−北西尾根から毛勝山を攻略! 最高レベルの急登の波状攻撃にフラフラ… またも下りで大失速…−
山行概要
2014年10月11日(土) | |
北アルプス | |
快晴 | |
Wヒロシ(I.ヒロシ、F.ヒロシ) | |
登山口=1:50=1,479.1三角点=1:25=モモアセ山=0:45=クワガタ池=0:30=毛勝山=0:45=クワガタ池=0:45=モモアセ山=1:25=1,479.1三角点=1:45=登山口【9:10】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
10月連休は、できればテント縦走をと思い、I.ヒロシ氏と約束していたが、議会開会中につき、予定が読めず、断念。直前に何とか金曜日の晩から出発できることが判明したが、今度は台風19号の脅威が…
とりあえず、台風は月曜日以降に直撃するということだったので、土日で日帰り×2発に予定を変更。そうなれば、先月に懸案の剱岳早月尾根日帰り攻略作戦を達成し、調子に乗っていたこともあり、コースタイム11時間、標高差1700mを誇る毛勝山を目指すことに。そうは言っても、早月尾根は、コースタイム15時間半に、標高差2200mだった訳だし、I.ヒロシ氏と2人だけと言うことで、高機動ぶりも発揮できそうなので、完全に舐めきっていた。
そして前夜、京都を20時過ぎに出発し、魚津ICから、片買川に沿って20キロほど林道を進み、チェーンで閉じられたポイントに到着。車道は狭かったが、ダートは一部のみで、特に問題なく2時前に到着。ここは僧ヶ岳の登山口でもあるらしく、駐車スペースの反対側に登山口の道標があった。
3連休の前夜だが、我々が一番乗りのようだ。肝心の毛勝岳の登山口は確認できないまま、4時半に目覚ましをセットして、早々に寝袋に潜り込んだ…
何とか4時半に起きる。気が付けば、両サイドに車が2台増えていた。朝食のサンドウィッチと栄養ドリンクを無理やり流し込み、予定どおり5時過ぎにスタート。我々が一番手のようだ。
ヘッドランプを照射しながら、ゲートを越え、林道をしばらく進む。下見ができなかったので、登山口がすぐ分かるか不安だったが、2度目のヘアピンカーブの辺りに無事発見。朽ちた道標がある他は、赤テープしかないので、要注意である。
登山道へ突入。のっけから物凄い急登で幕を開ける。長年登山をやってきたが、恐らく自分史上最高レベルではなかろうか。標高700m辺りから、1060m地点まで、一気に高度を上げる。
尾根と言うか、崖にしか見えないところを、時にはトラロープに頼りながら、登って行く。一気に汗だくになるが、スタート直後で、体がリフレッシュな状態だったので、何とか立ち止まることなく、1000mを突破した(このコースの本当に嫌らしい所は、コースタイム11時間の行程の最後の最後にこの急降下が待ち受けていることだ。トラロープに全体重を頼り切っての下山なんて、初めてだった)。
1000mを越えてからは、傾斜は普通の登りとなるが、ずっとヤセ尾根を行くので、躓き等、要注意である。懸念された藪こぎは全くなく、整備良好であるが、このルートに「巻く」という言葉は辞書になく、全て愚直に尾根通しを行く。故にキツい。
ずっと木々に囲まれているので、展望はすっきりしないが、ようやく明るくなってきて、左手には僧ヶ岳、駒ヶ岳、右手には目指す毛勝山の膨大な山体の一部が見え、テンションが上がる。尾根上は風通しも良く、快適に高度を上げていくが、ここまでに単独行者2人に抜かれた。無念…。
1400m三角点、1700m付近、そしてモモアセ山の手前で、それぞれ急登が待ち受けるが、1700m付近まで上がってくれば、見通しが効くようになり、涼しい気候も相まって、難なく攻略。
モモアセ山で、さらに展望が広がる。駒ヶ岳、僧ヶ岳はもとより、白馬をはじめとする後立山の面々も全開だ。
しかし、それよりも、モモアセ山からは、ついに正面に毛勝山が垣間見えるようになり、その圧倒的な高度感に、少々怯んでしまう。
ここからは、木々の背が一気に低くなり、草原状の箇所も現れたりと、高山の雰囲気に溢れるようになる。当然、行く手には、毛
勝山が正面に聳え立つ。物凄い威圧感である。
最後の前衛峰となる2151ピークを越えると、もう毛勝山を遮るものはなく、威圧感が凄すぎる。ゆるやかに下ると、大清水と呼ばれる草原に降り立つ。
最後の超急登を前に、地上の楽園が現れる。最高!
草原の一角には、形がそっくりで、絶妙なネーミングのクワガタ池も静かにたたずむ。
間近で見るよりも、上からの方が…
少し登った所から、見下ろすと、まさにクワガタが!
