伊勢参宮本街道その6(大和朝倉〜榛原)

−大寒波が襲来する中、3日連続の伊勢参宮本街道ハイク。長谷寺から西峠を越え、榛原へ

山行概要

日 程
2021年1月2日(土)
山 域
伊勢参宮本街道
天 気
曇り時々晴れ
メンバー
単独
コースタイム
近鉄大和朝倉駅=0:10=春日神社=0:30=十二柱神社=0:20=長谷山口坐神社=0:15=愛宕神社=0:50=西峠=0:15=札の辻=0:05=近鉄榛原駅【2:25】

記録文(写真はクリックで拡大)

 3日連続の伊勢参宮本街道歩き。今日もめっちゃ寒い… 今日の出発地は遠い。ほぼ始発で出たはずだが、出発地の大和朝倉駅に着いたのは7時半…
 駅から長谷川を渡り、早速街道筋を東へ進む。

朝倉集落のまちなみ 7:31

 朝倉集落の街道筋は、大和棟の町家が建ち並び、街道の雰囲気は最高。
 しかし、この日も超絶寒い… 春日神社手前のコンビニでカイロを購入したが、寒さのせいか、温度が上がらない…

春日神社 7:31

 街道筋からR165を北に渡って、春日神社へ。
 この辺りは、縄文・弥生時代から古墳時代にかけて遺物が出土し、脇本西遺跡・脇本東遺跡として以前から有名だ。
 雄略天皇の泊瀬朝倉宮(はつせのあさくらのみや)の伝承地は奈良県桜井市黒崎とされてきたが、近年に脇本遺跡で、5世紀後半のものと推定される大型建物の遺構が発掘され、この発見により泊瀬朝倉宮は伝承されてきた黒崎ではなく、脇本春日神社周辺にあったことが判明した。泊瀬朝倉宮は雄略天皇が在位した456年から479年までの皇居であったと考えられている。
 飛鳥に宮が移るまで三輪山の西南麓から香具山辺り一帯は、天皇や皇后の宮が13もあったと伝えられ、大和王権の中心地域だったと伝えられている。

白山神社 7:57

 街道筋に戻り、しばらく道なりに歩いていたが、またR165に合流すると、すぐ白山神社。
 ここも泊瀬朝倉宮伝承地で、雄略天皇の歌で始まる「万葉集」の発祥の地らしい…
 しばらく国道沿いの単調な歩みが続く。

十二柱神社 8:13

 再び国道に合流すると十二柱神社が目の前に… この辺りは出雲という集落らしい。
 十二柱神社は、出雲集落のほぼ中央に位置し、十二柱という名前の通り国常立神(くにとこたちのかみ)など神世七代の神々と、天照大神など地神五代の神、あわせて十二柱の神々を祀っている。
 出雲の集落は、我が国初の天覧相撲で勝利した 野見宿禰を祖としており、この地は相撲をとった穴師の相撲神社とならぶ、相撲発祥の地として知られている。
 しばらく国道を歩むと、やっと長谷寺門前町の入口に到着。国道を離れ、門前町へ。

長谷山口坐神社 8:35

 門前町をしばらく進むと、右手に長谷山口坐神社の参道が分岐する。一気に小山の山上にある境内へ。
 長谷山口坐神社は、長谷山の鎮の神として大山祗神を祀っている。また元伊勢であり、崇仁天皇の御代、倭姫命を御杖として、この地に約8ヶ月天照大神をお祀りになった際、随神として天手力雄神(岩戸隠れの際、アマテラスが岩戸から顔をのぞかせた時、アマテラスを引きずり出したとされる)を鎮座させられたと言われている。

門前町の酒屋さん 8:41

 長谷門前町は、趣ある町家が多い。この酒屋さんもそうだ。
 何か買いたかったが、正月かつ、この時間では…

長谷寺を遠望 8:50

 「伊勢辻」という辻を右折し、化粧(けはい)坂という細道の九十九折れを一気に登る。途中に「おはぐろ石」という巨石があり、このあたりで旅人たちが服装の乱れを整えるべく、衣装替えや化粧直しをしたという伝承が残っている。尾根上に出ると、街道筋は左手に下って行くが、ここは右折し、尾根上を進み、愛宕神社へ寄り道。
 この尾根は長谷寺の対斜面に位置するので、長谷寺が一望である。

愛宕神社 8:52

 愛宕神社は桜井市史によると「俗に愛宕山といわれ、長谷寺の南正面にあたる山頂。ご神体の白馬に乗った愛宕権現神像は、昭和17年(1942年)の火災で焼失し、再建されないまま、いまは廃社にひとしい状態。旧社前に一対の石燈籠(享保12年(1727年))のみが残る」とあり今は跡地に、小さな祠が残るのみである。

榛原方面を望む 8:56

 分岐に戻り、見晴らしの良い斜面をのんびり下り、R165に再合流。西峠へ向けて、徐々に登って行く。

吉隠(よなばり)の町家 9:20

 国道を少し離れ、吉隠(よなばり)の集落に入る。吉隠は万葉集に数首、詠まれてた地名で、中でも、穂積皇子が最愛の人、但馬皇女を偲んで作った万葉集、巻2の「降る雪は あはにな降りそ吉隠の 猪養の岡の 寒からまくに」は万葉集ファンにとってたまらない魅力を持った名歌らしい…
 味気ない国道歩きが続き、西峠を越える。西峠で国道を離れ、榛原の街並みへ入って行く。

札の辻 10:00

 風情ある街並みを進んで行くと、伊勢参宮本街道と伊勢表街道(初瀬街道)の分岐点をなす要所「札の辻」に到着。元旅篭「あぶらや」や常夜燈が残っており、石の道標が残っており、「右 いせ本かい道 左 あをこ江みち」と刻まれている。伊勢表街道は、青山高原を越えるため「あを越え道」とも呼ばれていた。
 近鉄線をくぐると、伊勢参宮本街道は真っすぐ山中に入って行くが、今回は右折し、榛原駅で歩行終了となった。






参考タイム

1/2近鉄大和朝倉駅 7:307:40 春日神社 7:408:10 十二柱神社 8:158:35 長谷山口坐神社 8:358:50 愛宕神社 8:559:45 西峠 9:4510:00 札の辻 10:0010:05 近鉄榛原駅

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