熊野古道伊勢路その4(阿曽〜紀伊長島)

−大内山川を遡り、熊野灘へ−

   

赤線がこの日のルート(青線は翌日)

山行概要

日 程
2016年4月30日(土)
山 域
熊野古道伊勢路
天 気
快晴
メンバー
単独
コースタイム
JR阿曽駅=0:35=津島神社=0:55=JR伊勢柏崎駅=1:00=大内山の一里塚=0:30=JR大内山駅=0:30=JR梅ヶ谷駅=0:40=荷坂峠=0:30=荷坂峠登り口(紀伊長島側)=0:45=JR紀伊長島駅=0:20=長島神社=0:20=赤羽口バス停=0:35=JR紀伊長島駅【6:40】

記録文(写真はクリックで拡大)

 昨日の熊野古道伊勢路その3(栃原〜阿曽)に続く連戦。
 前夜は「きいながしま古里温泉」の駐車場でまたしても車中泊。今日も良い天気だ。
 昨日の続きを歩もうと、車で5分ほどのJR紀伊長島駅へ。昨日、阿曽駅から乗った列車と同じである、6時17分発の亀山行きに乗り込む。6時45分に昨日のゴール地点である阿曽駅に到着。

大山内川沿いに進む 6:58

 早速、駅から歩き出し、R42に合流。朝の斜光の下、しばらく国道を大山内川沿いに進む。昨日、久しぶりにまとまった距離を歩いたので、ダメージを心配したが、何とかなりそうだ。
 岩舟橋を渡ると、トイレもある園地があり、ここから柏野という集落の中の旧道を進む。古い街並みが残っており、雰囲気のある道だ。左に少しそれた所に津島神社がある。

津島神社 7:20

 津島神社は、寛永(1624−1645)年代に、村人の半数が死に至った病が流行した際に、村人がその難を逃れようと、厄除けの神とされる牛頭天王を祀り、東海地方や東日本を中心に信仰を集めていた、愛知県津島神社へ参詣祈願し、その後今の社地を選び鎮座されたものである。明治41年(1908年)、周辺の小社を合祀し、今に至っている。
 そして、集落の中心部辺りには、金谷山寶蔵寺がある。

寶蔵寺の椋 7:27

 金谷山寶蔵寺は、城のような高石垣を張り巡らし、石垣を登った境内には、椋などの大木が3本も立つ、なかなか豪壮な寺院である。寺の先でR42に再合流し、しばらく進むと、沼ヶ野という交差点から、また左の脇道へ。
 幾つかある分岐は、右に、右に、進む必要がある。大覚寺の手前で右折しなかった私は、しばらく正反対の方向に歩いてしまい、10分ほどロスしてしまった。

紀勢大橋で大山内川を渡る 8:08

 何とかルートに復帰し、大覚寺の先で、また国道に合流。しばらく進むと、「山海の郷 紀勢」という道の駅風の物産店が現れ、その横の紀勢大橋を渡って、国道を離れる。
 山沿いの旧街道を進み、柏崎集落に入る。途中、枝垂桜で有名な大紀町役場紀勢出張所を過ぎ、隣の大蓮寺へ。大蓮寺も「花の寺」として親しまれているようだ。

大蓮寺 8:17

 大蓮寺から柏崎の渋い街並みを抜け、踏切を渡り、大内山川沿いに進む。はるか頭上を通る紀勢自動車道をくぐると、再び踏切を渡り、人気の無い細い車道を進む。やがて坂津という集落に入り、線路をくぐった先で、大内山川の右岸に渡り、R42に合流。