いよいよ毛勝山への最終決戦。冒頭の超急登に勝るとも劣らない超急傾斜の一本登りである。登りもきついが、足元が浮石だらけで、足の置き場に非常に気を遣う。
何度か立ち休憩を入れながら、ついに頂上の一角に到達。毛勝山頂上一帯は、今までの激闘が何だったのかと思えるような牧歌的な草原が広がっていた。ピークまでコースタイム7時間のところ、休憩込みで4時間30分だから、45歳のオッサンコンビよくやりました。
まず目が行くのが、今まで毛勝山そのものに遮られ、全く拝むことのできなかった剱岳である。八ツ峰が左手に伸びるという、これまでと真逆のアングルに狂喜し、叫び声を上げてしまう。剱の右横には立山、薬師とお馴染みの面々が続く。この時期は日がかなり傾いているので、逆光気味でディテールが今一つはっきりしないのが残念だったが、それでも大満足だった。
毛勝三山最高峰の釜谷山が目の前に。縦走したいが、テント装備で毛勝山に登る自信がない…
ピークからの眺望は、ピークから踏み跡を少したどった平地からがベスト。少し早い昼食を取りながら、おいそれと来ることができない所で、十分に展望を堪能した。
名残惜しいが、下山だけでもコースタイム4時間が残っている故、やむなく下山を開始。
超急降下の激下りが始まる。登りの時から分かってはいたが、落石しないように滅茶苦茶気を遣う。しかも、ちょうど下から2組ほど登って来ており。スピードが全く上がらぬまま、じわじわと下り続ける。
下り切ったクワガタ池で一息つき、以降しばらくは、稜線漫歩を楽しむ。
トップライトになってきて、紅葉がより映える。
しかし、慎重に下り過ぎたか… 登りよりタイムがかかっている。
ウドの頭からサンナビキ山に続く稜線を中景に、後立山の面々(白馬から五竜)が勢ぞろい!
試練はここから始まる。斜度が増し、二人ともダブルストックで下ってはいるが、膝へのダメージが蓄積。しかも、今回、トレランシューズでのチャレンジだが、グリップが弱く、すべりまくりで、超不安定。
何とかだましだまし1,479.1mの三角点まで下り切るが、ついに本日の天王山(となった)である激下りの始まりである。よ〜朝一でこんなん登れたなと嘆息してしまう激下りである。木を掴んでいないと立ち止まれないし、ストックも邪魔なだけである。トラロープにぶら下がりながら、情けない姿で下り続ける。
泣きながら下ること数十分、ついに林道に出くわす。何も掴まずに直立できるありがたさよ。とにもかくにもコースタイム11時間の激闘が終わった。登りは7時間を4時間半でこなせたが、早月尾根同様、下りは4時間のところを4時間40分と、またもや大失速…
失速どころか、登りより下りに時間がかかるとは… 完全にオッサンである(涙)
最後の激下りがかなりのディープインパクトだったのと、コースの整備状況がいまいちということもあり、正直、早月尾根よりしんどかったっす。
これは明日の登山は無理だなと覚悟しながら、早月尾根の後にも訪れた、上市町の「アルプスの湯」へ行き、前回と同様、水風呂と温泉の交代浴を繰り返し、疲労の軽減に努めた。それにしても、ここの凍りつくような水温の水風呂と、褐色の温泉は最高!
リフレッシュの後は、寝不足もあり、休憩室で仮眠する。それというのも、この夜は富山駅前の超有名店「酒菜工房 だい」さんを20時半頃から予約 (超人気店ゆえ、始業からの予約が取れず、1回転目の客が帰った後に連絡をもらうことにしていた…)しており、時間はたっぷりあったからである。
予定より早く、19時過ぎに連絡をもらい、勇躍、富山市内へ。
「酒菜工房 だい」で至福のひとときを過ごす。
名物のカワハギの肝和えカルパッチョ!
のどぐろの炙り!
紅ズワイガニのカブト詰め!
富山湾の宝石、シロエビ!
そして、のどぐろを、今度は塩焼きで!
すっかり満足した我々は、市内に暗くて静かな工事現場を発見し、またしても車中泊へ。充実の1日だった。
しかし、明日は登れるのか?
参考タイム
10/11 | 登山口 5:05 ⇒ 6:55 1,479.1三角点 6:55 ⇒ 8:20 モモアセ山 8:25 ⇒ 9:10 クワガタ池 9:15 ⇒ 9:45 毛勝山 10:30 ⇒ 11:15 クワガタ池 11:15 ⇒ 12:00 モモアセ山 12:00 ⇒ 13:25 1,479.1三角点 13:25 ⇒ 15:10 登山口 |
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