−野郎二人で北の名峰を3連登−
旅の概要
日 程 | 2005年9月14日(水)〜19日(祝) | |
メンバー | ドレイのあかざわ(♂)、私 | |
新千歳空港〜滝川〜富良野〜山部 | 山部(芦別岳登山)〜上富良野 | 上富良野〜旭岳温泉〜(表大雪縦走)〜層雲峡温泉〜旭川〜上川 | 上川(ニセイカウシュッペ山登山)〜層雲峡温泉〜帯広〜日高 | 日高〜札幌 | 札幌〜羊ヶ丘〜新千歳 |
はじめに
遅すぎる夏休みがやっと取れた。4年振りの北海道。(いつも訪れた直後は「来年も必ず行く!」と意気込んでしまうのだが、金やら休暇の関係で、ほとんど連続で訪れた試しがない)
ホントはバリバリにテント縦走(トムラからオプタ)をやりたかったのだが、夏の休みなしの激務で体が本調子ではなく、不本意ながらも日帰り山行を繰り返すこととした。
しかも直前の調査で、夕張岳と石狩岳、ニペソツへの林道が不通と判明してしまった。このため、第一目標を芦別岳、第二目標をニセイカウシュッペ山とし、後は天候に応じてチョイスすることとした。(あ〜、でも秋晴れのニペソツにぜひ再登したかった〜)
旅行記
9/14 雨後曇り
新千歳に降り立った私達を迎えたのは、しとしとと降り続く雨、さらに気温は16℃… 憮然としながら、さらにシャツを羽織る。
マツダレンタカーでデミオを借り、とりあえず出発。
明日はとりあえず芦別岳を狙おうと思っていたので、野郎2人は一路富良野を目指すことに。が、その前に腹ごしらえとラーメン屋に寄り道。
まずは、1杯目のラーメン(ネギミソラーメン)をゲット!
ナビによると高速を使って滝川経由で行った方が早いとのことだったので、道央自動車道で一気に滝川を目指す。
雨は相変わらずながら、交通量が本土の高速道路とは絶対的に違うので、快調に滝川ICへ。R38に入り、空知川沿いに進んでいくが、ここ数日の雨のせいか、泥色の水が濁流と化して流れており、ホンマにこれで明日以降登れるんかいなと気が滅入りながらも、7年振りとなる懐かしい富良野には、15時前に到着。
雨はより激しさを増してきたようだが、このまま何もしないのも何なので、まだ行ったことのない「麓郷」を訪れることに。富良野市街から、ひとしきり山の中を走ると、急に明るく開けた高原状の土地に出た。道標に従い、まずは「五郎の石の家」へ。
駐車場から家のあるところまで森の中を歩くが、予想通り周りはカップルばっかり。そもそも2人とも「北の国から」をあまり知らないのに来てしまっているのである。
激しく後悔しながらも、さらにお金を払って家に近づく私たち。
この日の気温は12度くらい。石の家の中にも入ってみたが、楽しそうに会話するカップルの横、すきま風が身に沁みた…
これでやめとけばいいものを、さらに自虐的に「拾って来た家」へ向かってしまう。こちらにはさっきの倍以上のカップルが待ち構えていた。
「もったいない」がテーマで、廃棄した路線バスを利用したという設定らしい。
そんなことより、私は次々に「シャッター押してください」とやって来る、奴等の迎撃に忙殺されていた。「こんなオッサンに頼まずカップル同士で撮れ! ボケッ!」と胸の中で叫びながら、引きつった笑顔で「はい、チーズ」と声をかける私… ここを脱出した後、連れのあかざわに八つ当たりしたのは言うまでもない。
悔恨の地、麓郷を後に、野郎2人は次を目指す。晩飯は名産の「サガリ」(ハラミ)の文字に惹かれて、上富良野の「大阪苑」という焼肉屋に決めていたので、明日の芦別岳の登山口となる山部とは全く逆の北に進む…
いつしか雨は止んだ。スキマスイッチの「空創クリップ」を聴きながら、夕暮れの富良野を快適ドライブ。さっきの麓郷での惨劇はすっかり過去のことになっていた。
「大阪苑」の場所がすぐには分からず、上富良野の町を右往左往する失態はあったものの、何とか入店。聞くと、サガリより生ラムの方がお勧めらしい。一応サガリも頼んだが、やはり生ラムのおいしさは圧倒的だった。思わず追加を頼む私たち。(まさか、翌日もこの店に来ることになろうとは… アホです。)
明日は長丁場の登山が控えていると言うのに、あまりの生ラムの美味さにビールが進みまくった私は、すっかりぐでんぐでん…
酒を飲まないあかざわ君の運転で、近くのフラヌイ温泉へ。ここの源泉掛け流しのぬる湯で私は爆睡。何とかあかざわ君に救出され、芦別登山口のふれあいの家の駐車場まで運んでもらった。こんなことで、明日の10時間以上のハードコースをこなせるんでしょうか?
山旅初日は、相当不安なスタートとなった…
9/15 快晴
何とか4時半の起床に成功。芦別岳へ突撃!
