京都北山(雲取山〜魚谷山〜二ノ瀬ユリ)

京都北山(雲取山〜魚谷山〜二ノ瀬ユリ)


【日 程】1991年4月28日(日)
【山 域】京都北山
【天 気】晴れ
【メンバー】単独
【コース】京阪出町柳駅=bus=花背高原前バス停〜雲取山〜芹生〜魚谷山〜樋ノ水峠〜夜泣峠〜二ノ瀬

【記録文】
 就職して1ヶ月。ようやく早起きにも慣れてきた。GWには大峰の縦走を計画していたが、全く体を動かしてなかったので、急に不安になり、北山で慣らし運転を行うことにする。
 貴重な休日の朝寝を放棄して出町柳駅のバス乗り場に並ぶ。広河原行きに乗り込むが、花背峠へのクネクネ道が何とも憂鬱である。何とか酔うことも無く、バスを降り、バス停のベンチで朝食をとる。(吐くのが怖くて食べてなかった)
 学校前のダート道を進む。すぐにスキー場跡となり、さらに奥へ進む。いつしか山道となり、いかにも北山らしい杉の植林帯を登って行く。寺山峠という何の変哲も無い峠を越えると、すぐに一ノ谷に降り立ち、これまた北山らしい沢に沿った小道が続く。周囲の新緑もみずみずし過ぎる。この1ヶ月間ほとんど山のことを考える余裕がなかったが、逆に山への感度は上がっているようで、見るもの感じるもの全てが新鮮に思える。
 こののんびりとした沢歩きは、最後のつめの部分でいくらか急にはなるものの、運動不足の私でも息が上がることなく、雲取峠に到着。明るい雰囲気は他の北山の重厚な峠たちとは一味違う。祖父谷峠や石仏峠などの歴史の香りに溢れる峠も大好きだが、今日の私の精神状況からして、この明るさが何とも心地よく感じた。さっきの朝食の残りを食べてしばし休憩する。
 峠からはダラダラと登り下りを繰り返して、雲取山に到着。さっきの峠と雰囲気は酷似している。展望はそう良くはないものの、何とも麗らかな山頂だ。またもや大休止。
 降路はニノ谷にとる。木々の中の急降下。久しぶりの大コケをかます。やはり下る感覚が麻痺しているのか。ジャージに大穴を開けてしまった。ニノ谷にさえ降り立てば、後は穏やかな渓流歩きとなる。車道に合流し、芹生の里へ。民家のしだれ桜が満開で、山郷の遅い春を味わう。灰屋川から魚谷に入り、魚谷峠への味わい深い小道を進む。木漏れ日に抱かれる中、「これが北山だ!」と一人悦に入っていたら、魚谷峠直下で何とも無粋な林道に飛び出した。魚谷峠と言えば、北山でも風格ある峠の一つだが、この悲惨な状況は、古いマップしか持っていなかった私には結構ショックだった。
 林道を避けるように、魚谷山への小道に入る。この道はまだ健在だった。少しの登りで魚谷山に到着。展望は無いものの、いつも見るのを楽しみにしている、登山者用のポストがある。旧知の人が書いていないか、しばらくの間見入る。
 柳谷峠へ一気の下山。ここから直谷へは、北山のエッセンスに溢れた所。特に昔と変わっていないようでホッとする。ここから出合橋まで歩いて、今山行も終了と思ったが、少し歩き足りないので、樋ノ水谷を遡り、貴船に出ることにした。樋ノ水峠の直下で猛烈なブッシュに覆われたのには驚いたが、何とかニノ瀬ユリに合流し、夜泣峠までユリ道ではなく尾根道を頑張り、結構ハードな北山での1日が終わった。


      

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