−衝動的突発的広島旅行の初日は海軍縁の江田島へ−
山行概要
2012年3月3日(土) | |
江田島 | |
晴れ | |
単独 | |
切串港=0:15=クマン岳登山口=0:30=クマン岳=0:30=古鷹山=0:10=古鷹山三角点=0:30=海上自衛隊第一術科学校【1:55】 |
記録文
前日の金曜日、なぜか急に江田島に行きたくて行きたくて仕方がなくなった。旧海軍兵学校跡地に建つ海上自衛隊第一術科学校の見学時間が指定されているので、それを軸にしたプランニングを急遽練り上げる。兵学校の生徒が鍛錬で登り、また重巡洋艦の艦名にもなった古鷹山登山も外せない。13時からの学校見学に合わせるべく逆算する。我ながら緻密なプランが出来上がったと、行く前からニンマリして床に就いたのであった…
7時前に出る朝一の「のぞみ」で京都を発つ。広島には8時半に到着。宇品港へは広電で向かうのが定石だが、フェリーの時間を考慮し、やむなくタクシーに乗り込む。
余裕で9時20分のフェリーに間に合うはずが、運転手さんと話が盛り上がり、原爆関連のスポットを何箇所か案内されてしまう。嬉しいのは山々だが、ドキドキものであった。
何とか予定通りのフェリーに乗り込む。フェリーは波穏やかな瀬戸内をするすると進む。
目の前の安芸小富士がめっちゃ立派で、必ず明日には登ろうと誓う。
江田島の山並みが羽を広げたように広がる。中央がクマン岳だと思われる。
江田島へは30分ほどなので、あっと言う間に近づいてくる。船内で入念にストレッチを繰り返し、スタートダッシュに備える。
宇品港にあった登山マップは非常に分かりやすく、また道標も整備されているので、スムーズにクマン岳の登山口へ。
行き交う島の人々皆が挨拶してくれるのも嬉しい。
簡易舗装の道が尽きたところから登山道が始まる。決して幅広ではないが、きれいに刈り払われた歩きやすい道が雑木林に伸びていく。
しかし、歩きやすい道のせいで、先を急ぎすぎたか。すぐに登山道はクマン岳前衛峰への直登となり、完全にオーバーペースで息も絶え絶えの状態に… 何年やっても直らない私の悪癖である。
振り返ると島の山旅ならではの景色が広がる。昨日までと打って変わったポカポカ陽気で「春」の訪れを実感するひととき。
前衛峰まで登りつくと、クマン岳へはゆるやかな縦走が楽しめる。見通しもきき、瀬戸内に囲まれながらの山旅を満喫できる。
クマン岳は展望良好。安芸小富士を擁する似島を見下ろすように眺めることが出来る。
不思議な山名は元の「熊ヶ岳」が段々と変化し、今の名前になったらしい。
牡蠣養殖の筏が浮かぶのがいかにも広島らしい。
クマン岳から少し下ると特徴的な帆立岩。ここも展望は最高。江田島湾を挟んで能美島が指呼の間。
この辺りから古鷹山にかけて、岩が目立ってくる。岩の間を縫うように下ると、いつしか簡易舗装となり、さらに林道に出合う。
林道を渡り、再び登山道へ。「古鷹山まであと1キロ」の道標を横目にアップダウンを繰り返す。最後はなかなかの急登だったが、一気にピークを急襲。
左が能美島で真ん中奥が厳島。瀬戸内の青い海に魅せられる。ここが兵学校の生徒が日々登った古鷹山である。改めて感激する。
ピークには東郷元帥による「五省訓」のプレートが置かれてあった。私もこれから一日の終わりにこの五省を黙読します。
まだ11時過ぎ。13時の自衛隊の見学の時間まで余裕となったので、三角点峰を往復してから下ることにする。
鎖とロープの張られた急斜面を下り、自衛隊への分岐が分かれる鞍部をそのまま直進、ひと登りで三角点峰である。
三角点峰は展望もほとんどなく、何の変哲もない所。すぐに鞍部に戻り、自衛隊方面へ下る。振り返る古鷹山の岩で武装した姿の立派さよ。
普段、自衛隊の鍛錬で良く登られているせいか、非常に歩きやすい道が続く。
