生駒山地縦走

−生駒山の三角点を踏むため遊園地内に突入!−

   
    

山行概要

日 程
2002年10月25日(金)
山 域
生駒山地
天 気
快晴
メンバー
単独
コース
近鉄石切駅〜興法寺〜生駒山〜暗峠〜十三峠〜信貴山〜朝護孫子寺〜信貴山下バス停(タイムを記したメモ帳を失くしてしまった)

記録文

 いやあ、まさか自分が真面目に生駒山に登ることになるとはね〜 幼稚園の園歌にも名前があったし、実家のある枚方からは、やや遠いながらもよく見えるので、ずっと眺めてきた山ですが、山上の開発が激しく、今までは登る気なんてさらさら起きなかったです。(山上遊園地は何度も行ったことがあると思うが…)
 でも、関西百名山にも選ばれてしもたし、権威主義で主体性の全く無い私としては、いつかは登らなと思っていたのですが、やっと喧騒を避けられる平日に登る機会がやってきたので、登った次第であります。(前置きと言うか言い訳が長い)
 京都からJRで大阪、鶴橋経由で近鉄に乗り換えて石切駅へ。ここは既にけっこうな高台にあり、大阪の市街地が一望できる。どっから登ったらいいのか良く分からないまま、ハイキングコースの道標のなすがまま。

辻子谷沿いに歩く 9:07

 いつしか谷沿いの細い車道を歩むようになる。立地的には急傾斜で恐ろしく狭小な土地なのになぜか辺りには煙を吐き出す小工場が点在し、キツすぎる漢方系の匂いが充満している。鼻をハンカチで覆いながら???の気分で先を急ぐが、道端に立っていた辻子谷の縁を見て納得。(この辺りは昔からの薬の産地だったらしい。)

 そしてルートは興法寺の参道らしき石畳の道となり。今まで結構な傾斜のコンクリ道に悲鳴を上げていたアキレス腱他のパーツから殺到していた苦情もようやく収まる。代わり生じた大腿部の悲鳴を何とかなだめすかしながら頑張ると、興法寺が頭上に見えてきた。

緑に埋まる興法寺 9:34

 苔むした寺の境内は、落ち着いた雰囲気で、とても大阪にあるお寺とは思えない。本堂前に座り、清掃中の住職さんとの会話を楽しむ。京都から来たと言うと、この寺の本山は醍醐寺であることを教えてくれた。

自然林が続く山道 9:42

 山上へは、階段が続く。紅葉はまだまだ先であるが、てっきり杉の植林帯だと思っていたので、周囲の自然林に感激。生駒も捨てたもんじゃありませんね。と持ち上げたのも束の間、何度か車道と交差するようになって、最後にはとうとうドライブウェイの生駒山上遊園地大駐車場前に飛び出してしまった。

 ついに来てしまった。平日で誰もいないのに感謝しながら、正門ゲートまでの大階段をひたすら急ぐ。分県ガイドには「登山者は申し出れば、入園料は不用」との記載があったが、既に入園料は無料になっていた。ここ数年関西の遊園地の廃園が相次いでいるが、ここも少々心配である。
 園のバイトと思われるおねーちゃん達に白い目で見られながら、園内をひたすら高みを目指して登っていけば、ようやく人工構造物以外で一番高いと思われる地点までたどり着いた。近くにいたおにーちゃんに恐る恐る「生駒山のピークはどこですか?」と聞いてみたら、彼は手馴れた様子で、「こっちです。どうぞ。」とミニSLの柵を開けてくれた。この私にミニSLに乗れと言うのか? どういう意味か計りかねていると、にーちゃんが、「頂上はそこです。」と言っている。目を凝らせば確かに三角点らしき石標がコース内に見えた。

ミニSL内にある生駒山三角点 10:05

 三角点はSL軌道のド真ん中にあり、これが休日なら周囲の人間からは白眼視され、SLに乗るクソガキどもからヤジられるのは確実だっただろう。ホンマにホンマに平日で良かった。証拠写真も撮って、無事登頂に成功! さっきのにーちゃんに礼を言ってから、今度は南側のゲートからとっとと遊園地を後にした。次来るとしたら、多分子どもと一緒なんだろうな…

