明日香

−桜満開の中、歴史ハイクの定番コースを行く−

   

拡大はクリック

山行概要

日 程
2004年4月3日(土)
山 域
明日香
天 気
晴れ
メンバー
単独
コースタイム
近鉄飛鳥駅=0:10=高松塚古墳=0:25=天武・持統天皇陵=0:25=亀石=0:10=橘寺=0:15=石舞台古墳=0:15=岡寺=0:20=飛鳥寺=0:25=甘樫丘=0:50=久米寺=0:15=近鉄橿原神宮前駅【3:30】

記録文

 先月から、計画性は全く無いながらも、奈良各地の探訪を続けている。京都のど真ん中に住んでいるのに(住んでいるからか)、京のまちを歩きたいという気持ちは、ほとんど湧いてこない。なんで奈良が良いのか、すぐに思いつくのは、やはり里山の自然な佇まいだろうか。京都の方が有名な寺社が多く、嵐山や大原のように自然豊かな名所も多いが、何か人工的な匂いがきつくて、自然な感じがあまりしない。
 一方で、奈良の場合は、奈良市街でさえ、少し歩けば、周囲は一気に長閑な風景が広がり、それらの自然に溶け込んだ形で寺社が点在し、そこにいるだけで癒される感じがする。そういう訳で、足が奈良に向いてしまうのだろうと勝手に思っている今日この頃である。
 前置きが長くなってしまったが、今日も最寄駅から竹田乗換えで、橿原神宮前行の急行に乗り込む。このアクセスの良さも通い込む理由か。いよいよ今日は、明日香に向かう。「いよいよ」と言うのは、自分的には奈良で一番好きなのが明日香で、この連戦の中、いままで訪れなかったのは、一番季節が良い時に訪れたかったから。天気予報も申し分なく、桜も満開の状況で、いよいよ機が熟した形となった。

朝の斜光の中、高松塚古墳へ向かう

 早朝の飛鳥駅に降り立つ。まだ人影はまばら。駅前から東へ向かう車道を進む。好きだと言いながらも、この辺りを訪れるのはほぼ12年ぶりであり、当時の記憶は高松塚古墳の壁画と石舞台が断片的に浮かぶのみというお寒い状況である。まあ、どんな景色がこれから飛び込んでくるのか、楽しみでもあるが。

高松塚古墳

 真正面に見える緑の丘が高松塚だろうと勝手に検討をつけて進む。果たして、間違いではなかったが、肝心の壁画は、9時半からの営業であり残念ながら見ることができなかった。一度見てるし、しょうがないか。

鬼の雪隠

 高松塚と中尾山古墳との間の窪地を抜け、国営飛鳥歴史公園館を過ぎると畑の畦道を進むようになる。何とも広がりのある光景。あまりの気持ち良さに思わず路傍の鬼の雪隠を通り過ぎそうになってしまった。向かいの鬼の俎も見てから、少し先の小山が天武・持統陵。

天武・持統陵

 夫婦仲良くと言いたいところだが、真偽はともかく、私の中での天武天皇のイメージは「逆説の日本史」で大きく変わってしまった。

定林寺跡の入口

 車道までゆるゆると下り、明日香小学校の前を通り、定林寺跡へ。標識だけが残る静かな空き地だが、ここに至るまでの周辺の風情が何とも言えず素晴らしい。桜も満開で、まさに求めていた癒しの空間がそこにはあった。桜の木の下に座り込み心のエネルギーを充填する。

亀石

 明日香村健康福祉センター「たちばな」の前を通り、亀石に立ち寄ってから、橘寺に向かう。古い家並みが途切れた瞬間、橘寺が畑の向こうに姿を現した。

桜満開の橘寺

 境内は桜吹雪が舞い、映画のワンシーンのような光景が展開していた。

橘寺から石舞台へ向かう

 橘寺の東側の門を抜け、飛鳥川に沿ってのんびり進む。いかにも明日香らしい山里の景色の中、恍惚の表情で進んでいく。人のざわめきがしだいに大きくなってくると石舞台の裏手に出た。

春爛漫の石舞台

 昔は無料だったような気がするが、今は入場料を取っていた。維持管理するのは大変だと思うので、納得して金を払い、石室内部を鑑賞。回りは桜も満開で、まさに春爛漫といった光景である。

石舞台から岡寺へ山すそを進む

 石舞台からいったん山手に登り、山すその道を歩む。急登かつかなりの高度まで上がるので、あっという間に明日香の里が眼下に広がった、今日は春霞で遠望は望むべくもないが、逆にそれが春をより一層感じることになった。

岡寺

 山腹をトラヴァースして岡寺へ。下から岡寺へ一気に登るのは大変だろう。ここも前回参拝しているが、記憶がほとんど飛んでいるので、じっくりと参拝。ここから見下ろす明日香も秀逸。ほんとうにここは見所が多くて、飽きることがない。

飛鳥寺へ伝飛鳥板蓋宮跡を進む

 参道を駆け下り、少し北に歩むと、広大な原っぱが展開、ここが伝飛鳥板蓋宮跡である。ここからさらに北へ飛鳥寺までこの広々とした空間を味わいながら進む。

蘇我入鹿の首塚と飛鳥寺

 飛鳥寺は、日本で最初の大寺院で、創建時は、塔を中心に東・西・北の三方に金堂を配し、その外側に回廊をめぐらした大規模な伽藍配置だったようだ。平城京遷都とともに移転し、元興寺と名を変えたが、当時からの本尊である飛鳥大仏は今もここにあり、日本最古と言われている。

甘樫丘から畝傍山を望む

 水時計の跡だったという水落遺跡を過ぎ、北側から甘樫丘へ登る。ちょうど登り口に売店があったので、ここでビールとつまみを調達。標高100m余りの丘へは10分もかからない。畝傍山を望む頂上の一角に腰を下ろし、至福の一時を味わう。

久米寺

 橿原神宮へは、和田池、剣池を経由。神宮前駅のところで線路を地下道でくぐり、これまで行きそびれていた久米寺に立ち寄る。最後はすぐ北側の橿原神宮に参拝して、充実の歴史ハイクを終えた。

参考タイム

4/3近鉄飛鳥駅 8:108:20 高松塚古墳 8:308:50 鬼の雪隠 8:508:55 天武・持統天皇陵 9:009:15 定林寺跡 9:209:30 亀石 9:309:40 橘寺 10:0010:15 石舞台古墳 10:2510:40 岡寺 10:5511:10 伝飛鳥板蓋宮跡 11:1511:20 飛鳥寺 11:3512:00 甘樫丘 12:3013:20 久米寺 13:3013:35 橿原神宮 13:4013:50 近鉄橿原神宮前駅

山行データへ

諸国名山探訪

Copyright(C) Hiroshi Fujita All right reserved

inserted by FC2 system