−マイカー山行ならではの電撃戦。しかし山はガス… 食料も買い忘れヘロヘロ登山−
山行概要
2009年8月15日(土) | |
大峰山脈 | |
曇り時々晴れ | |
単独 | |
大川口=1:35=行者還小屋=0:20=行者還岳=1:20=一ノ垰=0:20=奥駆道出合=0:30=聖宝ノ宿跡=0:35=弥山=0:20=八経ヶ岳=1:05=弁天ノ森=0:10=奥駆道出合=0:35=トンネル西口=0:45=大川口【7:35】 |
記録文
天候不順で全く山に行けなかった今夏。毎朝の京都御苑ランニングと週2のプール通いでビルドアップした(と自己満足しているだけ)身体能力を確かめたくて、うずうずとしていたが、夏の終わりに何とか1日だけフリーになれる時間を捻出した。
目的地はお盆のUターンラッシュを避けるため、高速を使わずにアプローチできる大峰主脈の尖峰、行者還岳をチョイス。18年前、奥駆縦走中にすぐ直下を素通りという、ピークハンターの私としてはありえないミスで登り残していたのだ。
前夜、2時前に枚方の実家を出発。順調に天川川合を4時過ぎに通過、川迫川沿いの林道に入るが、一気に道幅が狭くなり、暗闇の運転に少々緊張する。
大川口らしきポイントに到着したが、適当な駐車スペースが見当たらず、しばし車を先に進めると、3〜4台は駐車可能なスペースを発見。身繕いをするが、何と食料を買い忘れたことに気付く。SOYJOY2本と水1.5リットルが口に入れられるもの全てだ。まあ、ダイエットにもなるしとあまり深く考えずに、まだ薄暗い5時前にスタート。見上げると特徴的な行者還岳の尖峰が月夜に映えている。
すぐ小橋があり、「→行者還岳」という標識があったが、地図を良く見ると天川辻に突き上げる点線ルートの入口だった。当初予定していた大川口からのルートの方が多少は良さげだったので、予定通りここはパスして5分ほど下って大川口で吊橋を渡り、登山道へ。ここにも「→行者還岳」の標識がある。
昔はこれから登る尾根に関電の送電線鉄塔があり、その巡視路だったようだが、現在は、鉄塔は撤去されたようだ。いきなり小尾根の末端に取り付く関係上、急登で幕を上げる。
登山靴を履いての本格的な山が久しぶりで、入れ込み過ぎたか、競馬で言うと完全に「掛かった」状態。異様なオーバーペースで駆け上がってしまい、全身から一気に汗が噴き出す。
ひと登りで、昔送電線があったのか、展望の良い台地に登りつく。
息が整わない。今回完全に入り方に失敗した。もう30年近く山をやってるのになあ…
右の黒い尖峰が鉄山。今回無理してこの山も登ったら良かったが、シャリばて(後述)が…
この尾根は基本的にはずっと樹林の中だが、ところどころ展望が開ける。
目指す行者還岳のやや傾いた特徴的なピークが眼前に。
この巡視路、なかなか一筋縄ではいかない。行者還をロックオンしたので、もう少しで奥駆の通う主稜に合流かと錯覚してしまうが、主稜直前で道は尾根を外れ、谷の源頭を何度も絡んでいく。ルートは不明瞭かつ大荒れ。古いワイヤーや梯子もあるが、頼る気にもなれず、何度もスリップしかけながらの苦しい行軍。最初のハイペースもあって、鍛えたつもりの体は一気に消耗…
汗だくで振り返ると、八経ヶ岳(左端)と弥山がさらに雄大に。行者還の尖ったピークが影になって映っている。
主稜線(奥駆道)は近い。
2003年に建て替えられたらしい。泊まってもいいかなと思える超美麗な小屋だった。
さあ、18年前の宿題をかたずけねば。奥駆道を北上する。
梯子が連発する奥駆道を一気に上ると行者還岳への分岐。今回は見紛うことなく、ピークへ直進。
お約束のガスが大台側からやってきて、一気に辺りを包んでしまったが、爽やかな癒しの尾根道がピークに続く。
18年前の忘れ物をゲットしたような気分。ピークはガスに包まれてしまったが、もともと樹林に包まれた所だし、私は満足感でいっぱいだった。
もう目的は果たしてしまったが、まだまだ時間も余裕なので、奥駆を南へ。気持ちの良い樹林の中のトレールが続く。こんな景色だったっけ?
