蓮華岳・針ノ木岳

蓮華岳・針ノ木岳


蓮華岳からの針ノ木岳蓮華岳からの針ノ木岳


【日 程】平成8年8月17日(土)〜18日(日)
【山 域】北アルプス(後立山連峰)
【人 数】単独
【コース】17日 JR信濃大町駅=TAXI=扇沢BT=0:45=大沢小屋=1:30=針ノ木小屋(=0:45=蓮華岳=0:30=)=0:35=針ノ木岳=0:25=スバリ岳=1:00=赤沢岳=0:25=鳴沢岳=0:20=新越山荘【6:15】
     18日 新越山荘=0:35=岩小屋沢岳=0:55=種池山荘=1:20=登山口=0:10=扇沢BT【3:00】

【記録文】
 17日 晴れ(のち多少ガス)
『リゾート白馬アルプス号』で信濃大町駅に降り立つ。運良くタクシーの相乗りをすることができ、扇沢BTには6時着。さすがアルペンルートの入口だけあって、こんな早朝でもすでにバス待ちの列ができている。それを横目にしつつ、出 発の準備を整える。
6:35 扇沢を出発。予定より1時間も早く、気分良く出発する。ルートは何度か車道と交差し、いつしか深い森の中を進むようになる。ほとんど起伏の無いゆるやかな道で、ウオーミングアップには最適である。
7:20 ひょっこりと大沢小屋に到着。雪渓の最新情報が張り出してあり、とても参考になる。なおも進むと、ルートはしだいに谷に近づき、小屋から15分程で雪渓の末端に出る。
針ノ木雪渓針ノ木雪渓
 雪渓に降り立つと、そのスケールに圧倒される。しかも上部はかなり急傾斜のようだ。これならアイゼンを持ってくるべきだったと後悔するが、(大沢小屋でも借りられた)何とかなるだろうとタカをくくって、登りはじめる。
 実際登りはじめてみると、ギンギンにクーラーのきいた部屋の中で登っているような感じで、快調に進む。白馬の大雪渓よりはかなり急だが、スプーンカットの底を丁寧に拾って歩けば問題無い。ただ、アイゼンをした方がかなり楽に登れれたのは事実で、さらに下りにこのルートを使う場合アイゼンは必携であろう。
8:40 雪渓を登り切る。(マヤクボ沢が合流する辺り)ここから針ノ木小屋まで急斜面を何度もジグザグを切って進む。さっきの反動かとても暑く感じる。
9:10 針ノ木小屋着。すぐに蓮華岳のピストンに向かう。予想通りこの山は本当に大きい。頂上台地にたどり着いてからさらに10分程歩いた。また頂上部はとてもコマクサが多く、足取りはかなりゆるやかになる。
蓮華岳からの剣岳蓮華岳からの剣岳
10:05 蓮華岳着。七倉・船窪方面の起伏が凄い。次回の山行候補にすかさず加える私であった。
10:25 蓮華岳発。軽やかに針ノ木小屋へ。
10:55 針ノ木小屋着。本日の予定コースはこれで終了となってしまった。様子を聞いてみるとど〜も小屋は混みそうな予感である。また、天気は安定しており夕立もなさそうということで、急遽新越山荘へ足を延ばすことに決める。こんないい加減な判断が5分もかからずにできるのだから、やはり単独行はいい。
11:10 針ノ木小屋発。新越山荘までコースタイムは5時間。かなりへばってきているのも事実なので、ペースを落とし、チェックポイントの間はできるだけノンストップで進むよう作戦を変更する。
11:45 針ノ木岳着。前述のようにかなりペースを落としたので、あっけない到着であった。初めて広がる黒部側の景色をのんびりと楽しむ。
 マヤクボのコルへいったん下り、スバリ岳へ登り返す。小スバリに1回騙されたものの、あせらず余裕で進む。
スバリ岳から針ノ木岳を振り返るスバリ岳から針ノ木岳を振り返る
12:20 スバリ岳着。ここまで快調に来たので、この後も楽勝と舐めてしまったが、この日一番辛く感じたのが、スバリ岳の下りと赤沢岳の登り返しであった。
 スバリの下りはかなり急です。逆コースの場合、スバリの登りはかなりしごかれるだろうなと思いながら、最低鞍部に降り立つ。ここから望む赤沢岳は猫ノ耳を擁する黒部側の支稜が、凄まじい形相を見せているのに比べ、縦走路はゆるやかな稜線となっており、あまりキツイとは思えなかったのだが、かなり疲れてきているのか、ペースが上がらない。何とか止まらないように進むのが精いっぱいという非常に情けない姿になってしまった。
13:40 這うようにして赤沢岳に到着。山頂は私一人で独占。30分程昼寝をして、フルーツの缶詰を食べ、何とか一心地つく。
14:20 赤沢岳発。甘いものを補給した効果はてきめんで、先ほどのていたらくが嘘のような進撃をみせる。
14:45 鳴沢岳着。実際たいした登りもなかった。ここから望む黒部別山や内蔵助平に視線が釘付けとなる。
15:00 鳴沢岳発。山頂直下の岩場には若干注意がいるものの、あとは山荘まで惰性で下るだけ。
15:30 新越山荘着。今日はとても疲れたが、山荘は予想通り1人につきふとん1枚以上にありつけ、安眠できた。

 18日 晴れ
 4時起床。今日も天気は良さそうで、みな次々と出発していくが、ほとんど針ノ木方面である。
4:25 新越山荘を出発。岩小屋沢岳へ向かう。ほぼ同高度のニセピークがあるが、惑わされることなく、一路ピークへ。
5:05 岩小屋沢岳着。ちょうど爺の右肩から太陽が昇ってきた。ピンク色に染まる剣・立山を目に焼き付ける。
5:45 岩小屋沢岳発。昨日の頑張りで今日の行程は半分終わったようなものなので、鼻歌を歌いながらのちんたらペースで進む。(この縦走路は「本当に北ア?」と思うくらい人が少ないので、歌を歌っても全く恥ずかしくないのだ。)
6:40 種池山荘着。約3年ぶりの再訪である。さすがに人が多く、北アに来た実感がようやく湧いてくる。山岳写真家の花畑日照さんも山荘前におられた。
 後はもう降りるだけなので、爺でもピストンしようかなと思ったりもしたが、小屋からのピークを望むと鬼のように人が張り付いており、思わずゲンナリ。小屋からの方へ少し登った鹿島槍の良く見える丘まで行き、満足することにする。
種池からの針ノ木岳種池からの針ノ木岳  鹿島槍を望む鹿島槍を望む

7:40 種池山荘発。これでアルプスの稜線ともおさらば。せめて4日位は山に入っていたいと思うが、最近はこんな山行ばかり。せっかく山に来ているのにフラストレーションが溜まる一方。次回は必ず休暇を取ると心に誓う。
 扇沢への下りは勝手知ったるルート。最後が一番キツイので、最初飛ばして、後ゆっくり下ることにする。
9:05 疲れを感じることなく、登山口に降り立つ。ここからバスターミナルへの車道歩きが結構タルい。
9:15 扇沢BT着。約27時間ぶりの帰着。運良く大町行きのバスが来たので、大町温泉郷で途中下車し、ゆっくりと山旅を締めくくったのでありました。


      

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