−大阪で唯一戦災を逃れた、平野の街並みをぶら散歩!−
山行概要
2018年3月24日(土) | |
快晴 | |
C、私 | |
大阪市営地下鉄平野駅=0:15=大念仏寺=0:10=杭全神社=0:20=全興寺=0:15=奥田家住宅=0:05=JR加美駅【1:05】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
既に桜が咲きそうな快晴の休日。旨いものを食べに行くついでに平野を散策することに。
「平野郷」と呼ばれていた旧市街は、約1キロ四方ほどのコンパクトな地域で、戦国時代に作られた環濠の跡が2箇所に残り、環濠内部の町割りも江戸初期のものがそのまま残るとともに、大阪市内で唯一戦災を免れたことから、古い建築物がかなり残っている。
経済的にも豊かな地域であった平野は,文化的にも先進の地域で、堺と双璧を成す環濠自治都市であったと言われている。
快晴の下、地下鉄平野駅をスタート。駅から北東へ進み、環濠跡と思われる園地を進み、環濠内に入るが、この辺りあまり古い町並みは残っておらず、拍子抜けしながら、大念仏寺に突き当たった。
いきなり広大な境内が現れ、さらにバカでかい建築物が眼前に…
大念仏寺は、大治2年(1127年)、聖徳太子信仰の厚かった良忍上人が四天王寺に立ち寄った際、太子から夢のお告げを受け、鳥羽上皇の勅願により平野に根本道場として創建したのが始まり。平安末期以降広まった念仏信仰の先駆けであり、日本最初の念仏道場である。
本堂は、総欅造り銅板葺きで、東西約50m、南北約40mを誇る大阪府下最大の木造建築であり、昭和13年(1938年)に再建され、平成15年(2003年)に国の登録有形文化財に登録された。
境内は見所満載。この鐘楼は、江戸時代の鋳造で、従一位右大臣藤原家孝公撰の銘文が刻まれている。
桜は今日にも満開になりそうな勢い。
境内東端の山門の北隣に建つ円通殿。伝教大師作と伝えられる聖観音立像を中央に祀り、左右には大通上人(江戸の元禄期に融通念佛宗を再興した僧)が募った日月祠堂位牌を安置している。
続いて、R25を挟んで北東にある杭全(くまた)神社へ向かう。
杭全神社は、貞観4年(862年)、征夷大将軍坂上田村麻呂の孫で、この地に荘園を有していた坂上当道が牛頭天王を勧請し、社殿を創建したのが最初と伝えられている。以降、熊野三所権現を勧請合祀し、後醍醐天皇から「熊野三所権現」の勅額を賜り、熊野権現社の総社とされた。
明治になって現在の社名に改まった。日本で唯一連歌所が残っており、連歌会は明治以降廃れていたが、昭和62年(1987年)に復活され、現在、毎月定期的に平野法楽連歌会が催されている。定期的に奉納連歌を催しているのは、この杭全神社と福岡県行橋市の須佐神社のみである。
熊野三所権現を祀る。第二、第三殿は永正10年(1513年)、第一殿は元禄3年(1690年)建立で、いずれも国指定重要文化財である。
杭全神社の夏祭は、毎年7月11日から14日まで、四日間に亘り行われ、別名「平野だんじり祭」と呼ばれ、9台のだんじりの曳行がある、大阪でも指折りの規模を誇るだんじり祭りであり、期間中はR25の走行が規制されるほどである。
再びR25を渡り、古いアーケード街をウロウロしていると、全興寺に出た。
全興寺は、飛鳥時代、聖徳太子が当時野原だったこの地域に仏堂を建て、薬師如来像を安置したのが起源とされる。この一帯が杭全荘と呼ばれた事から、「杭全を興す寺」から全興寺になったという説もある。薬師堂の建立後、周りに人が住み始め、これが後の平野郷となった。
本堂は天正4年(1576年)に建造され、大坂夏の陣で一部を焼失したが、寛文元年(1661年)に再建されたもので、大阪府内でも有数の古い木造建築である。
ここの住職さんが、地元まちづくり団体の事務局を務めており、地域起こしに熱心に取り組んでいる関係で、境内には地獄の様子を写した「地獄堂」や、平野町が推進している「町ぐるみ博物館」の一つである「小さな駄菓子屋さん博物館」など、様々な施設があり、「寺のディズニーランド」とも称されている。
平野の環濠内を離れ、北東へ進む。JR加美駅の近くには奥田家住宅がある。
奥田家は江戸時代を通じて河内国鞍作村(くらつくりむら)の庄屋を務めたほか付近の10ヶ村の庄屋代表も勤めた家柄で、正面の長屋門、主屋をはじめ7棟が昭和44年(1969年)に国の重要文化財に指定された。
残念ながら公開は毎月第4日曜日のみであり、本日は塀の外から様子を眺めるのみ…
ここから歩いて5分ほどの加美駅で探索終了。関西本線で天王寺に出て、いつものように昼呑みへ…
参考タイム
3/24 | 大阪市営地下鉄平野駅 9:00 ⇒ 9:15 大念仏寺 9:45 ⇒ 9:55 杭全神社 10:05 ⇒ 10:25 全興寺 10:30 ⇒ 10:45 奥田家住宅 10:45 ⇒ 10:50 JR加美駅 |
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