを何度も繰り返す。鮮やかな紅葉に励まされ、400mほどの標高差を何とか突破、人見の松で一気に展望が開け、浅草岳が真正面に登場。今日はやや気温が高く。遠望はきつそう。

叶ノ高手にて

 ここから傾斜は一気にゆるみ、叶ノ高手までゆるやかに登っていく。行く手の叶ノ高手の奥には会津朝日岳の岩に覆われた独特の山容がちらちらと眼に入りだす。叶ノ高手では展望ないが、大クロベを2箇所通過すると、絶好の展望台があり、やっと朝日岳の全貌を捉えることができる。

叶ノ高手からの会津朝日岳(拡大はクリック)

 ……素晴らしい山だ。岩で武装した姿が何ともいえない。昨日の荒沢岳も素晴らしかったが、この山も負けていない。2日連続で天候に恵まれ、いい山に当たりました。わざわざ京都からやって来た甲斐があったもんだ。

 ここから熊ノ平までのゆるやかな道のりもまた最高だった。周りの紅葉・黄葉が素晴らしく。眼がチカチカするほど。大勢の人の声がしてくると、避難小屋に出た。昨日は超満員だったらしい。

会津朝日岳へ最後の登り

登りの途中から叶ノ高手方面を振り返る

 ここからピークへの最後の登り。依然として素晴らしい紅葉の中、ジグザグを重ね、バイウチノ高手へ。ここで再び視界が開け、眼前に朝日岳の最後の砦となった岩棚が見える。慎重に足場を選びながら、この岩場を一気に上がり、朝日の最高点へ。

会津朝日岳山頂から越後三山方面を望む

 反対側もこちらと同じように切り立っている。朝日の主稜線はかなりのヤセ尾根である。中ノ岳、越後駒と昨日登った荒沢岳が眼に飛び込む。そして、南側には膨大な丸山岳とその背後に会津駒が見え隠れする。多少霞んではいるが、昨日に負けずとも劣らない眺望が展開する。この最高点から稜線を北に向かえば、三角点と会津朝日岳の標識がある。こちらが標高は低いものの、本来のピークらしい。こちらも展望は良いが、ここだけの特典として、足元の楢戸沢に向かって一気に落ちて行く大スラブの黒光りした迫力が素晴らしい。

会津朝日岳山頂から丸山岳を望む

 先着のおっさんとしゃべっていたら、このおっさん、愛知県から来ていて、昨日は守門浅草を1日でやり、明日は米山と青海黒姫をまた1日でやる予定という。しかも先週もこっちに来て御神楽、会津田代をやったらしい。病気である。そして、この大展望もそこそこにとっとと下山してしまった。人のことは言えないが、そんなんでいいんでしょうか?

会津朝日岳山頂から楢戸沢の大スラブを見下ろす

 昨日と同じように下から次々と登ってきて、ピークは大盛況。仕方なく下ることにする。それにしても、只見に24h営業のコンビニがあったら、ビールを買ってきたのに… 残念。

熊ノ平からの叶ノ高手

大クロベ

 帰路は叶ノ高手まで数え切れないほどのパーティと遭遇し、すれ違いに苦労しながら進む。直下の展望台で朝日岳を眼に焼き付けて、一気に下る。膝は今日は全く問題なし。気持ちの良い林の中を快調に落ちて行く… 登る前はあまり期待してなかった(失礼!)だけにこの山も大好きになってしまった。荒沢岳の時にここ数年で最高と書いたが、朝日岳もそれに負けない位、品格のある名山でした。

 ピークで地元のおっちゃんに聞いた季の郷湯ら里のむら湯に入る。湯は赤褐色で有馬の湯に似ている。故にタオルを近づけるとあっと言う間に染まってしまう。のんびりとしていると急に食欲が頭をもたげてきた。明日は帰らないといけない。新潟までせっかく来たからには魚を食って帰りたい。明日は粟ヶ岳に登って帰るか。となれば海に寄ったって問題ないだろう。おもむろにナビを寺泊港にあわせ、舌なめずりする。さあ、再び六十里越えだ。浅草岳の雄大さに眼を奪われ、死にそうになりながら、ワインディングをこなし、入広瀬村に戻る。栃尾・見附経由で一気に海へ。
 連休中日の寺泊港は物凄い人出だった。土産を買い込み、港横の居酒屋へ。地魚の刺身&焼きと八海山で昇天した。今日はここで寝よう……(どうやって車に戻ったか全然覚えていない)

翌日の粟ヶ岳へ

参考タイム

10/13道の駅いりひろせ 04:4005:50 白沢登山口 06:1006:55 三吉ミチギ 07:0007:45 人見ノ松 07:4508:00 叶ノ高手 08:0508:30 熊ノ平避難小屋 08:3008:45 バイウチノ高手 08:4509:00 会津朝日岳 09:3510:00 熊ノ平避難小屋 10:0010:25 叶ノ高手 10:2510:35 人見ノ松 10:4011:05 三吉ミチギ 11:1011:40 白沢登山口 11:5012:10 季の郷湯ら里 12:4515:30 寺泊港

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