霞沢岳

−穂高を見るつもりが、山はガスで真っ白… ただのトレーニング山行−

   

山行概要

日 程
2004年8月14日(土)
山 域
北アルプス
天 気
曇り一時雨
メンバー
単独
コースタイム
上高地=0:40=明神=1:15=徳本峠=2:15=霞沢岳=2:10=徳本峠=0:50=明神=0:40=上高地【7:50】

記録文

 高い交通費を払ってトレーニングをしてきました(汗)
 前回、ジャンダルムに行ってから、「もうつまらない数稼ぎの山登りはやらない!」と宣言した直後のキレギレ雨天決行暴走登山という暴挙である。もう自分に愛想が尽きました。
 今回、このような情けない結果に終わった理由(言い訳)としては、そもそも2泊3日で槍穂縦走の予定だったが、休暇が取れなくなり、それなら穂高を眺めようということで霞沢岳に登り、こだわりとして徳本峠小屋に泊まって、島々に下る予定だった… それが島々谷を歩いてるはずの日にこうして記録を書いてる始末… あ゛ー 必ずもう1回登ります。
 まあ、上高地から霞沢岳を往復すると、13時間くらいにはなるみたいなんですが(「山と高原地図」のタイムはゆるゆるですが)、筋肉痛も全然ないので、今年の2月から通いはじめたジムの効果が出てきてるのかなと、それだけは良かったっす。でもホントにそれだけ…

 帰省ラッシュを恐れ、「さわやか信州号」ではなく、クラシックに「ちくま」で松本に向かう。あっ、でも「ちくま」が何時の間にか臨時電車に格下げになっていて、時の流れを感じる。
 指定席は結構空いていて1人で2人分を確保できたので、私は京都から松本まで、ずっと横倒しの姿勢で爆睡!!! おかげで左顔面にはシートの縞縞模様が刻印され、年のせいか肌の張りが全くなく、なかなか元に戻らなかった。
 さらにクラシックに松本電鉄から新島々に行こうとしてたら、タクシーの運ちゃんに相乗りで上高地直行を誘われる。電車&バスで所要2時間弱で2400円のところを1時間15分で3000円とのこと。できるだけガスの湧かない時間に霞沢の頂上に立っていたいので、すぐに飛びつき、こうして「ちくま」が松本に着いたわずか15分後にはタクシーの人となっていた。

河童橋からの穂高 5:54

 上高地には5時半着。目の前には穂高がドーンと。西穂から奥穂までのギザギザ稜線を自然と凝視。うーん2週前にはあそこを歩いていたとは… しばし自己陶酔タイム。

そして超定番! 焼岳

 何度も見た景色ですが、やっぱり撮っちゃいますね。
 この時、私は山行の成功を確信していた…
 まだ歩く人の少ない梓川左岸の歩道を快調に飛ばす。

明神岳 6:24

 明神館近くから明神岳を望む。サイコーの登山日和です。

徳本峠への分岐 6:40

 明神館前には大勢の人がたむろしていたが、峠に向かう人はほとんどいないようだ。

徳本峠への歩道 6:47

 しばらくは、梓川の歩道と同様、車も通れるくらいの幅広&ゆるやかな道が続く。

前穂・明神岳 7:09

 一度荒れた沢を通過してから、ジグザグの登りが始まる。
 登りの途中から振り返ると、前穂と明神岳が… 少し雲が出てきたな。

徳本峠直下の三叉路 7:54

 右に行くと、峠に寄らずに直接、霞沢岳に向かうことができ、時間短縮できる。
 私は荷物をデポしたかったので、いったん峠へ。

徳本峠小屋 8:08

 雰囲気満点の小屋です。ここに泊まる予定であったが…

明神岳 8:13

 峠の少し上から。奥穂がガスってるな〜 前穂もヤバそう。まだ8時なのに、ガスが早い。霞沢岳での展望は無理かな。

ジャンクションピークへの登り 8:15

 西側は曇ってきたが、こちらの頭上はまだ晴れている。気持ちの良い樹林帯を進む。

常念岳(右)を望む 8:30

 スタジオ・ジャンクションから。あっと言う間に雲量増大。うーん…

東側は晴れている 8:45

 ジャンクションピークにて。この時点で稜線の西側は真っ黒になっていた…
 JPからダラダラ下る。行く手には霞沢岳らしい高みが見えるが、かなり遠くに見える。これは相当しんどそうだ。