ボロボロの体に鞭打って、富良野方面へ戻る。中富良野にある豪勢なリゾート施設、ふらのラテール(15種類の浴槽があり、完全リゾート仕様で登山者には少々場違いの温泉。しかも入浴料はバスタオル付ながらも980円と少々割高)でさっぱりする。豪勢な露天風呂からは、大雪から十勝連峰が全開で、今日の山の満足感と相俟って、しみじみと北海道まで来てよかったと実感。
右の尖峰は富良野西岳。綺麗な夕暮れ空に明日の好天も確信。
さて、今日の晩ごはんだが、2人とも昨日の生ラムの印象が強烈で、どちらからともなく2日続けての大阪苑に決定。
店のおっちゃんは、昨日と同じメニューを頼む私達に呆れ顔。充実の山行後だっただけあって、今日のほうがより旨く、昨日以上に生ラムを堪能し、飲み&喰いすぎた私はまたしても撃沈(学習能力0)
さらに2日連続でフラヌイ温泉へリレーと、上富良野町での「勝利の方程式」がここに完成。ここには自由に使えるパソコンがあり、最近知り合いになったコンブ嬢のブログにちょっかいをだしてから、睡魔が襲ってきた10時くらいにここの駐車場で爆睡。
明日は平日だし大雪にでも行くか。(紅葉の始まりかけたこの時期、大雪に休日登るのはまっぴらゴメンです)
ホンマにいい加減な旅は続く。
9/16 快晴
5時に起床。朝まで1回も目が覚めない完璧な車内泊だった。
旭岳温泉まで早朝の富良野、美瑛を爆走。北海道で2回もスピード違反で捕まっている経験が全く生かされていない…
思惑通り6時に温泉着。今日は平日なのにさすがに百名山。始発前のロープウェイ駅前にはすでに大勢の人が並んでいた。我々は1本後の便で姿見へ。
旭岳頂上で別れたあかざわ君と無事旭川駅に夕方合流。何を食べるか市内を迷走した挙句、某回転寿司に入るが、ここがもう一つどころか二つ。
とても満足できなかった強欲な我々は、旭川ラーメン攻略をすぐさま決定し、「らーめん橙ヤ」へ突撃。
今日2杯目のラーメン。あー満足した。
明日はニセイカウシュッペ山に登りたいので、登山口近くまで前進することに。睡魔と闘いながら、R39、273で上川町中越のニセイへ向かう林道を少し入ったところに車を停める。すでに0時を回っていた。ここで車内泊となった。
9/17 曇り後雨
5時に起床。昨晩遅くの到着だったこともあり、深刻な寝不足。それに3連登目ということもあり、疲れも出てきているようで、なかなかシュラフから抜け出せない。
だが天気予報では午後から雨とのことだったので、ぐずぐずしている訳にもいかず、何とか起き上がり、同行者がまだフルフラットシートで寝ているにもかかわらず、いきなりダートの林道走行を開始。
昔は相当ひどい悪路だったと聞いていたが、現在は普通車でも余裕で走行可能。今日は3連休の初日ということもあってか、普段は2箇所あるという施錠箇所もなく、何の問題もなく林道終点の登山口へ。すでに先客が3台あった。
ニセイを下山後、次の目的地をめぐって協議。どうせ明日は悪天候だし、山はほぼ不可能。明日の晩は今山旅唯一の宿を札幌で予約してあるので、これ以上東にも行けない。ガイドをめくっていたら、なぜか「豚丼」が目に入ってしまい、ノリだけで帯広に向かうことに。
途中の経路に当たるので、私は2日連続で層雲峡に。「ラーメンハウス登山軒」でラーメン&餃子で腹を満たした後は、これまた2日連続で黒岳の湯へ。まだ昼前だったので、湯船は私達の独占だった。
銀河の滝と流星の滝に立ち寄ってから、遥か帯広を目指す。三国峠越えのR273は、7年前にニペソツを登った後に通過したときも果てしなく広がる樹海に衝撃を受けたが、今回もその感動は変わることはなかった。
後は眠気と闘いながら、平坦な足寄国道をぶっ飛ばし、帯広市街へ侵入。まだ16時前だったのと、天気もしばらく持ちそうだったので、少し寄り道していくことに。市街をそのまま素通りし、南へ。
またも野郎2人には酷な観光地に突入。旧駅舎にはデレデレカップルのふざけたコメント付の名刺がびっしり貼られ、思わず剥がそうとするあかざわ君を私が慌てて止めるという一幕もあった。
さらに懲りずに旧愛国駅へ。「愛の国から幸福へ」の軽すぎるキャッチフレーズから勘違いして訪れるカップルが多いが、駅名の由来は、この地に「愛国青年団」という名の開拓団があったことによるものなんです。
野郎2人はカップルを軽蔑しながら、愛国青年団に思いを馳せるのであった。(寒い)
帯広に戻り、お楽しみの豚丼へ。迷ったが、駅から少し離れた「ぶた八」へ。ぶた一郎から四郎まであり、ほんとは一郎にチャレンジしたかったが、見本の丼からはみ出そうな肉の量に怖気づいて、私は次郎をチョイス。しょうゆタレで焼いた肉が舌と鼻腔を直撃、旨すぎる! 思わずお代わりを検討したほど。(ぶた一郎を選んどいたらよかった…)
近くの白樺温泉でのんびり風呂に浸かる。ついに雨が落ちてきた。山に登れないなら、札幌で1日暴れたい。その欲求を抑えることができず、車を西に向ける。ガスで真っ白かつ大雨の日勝峠を泣きながら走行し、何とか道の駅「樹海ロード日高」にたどり着き、ここで車内泊とした。
9/18 雨後曇り
やはり雨… 私の心は早や札幌タウンへ。
故に起床即西へ走る。9時過ぎに札幌着。小樽方面に向かうあかざわ君に車を託し、私は札幌の街に消えた… レポは勘弁してください…
9/19 晴れ
あっという間の最終日。私は二日酔いで戦闘不能。帰りの飛行機は11時台の関空行きしか取れなかったので、どちらにしてもあまり時間はない。
という訳で、2人とも行ったことがなく、手近な羊ヶ丘へ。
大志を抱くにはもう遅すぎる。私とクラーク博士の銅像との間には札幌ドームも見える。
最後は余裕を持ちすぎてフライトぎりぎりになる冷や汗の一幕があったが、満足度及第点の久しぶりの北海道の山旅が終わった。
諸国名山探訪
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