−足の向くまま駆け抜けた、高校生以来の白山−
山行概要
2004年8月21日(土) | |
白山連峰 | |
曇り時々晴れ | |
単独 | |
別当出合=1:15=甚之助避難小屋=0:55=室堂=0:35=御前峰=0:35=大汝峰=0:35=七倉ノ辻(七倉山・四塚山周遊30分)=1:00=白山釈迦岳=1:20=釈迦岳登山口=0:50=市ノ瀬【7:35】 |
記録文
もうこの夏の山は打ち止めのつもりだったが、何とか1日だけ捻出できたのと、好天の天気予報に煽られる。日本海側からの高気圧に覆われるとのことだったので、前から再登の機会を窺っていた白山に決定。
やっぱり白山は近くて良いです。京都を9時前に出て、ほぼ3時間半で市ノ瀬に到着。満天の星空に期待が高まる。
5時発のシャトルバスに乗るため、4時半に起床。この時期の土日はマイカー規制が行なわれていて別当出合まで車で入れない。
10分前に並びに行ったが、ぎりぎり乗れた。ヤバかった。
さすがに白山。5時なのに結構人がいる。団体が出発しようとしていたので、慌ててこちらも出発。
例の水害の時に、前の吊橋は流されたらしい。よくこんな短期間で… と思うほど超立派な橋
しばらくは中低木の林を進む。適度な傾斜に先週の霞沢岳から絶好調を維持している体の故、ピッチは自然と上がり、次々と先行者をパスしていく。
一汗かく間もなく、急に視界が開け、中飯場に到着。いかにも「ここで休憩したら」という風にベンチ等が整備されているが、無視して先へ進む。
振り返ると、後ろの赤兎山(左)、経ヶ岳(中奥)の懐かしい面々にも朝日が当たってきた。
しだいに傾斜は強まり、周囲の木々の背はさらに低くなる。気のせいか、何か上のほうがガスってるな…
快調なペースは続き、あっという間に避難小屋に到着。小屋前には豊富な水場もあり、なかなか快適そうな小屋だ。
ここで今日初めての休憩をとる。
小屋前のテラスからは、別山(右)から油坂ノ頭までが見渡せる。
でもなんかおかしい。快晴のはずが、高曇り…
小屋からはしばらくの間、巻き気味にゆるやかに登っていくが、延命水の水場を過ぎると、十二曲がりの急登となる。
背後の山並みを完全に見下ろす形になった。荒島岳もめっちゃ低く感じる。
白山の本峰が見えるはずが… 上部はガスの中だった… 「またかよ…」全身を襲う脱力感。
それでもガスはかなりのスピードで動いているので、気を取り直して、何とか歩む。
弥陀ヶ原は草紅葉が始まっている。もう山上は秋です。
そして、この写真を撮った直後に別山は濃いガスの中に消えた…
別当出合から約2時間で室堂着。しかし、ガスは切れる気配がなく、しばらくセンター内で待機。
やっぱりキレて、ビールを飲んでしまった…
40分ほど様子を見たが、残念ながら、ガスは切れず… こうなったら先週と同じく思いっきりトレーニングしてやると、またもや自棄になって、御前峰へ出発することに。タイムの縮み具合から一気に釈迦新道で市ノ瀬まで行けるだろうという酒が入った状態での全くいい加減なコース決定。
暴走気味で外に飛び出したが、すぐに濃いガスに体は包まれ、あっと言う間に髪の毛はぐっしょりで、眼鏡は曇りまくりの状況にペースダウン。以後、うらみつらみの言葉を一人で吐き出しながら、スローペースで這い上がる。
無言でピークに到着。もう何も言うことはありません。それにしても天気予報は何だったんだ。あまりのひどい仕打ちに「白山の山頂でバカと叫ぶ」私である。
19年前はあんなに展望が良かったのに… あまりの天気の悪さに自虐ネタで盛り上がっている大学のパーティの姿がよりいっそう空しさを誘うので、とっとと先へ急ぐ。
いちおう、このルートは池めぐりコースらしいが、こんな天候では何の意味もない。
室堂から御前峰を通らずに登ってくるルートと合流し、続いて、19年前に歩いた中宮温泉へのロングコースを分けると、大汝峰への登りとなる。
ここで巻き道に入らないのが、悲しいピークハンターの性である…
ここから眺める御前峰と剣ヶ峰のセットは、白山の中でもベストの構図かも知れないが… むむむ…
ほとんど休むことなく、北側へ下る。辺りはハイマツの海である。巻き道と合流した後も、どんどん下る。
結局、ガスっていたのは、高度2500m以上だったのか、ひとしきり下ると、徐々にガスが切れ、地獄尾根の激しい崩壊の様子が眼前に現れた。
四塚山(左)も見えてきた。釈然としないが、ずっとガスるよりは遥かにましなので、この状況を好意的に受け止める。故にペースが上がる。
釈迦新道はここで分岐するが、せっかくなので、近くの四塚山と七倉山に寄ってくことに。
