−新たな熊野古道歩きが始動! 次のターゲットは伊勢路!−
山行概要
2016年1月10日(日) | |
熊野古道伊勢路 | |
快晴 | |
単独 | |
内宮=0:20=猿田彦神社=0:45=外宮=0:35=尾崎咢堂記念館=1:00=玉城町役場(田丸城跡)【2:40】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
大阪天満橋から熊野本宮大社へ遥か240キロメートルに及ぶ熊野古道紀伊路・中辺路を今年の元旦にコンプリートしたばかりだが、その余韻も覚めやらぬ、1月10日。新たなターゲットを熊野古道伊勢路に定める。
紀伊路と異なり、京都からはアプローチが大変。枚方の実家に前日に車を借り、朝の3時に伊勢神宮目指して発進! 経費節減のため、全て地道で伊勢に向かうため、こんなとんでもない時間の出発となった。
本日のゴール地点と見込んでいる、田丸城跡にある玉城町役場の駐車場には、5時半に到着。出発準備に手間取り、歩いて5分程のJR参宮線田丸駅5時55分発の鳥羽行に間に合うため、ダッシュする羽目になったが、無事間に合い、伊勢市駅に到着。
内宮行きバスに乗り込み、一気に伊勢神宮内宮へ。外宮⇒内宮という一般的な参拝順とは逆だが、熊野古道の順路からやむを得ない。
正月三が日が過ぎているのに、早朝から参拝客がひっきりなしに押し寄せる、さすが伊勢神宮である。内宮に参拝し、熊野古道伊勢路の完歩と無事を祈願。
まだ開店前の店がほとんどで、さすがに人気の少ない、おはらいまちを抜け、宇治浦田町の交差点でR23を渡ったところが、猿田彦神社。
猿田彦神はニニギの天降りの先導を終えた後、伊勢の五十鈴川の川上に鎮まった。その子孫の大田命は天照大神を祀る地として倭姫命に五十鈴川川上の地を献上した。
大田命の子孫は宇治土公(うじのつちぎみ)と称し、神宮に玉串大内人として代々奉職したが、その宇治土公が邸宅内の屋敷神として祖神の猿田彦を祀っていた。明治時代に入り、神官の世襲が廃止されることになって、屋敷神を改めて神社としたのが猿田彦神社である。
猿田彦神がニニギの先導をしたということから、交通安全・方位除けの神社として信仰されている。
少し西に進んだ交差点から、北へ牛谷坂(牛鬼という怪物がいたという牛鬼伝説が名前の由来とされている)と呼ばれる坂道を登っていく。登り切った辺りで、伊勢自動車道を渡ると、いかにも旧街道といった風情の街並みをゆるやかに下って行く。
下り切ってから平坦な街並みを北西に進むと、外宮前に到着。ここも大勢の人に混じって、きっちり参拝。あ〜日本人で良かった!
参拝を終え、田丸へ向かう。外宮の前には新宮まで166kmを示す熊野古道伊勢路の道標が立っていた。
アーケードがあり、昔はもっと栄えていたと思われる商店街を西に進む
途中、600年の歴史をもつ伊勢の伝統薬万病に効く、お伊勢さんの霊薬「萬金丹」創業の地の碑がある。
さらに進むと、宮川の流れに突き当たり、堤防上を北上、渡会橋を渡り、宮川左岸をしばらく川沿いに遡ると、白い洒落た洋館が目に入る。
これが、この地を地盤として、衆議院に25回も当選し、憲政の神とあおがれた尾崎咢堂(行雄)の記念館である。
休憩も兼ねて、のんびりと館内の資料でお勉強。大体のことは知っていたつもりだったが、最後落選していたのは知らなかった。
歩行を再開。住宅街を抜けると、畑の中の平坦で単調な歩行が続き、だいぶ疲れてきた。城田小学校で小高い丘に上がり、本日のゴール地点である、遥か前方の田丸城跡まで、見通しが利く街道歩きとなるが、城跡はなかなか近づかず、単調歩行の連続に、疲れがさらに倍加する。
趣のある古民家もそれなりに点在はするが、単調さは否めない。熊野古道紀伊路と中辺路は、頃合いの間隔で現れる九十九王子跡が良いアクセントとなり、飽きることはなかったなあと思い返しながら、何とか歩き続けると、ようやく田丸の街中に入り、熊野街道と伊勢街道の分岐点に到着。
「右 さんくうみち」「左 よしの道 くま乃道」と彫られた道標が立っていた。そう、ここ田丸は、「熊野古道出立の地」と呼ばれているのだ。
そして、無事に玉城町役場の駐車場に帰着。田丸城跡は、以前にも来たことがあったが、やはり外せない。
田丸城は、南北朝時代に「神皇正統記」を執筆したことで名高い、北畠親房が築いたのが始まりで、戦国時代には織田信長の次男、信雄が天守を築いて居城とした。本丸へ至る石垣が良く残っており、本丸からの展望は雄大。局ヶ岳をはじめとする松阪の名山も良く見えた。
さて、やや物足りないが、本日のハイクはこれで終了。車で伊勢市に向かう。伊勢市駅周辺のコインパーキングは外宮参拝客でどこも満車だったが、何とか、駅から少し離れた格安のパーキングを確保し、ここなら静かで安眠できそうだ。
と言う訳で、近くの「伊勢・船江温泉「みたすの湯」」で、一杯ひっかけての入浴&マッサージでのんびりする。
軽く仮眠してから、伊勢市駅前の「小料理 奈かの」さんで、さらに新鮮な魚介類と日本酒を堪能
さざえの天ぷらと造り盛!
新鮮じゃないと、いわしの造りは無理です…
今宵も昇天!…
最後は、勢田川沿いにある銭湯「旭湯」さんへ。
近代的なビルの佇まいだが、ここには伊勢神宮への参拝前に銭湯で禊の体験をして頂こうと二見浦から汲みあげた海水を使った「清め湯」がある。
毎日、朝と夕の潮が満ちる時間に2回も汲みにいっている主人こだわりの湯を満喫し、ポカポカの体のままで、車に戻り、極寒の車中泊となった…
明日も歩く。熊野古道伊勢路その2(田丸〜栃原)へ。
参考タイム
1/10 | 内宮 8:00 ⇒ 8:20 猿田彦神社 8:25 ⇒ 9:10 外宮 9:30 ⇒ 10:05 尾崎咢堂記念館 10:25 ⇒ 11:25 玉城町役場(田丸城跡) |
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