 巨大なアンテナ群が林立する頂稜部を忠実に稜線沿いに進むと、いったん暗い林の中の下りとなり、すぐにドライブウェイと再会。車道を渡ったところが展望広場になっており、正面には二上山から葛城、金剛山と縦に重なって見える。なかなか雄大な眺めであるが、霞みがひどく、デジカメでは全く写らなかった。
 ここから再び山道となる。すぐ至近をドライブウェイを走っているので、車の音が耳障りだが、今日はそんなに車は走っていないし、周りの木々も美しいので、さっきの生駒山上までの登りと同様、何か掘り出し物を見っけた気分。

峠の前後だけが石畳の暗峠 10:39

 ゆるやかに下っていくと、不意に民家が現れ、暗峠に到着。峠の前後だけを石畳にしているのは何とも安っぽいが、ちゃんとした歴史ある峠です。ガイドを取り出し、現地で歴史のお勉強タイムとなる。

 さらに南へ。こんもりとした高みに登ると、周囲は府民の森なるかわ園地となり、公園を歩いているような錯覚を覚える。この高みが大原山らしいが、ピークを示す標識などは発見できなかった。再び樹林の中の山道をダラダラ下れば、鳴川峠。今日はここで千光寺に降りようと思っていたが、「生駒連峰縦走路」の私には刺激的過ぎる標識が目に入る。信貴山まで行ってもここから5キロ位らしい。正直歩き足らないところもあったので、縦走継続に即決し、南へ向かう。

展望台から振り返る生駒山 11:38

 何度かアップダウンを重ねると無茶苦茶立派な展望台の建つ高みに出くわした。「またしてもこんなん造って…」と一人でぶつくさ文句を言いながら、最上部まで登ってみたが、やはりここからの生駒山、大阪平野、金剛の眺めは秀逸。黙ってしまった。

大阪平野を望む 11:38

 さらにドライブウェイとくっついたり離れたりしながら縦走を続ける。ここまで来ると日向のところでブッシュが濃いところがあったり、キジが飛び出してきたりと、けっこうワイルドな箇所もあるが、基本的にはこれまでどおりの散策道ともいってよい幅広ルートが続く。
 十三峠を過ぎ、最後のドライブウェイの交差をトンネルでくぐれば、高安山は近い。両サイドは新興宗教系教団の敷地になってるらしく、少々興ざめでお笑いで不気味な箇所を突破すると、T字路が現れる。私は迷わず左へ向かい、下ってしまう。信貴山へはこちらが正解でいいのだが、高安山を踏むためには、いったん右に行っとく必要があった。だいぶ下ったところでガイドを見たので、もう後の祭り。戻る気力は残っていなかった。

信貴山頂からの展望 12:56

 気を取り直し、信貴山へ最後の登り、赤鳥居がいっぱい現れると、空鉢護法堂の建つ信貴山頂はすぐそこである。西側だけ大きく開けており、金剛はさらに大きくなって悠然と横たわっていた。いくら散策路並だとは言っても生駒山〜信貴山の縦走は結構歩き応えはあるし、自然も割に残っているので、都市近郊の良コースではないでしょうか? と一人満足しながら、赤鳥居の大群をジグザグに駆け下りて行く。

朝護孫子寺にて1 13:14

 朝護孫子寺は平日とは思えない人々で埋まっていた。本堂に参拝した後は、資料館で信貴山縁起絵巻の原本がこの時期だけ公開されていたので、飛び込む。う〜ん、感動した!(総理風)

朝護孫子寺にて2 13:29

 最後は信貴山下バス停までポクポクと歩いて、近鉄信貴山下駅から大阪経由で京都に戻った。失礼ながらあまり期待してなかった割にはかなり収穫のある山行だった。
 生駒山よ、今まで馬鹿にしていてすんまへん。次は交野山にでも行くか?

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