−塩の道プロジェクトついに始動! 海抜0mから、はるか松本を目指す−
山行概要
2017年5月26日(金) | |
塩の道 | |
晴れ後雨 | |
単独 | |
JR糸魚川駅=0:55=のぞき戸=0:20=下村石仏群=0:20=大野神社=0:25=中山峠=0:25=飯綱神社=1:00=塩の道資料館【3:25】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
4月に文化庁に派遣されて初めて、休みを1日取るチャンスがやってきた。
現在の最大の懸案事項は、熊野古道小辺路であるが、まとまった日数が必要で、かつ、もう暑くなってきたので、秋まで厳しい… 残雪のアルプス歩きも考えたが、最近、すっかり水平思考になってきて、また新たな古道歩きを開拓したい。
この時期で、快適な歩行が楽しめるのは、それなりに涼しいところになるが、そうだ、少し遠くはなるが、「塩の道」があるじゃないか!
実は、はるか24年前のGWにハイライト区間である南小谷駅〜信濃森上駅間を歩いているが、当時の記録文を読み返して見ても、ほぼ記憶が蘇ってこない状況…
なので、あらためて、糸魚川〜松本間120キロを踏破したいという欲求が、グングンもたげてきた。松本から糸魚川に向かう方が、標高差的に楽だと思うが、やはりここは、塩を運んだ方向通り、糸魚川からぜひやりたい。
ということで、3日間の大体のプランを練る。
初日と3日目は、片道5時間余りの長距離ドライブを一人でこなす必要があり、歩行時間は抑えて、2日目に一気に距離を稼ぐとして、3日間で糸魚川から南小谷まで歩くことにした。
前夜は車のある枚方の実家に泊まることにし、早々に寝た。
4時に起床し、5時に出発。この時間は、今日の目的地である、糸魚川市山口から出る糸魚川駅行きのバスの時刻である11時12分から余裕を見て逆算したものである。
北陸道はガラ空きで、SAで適宜時間調整の休憩を取りながら進んだが、結局、山口の塩の道資料館には、10時過ぎに到着した。
塩の道のサイトには、山口に駐車せず、根知駅近くのフォッサマグナパークに停めることを推奨していたが、山口集落から車道の歩行で1時間くらいかかるし、とてもお勧めできない。
塩の道資料館の前には5、6台は余裕で停められる駐車スペースがあり、そんな繁盛するような施設でない(失礼)ので、本数の少ないバスの時刻だけ把握しておけば、ここに停めた方が遥かに合理的である。
歩く準備を整え、バスの時間まで、茅葺3階建ての古民家を転用した資料館を見学する。客は私だけであり、管理を委ねられている近所のお母さんが付きっきりで案内してくれる。
入口に展示されている、大橇(おおぞり)は、明治14年(1881年)に京都東本願寺の改修に使用した柱木を横川集落から鳥越峠を越え、運搬した際に使ったもので、3階の天井近くまで聳え立っていた。
資料館から少し下ったところにある山口バス停へ。雨飾山が大きい。
予定通り11時12分発のバスに乗り込み、糸魚川駅へ。駅前は昨年12月の大火の傷跡が痛々しい…
「月徳飯店」さんで糸魚川ブラック焼きそばを堪能! 12:01
とりあえず、昼食を取ろうと、駅近くの「月徳飯店」さんへ。ここで名物のイカスミを使った糸魚川ブラック焼きそばのハーフと麻婆豆腐にビール… これから歩くというのに…
すっかり良い調子で、いったん海岸線に出る。今日は1日雨の予定だったが、何故か爽やかな青空が広がっていてラッキー!
西に進み、南北に伸びる白馬通りを南下。「横町」という交差点の北東角に立つ、道路元標(道路の起点終点を示し、加賀街道と松本街道(塩の道)の分岐に建てられた道標)から、塩の道歩きがいよいよスタート。
少し南下して東に入ると、西性寺があり、ここに牛つなぎ石が建つ。塩の道は急峻なため、馬では歩くことができず、輸送手段として牛が使われたのだ。
しばらく住宅地をゆるやかに登り、徐々に高度を上げていく。
原山地蔵を過ぎると、長老ヶ原の一角に入る。ボッカ像の立つところから、さらに登り、美山キャンプ場を通過する。この辺り一気に山深くなり、一人では心細いくらいだ。
ここに至る坂を「メンパ坂」と言い、弁当箱のメンパ(曲げ物)を落とすと、下まで転がり続けたと言う。
のぞき戸から下っていくと、下村の石仏群に出、静かな山村の中を進むと、大糸線を横断し、今度は新舟石仏群が現れる。
維新後、近隣の神社を合祀した大野神社を参拝し、さらに山中に入っていくと、立派なトイレが建つ中山峠の登り口に入る。
昼なお暗い山道となる。だいぶ曇ってきたせいもあり、不気味なほど暗い。少しの登りで中山峠に到着。周辺はウトウと呼ばれる人や牛の往来によりU字型にえぐられた趣深い峠道が続く。
根知への下りにかかり、舗装路に出たところで、雷鳴がとどろき、ついに雨が降り出す。まぁ、1日雨の予報だったので、良しとしよう…
飯綱神社でしばし雨宿り…
根知谷は、平坦な山間の盆地が広がり、雨中の単調な車道歩きが続く。バスで一度同じ道を下っているのも、かったるさに拍車をかける。
雨が降りしきる中、何とか山口集落に戻ってきた。折しも、塩の道資料館は閉館時間であり、管理人のお母さんに挨拶をしてから、すぐ近くのシーサイドバレースキー場にある塩の道温泉へ車で移動。
ナトリウム−炭酸水素塩泉の湯を貸し切り状態で独占し、すっかり濡れてしまった体を温める。
糸魚川駅に車で戻り、お昼に物色しておいた、駅前近くの公園の静かそうな駐車スペースに車を停め、酔いつぶれる準備完了。
駅前の「やまね」さんへ突撃!
北陸に行けばこれ! ゲンゲの天ぷら!
アナゴの焼き! 歯ごたえが最高で、蒸しより旨いかも…
こうして糸魚川の夜は更けていった… いつものように街なか車中泊で爆睡する私であった…
明日の塩の道その2(山口〜北小谷)へ
参考タイム
5/26 | 糸魚川道路元標 12:35 ⇒ 13:30 のぞき戸 13:30 ⇒ 13:50 下村石仏群 13:50 ⇒ 14:10 大野神社 14:10 ⇒ 14:35 中山峠 14:35 ⇒ 15:00 飯綱神社 15:05 ⇒ 16:05 塩の道資料館 |
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