どんどん施設が大きくなってくる。
海軍兵学校76期の方々によるもの。登山口近くにありました。
最後は竹林の中を抜け、駐車場のある小用登山口に飛び出す。車道を横断し、自衛隊の塀に沿って、なおも進むと5分ほどで第一術科学校の正門前に出た。ここで登山は終了。
入口で見学希望の申請をし、バッジをもらって広大な敷地内へ。振り返ると古鷹山が大きい。
13時の見学時間開始まで、食堂で「海軍カレー」を味わいながら待つ。
いよいよ見学開始。自衛隊OBと思しき老年の方の引率で校内を順に巡る。
最初は大講堂。大正6年(1917年)の建築。今も昔も入校式、卒業式等の場として使用されている。
内部は広大な吹き抜けで、その空間に圧倒される思い。
通称「赤レンガ」。明治26年(1893)に海軍兵学校生徒館として建築された、あまりに有名な校舎。見てるこちらも思わず身が引き締まる思い。内部の木の廊下は生徒たちの手でピカピカに磨かれていた。
ギリシャ神殿風の鉄筋コンクリート造の2階建ての建物。昭和11年(1936)の建築で、海軍の貴重な資料を収蔵、展示している。ここで40分ほどフリータイムとなり、館内の資料に見入るが、とてもじゃないが時間が足りない。あと2時間は欲しいくらいだった…
教育参考館の周囲にも様々な展示が。この大和の46cm主砲弾や、
特殊潜航艇(甲標的)のほか、三景艦の主砲弾、海龍などが展示されている。
あっと言う間に14時30分となり、見学時間終了。後ろ髪を引かれる思いで、タクシーで小用港に出、呉港中央桟橋行きのフェリーに乗り込む。
呉へは20分ほど。どんどん目の前の呉港が近付いてくる。 呉でのお目当てはもちろん「戦艦大和ミュージアム」である。
ミュージアムのシンボル。大きすぎて画面に収まらないし、写真で見ると小さな模型に見えてしまう。残念。しかし、実物は凄い迫力。しばらく動くことができなかった。
しっぽり堪能してから、呉駅までぷらぷら歩き、呉線で広島に戻る。夕暮れの中、うとうとしながらの幸せな鈍行列車の旅。
さあ、お魚を堪能しよう。店は白鳥の「桃兵衛」さんをチョイス(事前に友人に聞いておいた)。
ノドグロ、金目鯛、鯖、トラフグの昆布締めなど。瀬戸内なのになんでノドグロ達なの?と思い、大将に尋ねたら、「広島は日本海にも近いんです!」とのこと。この後、さらにサービスで瀬戸内産のコイワシも追加してくれた。
やはり広島と言えば、この牡蠣とアナゴと言う訳で、順にいただく。牡蠣はシーズン終了気味だが、プリプリの身は京都ではまずお目にかかれないジューシーさ。
そして、アナゴ(私はタレよりも断然白焼き派です!→どうでもいい情報)! 脂がしっかり乗った身をあっさりのわさび醤油でいただく。最高!! 日本酒にもぴったりのマッチングで、どんどん杯が進む…
次第に意識が混濁する中、最後は海鮮釜飯もしっかりいただき、フィニッシュ。ご馳走さまでした。京都からと言う事でだいぶサービスしてくれた「桃兵衛」の大将ありがとう。
食事は豪勢だが、今晩の宿は24時間サウナのカプセルというのが、いかにも私らしい。
小腹が空いたので、サウナ近くのつけ麺屋(屋号は忘れた)へ。見た目ほど辛くなく、あっさりしているので、スルッと完食。
これで、やりたい放題の広島の島旅1日目がようやく終了。明日は安芸小富士を目指す。
参考タイム
3/3 | 切串港 9:55 ⇒ 10:10 クマン岳登山口 10:10 ⇒ 10:40 クマン岳 10:45 ⇒ 10:55 林道出合 10:55 ⇒ 11:15 古鷹山 11:20 ⇒ 11:30 古鷹山三角点 11:30 ⇒ 11:55 小用登山口 11:55 ⇒ 12:00 海上自衛隊第一術科学校 |
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