芦別岳(旧道〜新道コース)

−スーパー快晴の下、「北海道の槍」へ突撃!! 旧道コースは歩き応えありすぎ−

   

山行概要

日 程
2005年9月15日(木)
山 域
夕張山地
天 気
快晴
メンバー
ドレイのあかざわ(♂)、私
コースタイム
ふれあいの家=1:30=ユーフレ小屋分岐=1:10=夫婦岩分岐=1:10=北尾根1453ピーク=2:10=芦別岳=0:50=半面山=2:00=ふれあいの家【8:50】

記録文

 4時半起床。黎明の空には全く雲の姿は無い。天気予報どおりとは言え、体中から鳥肌が立つ。
 しかし、デミオの「フルフラットシートもどき」での睡眠のため、腰が痛い。
 車内でコンビニおにぎりの朝食を取りながら、もう少し明るくなるのを待つ。(クマが怖いので…)

ふれあいの家を出発 5:14

 森に入るところに登山ポストがあり、記入して林道を奥に進む。気ははやるが、何といっても今日はロングコースなので抑え気味に歩く。

林道終点 5:34

 まだ薄暗い森の中を山道に入る。いかにもクマが出そうな雰囲気。先頭のあかざわ君に笛を鳴らしてもらいながら慎重に進む。
 情報どおり、道の手入れは良くない。踏み跡はしっかりしているが、刈払いが不十分なので、ズボンの裾はすぐにびしょ濡れに。
 ユーフレ川に沿って歩き始めたなと思ったら、すぐに名物の高巻きが登場。けっこう登らされます。本格的な山は久しぶりのあかざわ君はすでにキレ気味。

河原で一休み 6:05

 いったん河原沿いに進むものの、すぐにまた高巻きを強要されます。
 高巻きは大きくは2つだったと記憶していますが、それ以外にも細かな高巻きが数回。昨日けっこうな雨が降ったようで、水量もいつもより多いと思われ、平時なら何でもない沢沿いの道も今日は特別に高巻きしなければいけないようです。

白竜ノ滝 6:48

 ユーフレ小屋分岐のすぐ手前にあります。
 鉄製のハシゴを登れば、道標の立つ小屋分岐。しかし道標には小屋への記載のみで、肝心の旧道コースを指す道標はない。旧道へは赤テープに導かれ、右手の踏み跡へ。

夫婦沢を登る 7:11

 さらに細くなった踏み跡を夫婦沢に沿って登っていく。沢の規模はさっきのユーフレ川に比べ、各段に小さくなっているので、高巻きの必要はもうないが、所々完全にコースが崩れているところがあり、気は抜けない。

稜線は遠い… 7:32

 コースが荒れ気味なので、行程は遅々としてはかどらない。少し開けたところで小休憩。さらにキレたあかざわ君は服を脱いでます。
 槙柏山の岩壁が右手に仰げるようになったが、稜線は遥か彼方…
 夫婦岩への岩登りに向かうコースを左に分けると、沢を離れ、傾斜が増す。足元は多少歩きやすくなったものの、けっこう急な登りでここで私もキレそうに… このコースはホンマに消耗戦を余儀なくされます。体力に自信の無い方は遠慮された方が…

夫婦岩 8:38

 北尾根の直下まで何とか登ると夫婦岩が凄絶な姿を見せてくれる。何とかこれに勇気づけられて、さあ、北尾根まであと一息。

やっと北尾根に出た! 8:52

 爽やかな尾根に飛び出す。あの先の高みに行けば芦別の勇姿が見られるはずとピッチが上がる。

トムラウシ&十勝連峰 8:56

 振り返るとトムラから十勝連峰が勢揃い。次回は必ず縦走したいっす。

崕(きりぎし)山 9:03

 進行方向右手には恐竜の背のような崕山。石灰岩特有の貴重な高山植物が生える山だが、盗掘が激しく、登山禁止になったといういわくつきの山である。

富良野西岳 9:21

 背後には極楽平を前景に布部岳(左)と富良野西岳。デジカメのメモリーが急速に減っていく〜

ついに夫婦岩の高度を抜いた 9:26

 夫婦岩とほぼ同じ高さになれば、北尾根の1453ピークは近い。さあ、芦別のお出ましだ。

芦別岳、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!! 9:30

 ここまで4時間もかかってしまった。苦労しただけに絶叫、絶叫!!!。この姿を拝むために今回10万円以上のコストをかけたようなもんなので、思わず合掌してしまった。
 2人ともシャリバテ状態だったので、この先のケルンのあるピークで芦別を眺めながらのランチタイム。