天気は晴れたり曇ったり、まあ、暑いよりいいか。
垰付近の避難小屋で1本目のSOYJOYを消費。水もここまでで500/1500mlも無くなった。腹減ったな…
最初に足を使いすぎたか、涼しくてコンディションは上々なのに、ピッチが上がらない。
トンネル西口への下山ポイントとなる奥駆道出合に何とかたどり着くが、空腹のせいもあるのか、テンションが上がらんな〜 思わず下ろうかと思ったくらい。
何とか気を取り直して奥駆を更に西へ。ここからは百名山ハンターのメジャールートになるので、行列でもあるのかとも思ったが、拍子抜けするくらいに人影は少なく、静かな林間のトレールが味わえる。初登時は人で溢れ返っていたので、印象がガラリと違った。
理源大師の像が見守っている。
ここから弥山への本格的な登りとなる。シャリばてで、いつもの爆発的な加速ができない。自分でももどかしいくらいに足が前に出ない。(言い訳ばかり)
昔はこんなに階段はなかった。おかげで足がずり落ちることも無く、ガス欠の体でも何とか這い上がることができた。
晴れているように見えるが、上空のわずか一部だけ。眺望は得られなかった。
弥山小屋で何か買えるかなと期待していたが、何も無く、テンションは更に下がる。そそくさと八経ヶ岳へ。
僅かの登り返しでも辛い。オオヤマレンゲを鹿の食害から守るためのフェンスを通過し、18年振りの近畿最高峰へ。
今回、山行を共にしたザックは、ドイターの30リットル。ジャンダルムも共にした戦友です。結果的に食料をほとんど持ってこなかった今回の山行にはデカすぎたな…
それにしてもガスが少しでも晴れてくれたら… まあ、初登時は御来迎も拝めたし、しょうがないか。
ここで最後のSOYJOYを1本補給。もうこれで水分しか補給できない… とんだダイエット山行になってしまった。
霧に包まれながら、静かな樹林の間を縫うように下る。苔も美しい。
奥駆道出合からの下りは、疲れた足腰には相当きつい勾配だった。足の踏ん張りが利かず、よれよれになって下る。
トンネル手前には沢を渡るポイントがあり、ここで頭から冷水をかぶり、一気に蘇生する。
ここからは退屈な林道歩き。救いは日陰が多かったことだけ。ジンジンする足裏に顔をしかめながら、足を引きずる。
それしても、この林道、いったん、布引谷に沿って大きく目的地とは反対側に入り込むので、精神的に辛かった。
何とか車に帰還し、さあ温泉でもと思ったが、帰路、天川川合に出るまでの川迫川沿いの林道でエラい目にあう。ただでさえ狭い車道なのに、川遊びの家族連れで滅茶苦茶賑わっており、結果、あちこちで離行困難になって、睨み合いをしながら固まっている箇所が頻発し、川合に出るまで1時間以上もかかってしまった。
風呂に入る気もすっかりなくし、そそくさと枚方に直行した…
参考タイム
8/15 | 大川口上駐車スペース(天川辻登山道入口) 4:55 ⇒ 5:05 大川口登山口 5:05 ⇒ 6:30 行者還小屋 6:35 ⇒ 6:55 行者還岳 7:00 ⇒ 8:20 一ノ垰 8:25 ⇒ 8:45 奥駆道出合 8:50 ⇒ 9:05 弁天ノ森 9:05 ⇒ 9:20 聖宝ノ宿跡 9:20 ⇒ 9:55 弥山 10:05 ⇒ 10:25 八経ヶ岳 10:40 ⇒ 11:45 弁天ノ森 11:45 ⇒ 11:55 奥駆道出合 12:00 ⇒ 12:35 トンネル西口 12:35 ⇒ 13:20 大川口上駐車スペース |
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