濡れたブッシュがちのルートに悩まされながら、何とか四塚山の頂上台地の一角である北竜ヶ馬場にたどり着いたが、肝心のピークへは踏み跡がなく、薮漕ぎする気力もなかったので、ここで引き返す。七倉山も最高点へは濡れそぼったハイマツの海を泳がねばならず、あえなく断念した。
七倉ノ辻に戻り、室堂で買ったビールをナッツをつまみに一気飲み。いよいよ釈迦新道に足を踏み入れる。
この付近のコースがブッシュがちだったので、嫌な予感がしていたが、どうしてどうして、釈迦新道は綺麗に刈り払いされていた。しばらくは雄大な四塚山と目附谷の源流部を横目に見ながら、快適に下る。
ひとしきり下ると正面に白山釈迦岳を見下ろしながら、下るようになる。
荒々しい湯の谷川の源流部の奥に大汝峰も見えてきた。もう少し早く晴れてくれたら… と言うのはよそう。(書いてるけど…)
水場がある湯の谷乗越からゆるやかに登り返す。
振り返ると四塚山と大汝山ははるか遠くに… そして釈迦岳は目前に迫ってきた。
実は釈迦新道は釈迦岳のピークを巻いている。さっき、四塚山と七倉山の登頂に失敗したので、釈迦岳は何としても登ってやろうと思っていたら、明瞭な分岐があった。
笹原の中を細い踏み跡を頼りに登る。笹に隠れた段差多く、足元注意である。
本ルートが巻くだけあって、ピークは展望0。三角点だけが静かに佇んでいた。
分岐に戻り、少し登り返したピークの方が展望良好。ここが釈迦の前衛峰で、釈迦新道に入って初めて3人組の登山者発見。市ノ瀬からここまでの往復らしいが、やっぱりこのコースを登るのは大変そうで、みんなバテていた。
ぐにゃぐにゃと伸びる林道をなぜか注視してしまいました。
ここからは下り一方の道。釈迦岳の丸いドーム型の山頂を何度も振り返りながら下る。
前衛峰からもしばらくは笹原の穏やかな下りが続く。気がかりなのは、気温が上がってきて、ヘビがかなりの頻度で登場しだしてること。最終的には10匹以上見ました(涙)
標高が1500mを切る辺りから、いよいよブナ林が現れてきた。それまではかなりのペースで飛ばしてきたが、以降はのんびりとブナの木を1本、1本確かめるように下る。
ジグザグ下りの斜度がきつくなり、ときおりトラックの音が聞こえるようになると、林道に出た。しばらくはこの林道を進むが、トラックが結構走ってくるのと、灼熱地獄とで一気に疲れてきた。
室堂から下ってくる禅定道を合わせ、再び山道に入る。もう標高1000mを切っているので、暑い。暑すぎる。
最後は杉の林を抜け、登山口に何とか到着。市ノ瀬へは、まだ車道を10分近く頑張る必要がある。さすがに疲れてきた。
朝は気づかなかったが、市ノ瀬には立派なビジターセンターがありました。
そして、センター前の永井旅館はおすすめです。最近話題のニセ温泉ではなく、いかにもかけ流しという感じの温泉で、それも冷泉と温泉の2種類の源泉の湯船が並んでいるので、温冷交代浴で疲労回復効果は非常に高いと思います。
天気がイマイチだったので、満足感はもう一つですが、まあまあ歩くことができたので、充実感はそれなりにありました。
先週の霞沢岳に比べると、昭文社のマップのコースタイム的には今日のほうが短いのですが、やはり高低差の関係か、疲労度ははるかにこちらの方が上でした。コンディションが良ければ、市ノ瀬を基点に別山、本峰、釈迦岳という日帰り周遊も可能ではないかなと、また不埒な考えが浮かんでいる今日この頃です。(了)
参考タイム
8/20,21 | 自宅(中京区烏丸御池) 20:50 → 0:20 市ノ瀬 5:00 → 5:20 別当出合 5:25 ⇒ 5:50 中飯場 5:50 ⇒ 6:15 別当覗 6:15 ⇒ 6:40 甚ノ助避難小屋 6:45 ⇒ 7:00 南竜分岐 7:00 ⇒ 7:20 延命水 7:20 ⇒ 7:40 室堂 8:20 ⇒ 8:55 御前峰 9:00 ⇒ 9:20 血ノ池 9:20 ⇒ 9:35 大汝峰 9:35 ⇒ 10:10 七倉ノ辻 10:15 ⇒ 10:25 四塚山 10:35 ⇒ 10:40 七倉ノ辻 10:45 ⇒ 11:20 湯の谷乗越 11:20 ⇒ 11:45 白山釈迦岳 11:45 ⇒ 11:50 釈迦岳前衛峰 12:00 ⇒ 12:45 1450m付近水場 12:45 ⇒ 13:15 釈迦新道登山口 13:15 ⇒ 13:40 禅定道合流 13:40 ⇒ 14:05 市ノ瀬 14:50 → 18:25 実家(枚方) |
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