川沿いの地道を行く 9:17

 しばらく国道を道なりに進むと、右に脇道があり、街道の趣を少しだけ残す町並みを抜け、また国道に合流。そして、新不動野橋まで進むと、手前に一里塚跡があり、そこで左折し、しばらく地道を歩く。久しぶりの土の感触だ。川沿いの静かな山道を抜けると、やがて舗装路に変わり、江尻橋南側の交差点でR42に突き当たる。
 国道を横断し、旧街道へ。古い街並みの中を進み、大きな常夜灯が建つJR大内山駅前を通過。駅前には農協の小さなスーパーがあり、補給可能だ。すぐに国道に合流し、後は延々と国道沿いに進むと、JR梅ヶ谷駅。ここから、江戸時代以前のメインルートだった、ツヅラト峠へ向かうルートが右に分岐するが、この日は荷坂峠越えで紀伊長島を目指す。故に国道を直進する。
 徐々に峠への登り道になる頃、道標に導かれ、右手の林の中に延びるダート道に入る。5分程で国道の荷坂トンネル入口前に飛び出し、注意して国道を横断すると、そこが荷坂峠の登り口で、ここから久方ぶりの世界遺産登録ゾーンとなる。

荷坂峠 11:05

 林道を少し進んで、すぐに241mの荷坂峠。ほとんど登ってきた気がしなかったが、ついに紀伊の国に入った。この緩やかさが、正式ルートになった所以だろう。

沖見平からの熊野灘 11:14

 南国らしい照葉樹の森の中をゆるやかに下って行くと、沖見平への分岐があり、少し寄り道。熊野灘の青い海が広がる。伊勢神宮から歩き続け、4日目にしてついに海を眺めることができた! 昔の巡礼者も、さぞ感慨深かっただろう。

長島側の荷坂峠登り口 11:35

 沖見平からさらに下る。明治道と江戸道が何度か交差するようになるが、基本はゆるやかな九十九折れの明治道を下る。長島側の登り口に到着し、長閑な景色の中、片上川沿いに舗装路を進むと、しだいに市街地に入っていき、R42に合流。

「まるます」さんのウニ定食 12:06

 さすがに腹が減ったので、道の駅「紀伊長島マンボウ」の向かいにある「まるます」さんに何とか潜り込み、ウニ定食でご満悦。

片上池の畔を行く 12:32

 片上池の畔を歩き、線路沿いの道でJR紀伊長島駅に帰着。予定ではここまでのつもりだったが、まだ13時前だし、明日は、ぼんやりとツヅラト峠越えのルートも歩きたくなってきたので、ツヅラト峠越えのルートと紀伊長島駅の間を結ぶ区間を今日中に歩こうと思い立つ。

長島神社からの長島港の町並み 13:24

 駅前から南西に進み、赤羽川を渡って左折し、長島漁港の古い街並みを歩行する。紀伊長島城跡のある城腰山の南半分をぐるっと回るように進むと、R42に出て、江の浦の内湾を見ながら、のんびり進むと、コンビニの立つ加田の交差点に到着。

江の浦 13:24

 踏切を渡ったところに、石仏道標があり、その先に延びる車道が、明日たどる予定の、ツヅラト峠・島木峠越えのルートである。満足して紀伊長島駅に戻ろうとしたが、適当なバス便がなく、徒歩で戻る。帰路は、長島トンネルの歩行者専用トンネルをたどり、城腰山をやり過ごす。暑い1日だったので、トンネル内は涼しくて気持ちが良い。

「城のこし」さんで痛飲 17:25

 昨日も入った「きいながしま古里温泉」で一浴し、紀伊長島駅に戻って、駅近くの「城のこし」さんで痛飲し、この日は駅前の無料駐車場で爆睡した。
 明日の行程(熊野古道伊勢路その5(梅ケ谷〜三野瀬))へ。

参考タイム

4/30JR阿曽駅 6:457:20 津島神社 7:208:15 JR伊勢柏崎駅 8:159:15 大内山の一里塚 9:159:45 JR大内山駅 9:5510:25 JR梅ヶ谷駅 10:2511:05 荷坂峠 11:0511:35 荷坂峠登り口(紀伊長島側) 11:3512:05 まるます 12:2512:40 JR紀伊長島駅 13:0013:20 長島神社 13:2513:45 赤羽口バス停 13:5014:25 JR紀伊長島駅

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