小湿地 9:09

 JPとK1の鞍部にある小湿地。もうこの頃にはこちらの上空もどんよりとしてきた。霞沢岳も完全にガスの中…
 ここから登り返しとなるが、まだ急な登りは始まらない。この頃から小雨がついに降りだした。「もう引き返そうか」と頭は決断していたが、足はさらにピッチを上げて突き進む。心と体がバラバラのまま、K1の急登へ。
 今まで登りらしい登りがなかった分、強烈な登りである。足元もザレて、浮石も多く、木の枝を掴みながらの苦しい登行。おまけに雨も本降りになった。さっきからずっと「帰ろう、帰ろう。」と心は訴えているが、全く体は聞く耳をもたない。

霞沢岳(山名表示は白飛び…) 10:33

 かなりの急登をこなすと、樹林帯を越え、岩稜となる。おそらくK1、K2と越えていたのだろうが、全く気づかないまま、なかなかピークは遠いなと、ガムシャラに登っていると、急に霞沢岳のピークに着いてしまった。

 まさしく着いてしまったという表現がふさわしく、こちらの気持ちの準備ができていない。「やっぱり最後まで来てしまったか…」何も見えないピークで一人落ち込む。本当にこの性格と言うか性根は何とかならないでしょうか。
 雨風が強いので、軽く行動食をとっただけで下山開始。アップダウンが多いので、頂稜部は登りと大して時間が変わらない。故に疲れがじわじわと蓄積される。
 急降下を何とか終え、ゆるやかな中間部に戻ると意識的にペースを落とす。雨具を本降りになるまで着なかったこともあって、全身ずぶ濡れで靴の中もぐちゃぐちゃ。
 ここで別の悪い一面が出てくる。すぐに切れてモチベーションが維持できないのである。予定では峠の小屋に泊まって翌日島々に下る予定だったが、上高地まで時間的には余裕で下れそうなのとやる気が0になってしまったので、もう降りちゃうことに。明日の天気も悪いみたいだし… もう、ホンマに今日は最悪。
 最悪ついでに、何と降りるごとに雨が止み、晴れ間も覗いてきた。ホンマにどないなっとんねん!!!
 徳本峠に戻り、小屋前のテーブルでやけビールを2本あおって、上高地へ。峠を一度も振り返ることなく、一気に下る。また来ます…

陽光あふれる峠道 13:49

 気持ちの良い林の中を下っていると、さっきまでの悪天が夢のように思える。いや、夢であってほしい…
 酔っ払って疲労感が麻痺したのか、全く疲れを感じないまま、梓川の歩道に出合う。ここからは観光客を掻き分けながらのウザい歩行。グループの人は横一列で歩くので、オーバーテイクも一苦労。

小梨平のキャンプ場 14:56

 やっと上高地に戻ってきた。小梨平の常設テントは今は珍しい家型テントが並ぶ。

河童橋 15:01

 朝はほとんど人がいなかった河童橋だが、今は橋が落ちそう…
 人でごったがえすバスターミナルで何とか新島々行16時発のバスの整理券を確保。温泉に入りたかったが、時間が微妙だったので、ターミナルのコイン式シャワーでとりあえず汗を流す。
 何とも不完全燃焼な山行。でも、もう今夏は山に行く時間を取れそうにない。体力はここ10年くらいでは最高に仕上がっているのに… 夏は終わった…

参考タイム

8/14上高地 5:506:30 明神 6:407:35 水場 7:408:00 徳本峠 8:108:45 ジャンクションピーク 8:5010:30 霞沢岳 10:5012:30 ジャンクションピーク 12:3513:05 徳本峠 13:3514:25 明神 14:2515:05 上高地

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