北尾根を快走 10:17

 常に芦別の「穂先」を眺めながらの至極の縦走が続く。
 右手には遠く札幌の市街地や石狩湾、羊蹄山や恵庭岳まで見える。

かっこ良過ぎます 10:59

 だいぶ近づいてきました。あと30分位で着くかなと思っていたんですが…
 この辺りで、今日初めて他の登山者と遭遇。単独のおっちゃんで、新道コースから来たとのこと。おっちゃんは芦別の姿に感動しながらも、「新道と比べたら旧道の荒れ具合はヒドイ」とボヤッキー状態ですれ違っていった…

行く手は激しい 11:22

 縦走を再開。1579ピークからは、今まで見えなかったキレットが姿を現した。いったん大きく下る必要あり。これは一筋縄ではいかんな〜
 芦別の姿もしだいに変わってきた。

キレット通過中 11:32

 見た目ほどは大したことないですが、それよりもアップダウンが激しくてもうクタクタ。もう行動時間は6時間を超えているんですが、まだピークは遠い。

北尾根を振り返る 11:35

 西富良野岳は遥か彼方&下方に。

キレット突破 11:42

 ここまで来れば下りはなく、ひたすら登るだけ。あかざわ君、ブランクの影響が出たかバテバテ…

待ってろ芦別! 11:44

 この角度からは左下方に荒々しく伸びる第一稜の迫力が凄い。

頂稜は目前 11:51

 山頂直下の通称「お花畑」は近い。気合で登り続ける。

「お花畑」にて 11:58

 この季節なので、もちろん花の姿はないですが、微妙なグリーンの草原が気持ちよすぎ。

「穂先」を登る 12:03

 最後は急峻な岩場の登り。一歩ごとに背後の展望が広がる。夕張岳も見えてきた。

芦別岳、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!(くどい) 12:25

 登り始めて7時間弱。日帰りの山でこれだけ攻略に骨が折れたのは初めてかもしれない。それ故にこの感激は言葉では伝えられません。北海道という関西からは遠すぎるロケーションも相まって、感動は∞

ポントナシベツ岳と夕張岳(後) 12:26

 夕張岳は過去2回登ろうとして失敗し、今回も林道工事中により断念と、なかなか御縁がありません。
 6年後、やっと登れました。

北尾根と西富良野岳 12:26

 あれだけシゴかれた尾根も、こうして見下ろしてみると愛しい(嘘)

雲峰山を見下ろす 12:28

 下山方面。ここも緑のカーペットが魅力的。

下山開始 12:45

 帰りも長いので、仕方なく30分の滞頂で下山。新道へ。
 まずは目の前の雲峰山目指して下るが、ピーク直下は転がり落ちるような急降下。疲れた大腿部の踏ん張りがききません。

雲峰山にて 13:02

 ここからの芦別はボリュームたっぷり。旧道からの姿とは別の山のようです。

半面山へ 13:17

 半面山へはゆるやかに下っていく。遠く日高の山々を眺めながら、あくまでのんびりと下る。(足がしんどいだけか)
 ルートの整備度は旧道とは比べ物になりません。きちっと刈払いがされているので、足元を気にせず高速下山が可能です。(旧道の下りはブッシュで足元が見えないので難渋必至だと思います)

雲峰山を望む 13:25

 半面山の直下から。写真では見えていませんが、芦別の雄姿はここで見納め。何度も振り返る私。

夫婦岩が5時間ぶりに正面に 13:51

 朝、見た姿からはちょうど反対側になります。よー歩きました。

鶯谷 14:05

 全くの尾根上。何で「谷」というネーミングなのかよく分からないです。
 ここからユーフレ小屋への連絡路が分岐している。

単調な下りが続く 15:05

 鶯谷からは、精神的に疲れ切りました。疲れきった体にはとにかく長い! たまに山部の町が見下ろせますが、ほとんど近づいたように見えないし… あかざわ君は数年前に買った靴が足に合わないらしく、足を引きずってます。(今頃発覚するとは、いかに山に行っていなかったかがよく分かる)
 大声でキレた声を2人で上げ続けて下るので、クマ除けの鈴は不要だった(笑)

新道登山口 15:32

 思わず座り込むあかざわ君。行動時間10時間を超えてます。体はくたばってますが、なんともいえない心地よい達成感が体を包む。
 おっと、まだ車のあるふれあいの家まで若干の車道歩きが残っている。

振り出しに戻る 15:46

 あーしんど。
 芦別岳、素晴らしい山でした。
 リンクをさせていただいている、坂口さんのアドバイス通り、旧道から登って良かった。新道ピストンではこの山の良さ(辛さも)を3割位しか味わえませんよ。
 皆さんもぜひ旧道から登ってください。

参考タイム

9/15ふれあいの家 5:206:50 ユーフレ小屋分岐 6:507:30 休憩 7:408:10 夫婦岩分岐 8:108:40 休憩 8:509:30 北尾根1453ピーク 9:409:55 ケルンのあるピーク(昼食) 10:1512:10 芦別岳 12:4013:30 半面山 13:4014:05 鶯谷 14:0514:30 見晴台 14:3515:45 ふれあいの家

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