−鮮やか過ぎる紅葉の中、1日当たりの歩行時間、約3時間の牛歩縦走−
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山行概要
1990年10月6日(土)〜10日(水) | ||
朝日連峰 | ||
ゴリ(♂)、ミケ(♀)、奴隷のT(♂)、私 | ||
鶴岡=TAXI=泡滝ダム=2:45=大鳥小屋【2:45】 | 大鳥小屋=1:40=三角峰直下=0:30=ウツボ峰=0:50=以東岳=0:50=中先峰=0:25=狐穴小屋【4:15】 | 狐穴小屋=0:15=三方境=0:10=北寒江山=0:25=寒江山=1:05=竜門小屋【1:55】 | 竜門小屋=0:15=竜門山=0:55=西朝日岳分岐(西朝日岳往復20分)=1:20=大朝日小屋(大朝日岳往復20分)【2:50】 | 大朝日小屋=1:00=熊越=0:20=小朝日岳=0:50=鳥原山=0:20=鳥原小屋=1:55=朝日鉱泉【4:25】 |
記録文
10/6 雨
4回生の私以下、1、2、3回生と一人ずつ集まったパーティ編成。もう10月のこの時期にのんびりと山に行けるのもこれが最後かと思うと、少し悲しい。
関西から朝日は遠すぎる。前日の夕方に京都から新幹線で東京に向かい、上野から夜行列車に乗り込み村上経由で鶴岡へ。この時点でかなりぐったりしているが、さらに息つく間もなくタクシーに乗り込み、泡滝ダムに着いたときには、皆疲れ切っていた。おまけに生憎の空模様で、傘をさしての出発。足取りは重い。
色づき始めたブナ林の中をゆるゆると進む。途中何度か吊橋や木橋で枝沢を渡るが、本流は地図で見る以上に離れており、足下のはるか下だ。七ツ滝沢を直接遡行するルートを分け、しばしの間急登をこなせば、今日の目的地大鳥池が現れた。
小屋は新築で、非常に気持ちが良い。
夕食前に小屋付近を散策。この池は独特のムードがありますね。何か棲んでそう…
10/7 曇り
6時前に出発。三角峰までの登りはなかなかきつい。しだいに鮮やかになる紅葉に励まされながら頑張る。
稜線まで上がると、展望が開ける。今日は高曇りなので、視界も良好。月山が真正面です。
ウツボ峰〜以東岳間は草紅葉のプロムナード。最高っす。
以東岳頂上で熊の毛皮発見と思いきや、大鳥池でした。形はクリソツですな。
とにかく以東岳は展望最高!!! 月山と鳥海山(左)をバックにご満悦。
昨年の同時期に歩いた飯豊の山並みも全開。
そして、これから辿る朝日の主稜線。何も言う事ないっす。
これぞ朝日といった感じのゆるやかな稜線が続く。周囲の紅葉&草紅葉と相まって素晴らしい光景が連続し、我々はただただ呆然とするばかり。
草紅葉が鮮やかな草原(こんな所がいっぱいある)で、のんびりと。
なだらかな稜線は、ほとんど高速道路状態。あっと言う間に距離を稼ぎ、振り返ると以東岳の威風堂々とした姿が素晴らしすぎ。
結局、狐穴小屋には14時着。なかなか良い1日でした。
10/8 曇り後霧
6時すぎに出発。今日も紅葉ロードを行く。気分良く… と書きたいところだが、寒気が入っているのか、すっきりとしない天気で残念。
それでも、正面には大朝日がくっきりと。どろりんとした曇天の下、作戦開始。
寒江山近くにて。日が差さなくても、この美しさです。
しだいに風もきつくなってきたので、竜門小屋で様子を見ることに。すると、昼前からさらに風が強まったため、今日はここで行動終了。食料は十分だし、僕らは気楽な学生でもある。先を急ぐ必要は全くないんです。
10/9 曇り時々晴れ
竜門小屋前にて撮影。今日は進んでも大朝日小屋までなので、ゆっくりと8時半に出発。天気も昨日よりはマシで、時折日も射している。
またしてもゆるやかな紅葉の稜線を快調に進む。主稜から少し離れている西朝日のピークもしっかり踏み、ピークハンターとしての欲望を満たす。
この辺り、まさに狐色の草原が続く。寝っころがりたいが、けっこうジメジメしているので、断念。
中岳を越えると、大朝日岳が眼前に。すっきりとしたピラミッドが超男前っす。
中岳を経て金玉水にかけては、最高の草紅葉が展開。(うちのパーティの連中はずっと金玉水の読み方を卑猥に呼んでいた)
大朝日小屋への急登も軽くこなし、小屋には昼過ぎに到着。さっそく大朝日のピストンに向かう。
ピークは我々4人の独占。強風が吹き荒れていたが、そのおかげで周囲のガスは飛び散ってしまった。展望は最高!
一番奥の鋭峰が祝瓶山。計画では行くはずだったが…
とにかく、素晴らしい展望に大満足し、意気揚々と小屋に帰還した。
この夜は無茶苦茶冷え込み、ガラガラの小屋(今ならとても考えられない)は超寒かった。
10/10 雪後晴れ
朝起きて皆仰天する。何と周囲は白銀の世界へと変貌していた。去年の飯豊と同様、2年連続で雪の洗礼。しかも強風が凄い。8時まで様子を見て、いったん出発するが、飛ばされそうな強風で、ほうほうの体で引き返した。(ザックカバーが瞬間で姿を消した…)
今日は停滞だなと諦めていたが、しだいに風が弱まってきたので、出発を決意する。祝瓶山はこの時点で諦めました。
小朝日岳を目指し、風にあおられながら、ヨロヨロと進む。
熊越まで下って、やっと風も収まった。それにしても、この辺りの紅葉は目がチカチカするほど。
熊越からけっこう厳しい登り返しをこなして着いた小朝日からは、新雪を纏った大朝日が颯爽と…
鳥原山までの黄葉も何度か立ち止まってしまうほど。
正面に小朝日岳が。大朝日は再び雪雲に覆われてしまった… ここで主稜の山々の眺めはほぼおしまい。後は鳥原小屋を経由して朝日鉱泉までの長い長い下り。何度か登り返しもあるので、鉱泉に降り立ったときには、みな結構くたびれていた。
鉱泉に入浴後はラッキーにも地元の方の車に乗せてもらい、長井駅まで送ってもらったので、その日の「きたぐに」に乗ることができた。
5日もかけた割には、あんまり歩いていないような気もするが、お目当ての紅葉はばっちりで。大満足の山行でした。
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諸国名山探訪
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