−連れに助けてもらい、自分勝手すぎる縦走を敢行 花は最高でした−
山行概要
2010年5月22日(土) | |
大佐渡山脈 | |
曇り後晴れ | |
単独(途中までK) | |
ドンデン山荘=0:15=尻立山=0:10=ドンデン池=0:20=縦走路入口=0:10=青ネバ十字路=0:25=マトネ=0:40=真砂ノ峰=0:30=天狗ノ休場=0:50=金北山=0:55=妙見山=0:20=白雲台【4:35】 |
記録文
5月の末に新潟に出張する機会をゲットした。業務繁忙につき、体はナマりまくっているが、このチャンスを逃す訳にはいかない。
確保できるのは3日間。山は素人の連れを無理やり連行することにし、超自分勝手なプランを練り上げる。この時期に体のナマり切った私が登ることができそうで、かつ、魅力的な未踏山を新潟周辺で探すと… ありました、ありました。佐渡の金北山が。しかも雪解け直後のこの時期は百花繚乱の状況で、まさにベストシーズンらしい。
ピークには自衛隊のレーダー基地があり、そこまで自衛隊の専用車道が通じており、事前に届け出さえすれば、歩行は可能らしいが、それだけではあまりにも味気なさすぎる。やはりここは大佐渡山脈の縦走ということで、最低でもドンデン山からの縦走を楽しみたいところ。ネックは交通機関で、ネットで調べてみると縦走コースの起点となるドンデン山荘と白雲台には、この時期だけそれぞれバスが運行されているが、本数は極端に少なく、行動の制約が多すぎるのでパス。そこで、超自分勝手な私は、山は初心者の連れにドンデン山周辺を案内した後、そこで切り捨て、縦走ゴールの白雲台に迎えに来させるという究極の自分勝手プランを遂行することにした。ごめんなさい…
金曜の夕方、速攻退庁し、京都を7時半に発進。ハイパワーのアウディで爆走した結果、何と新潟にはきっちり5時間後の0時半に到着。フェリーターミナル横の空き地で仮眠。
5/22 曇り後晴れ
6時の出港に備え、5時過ぎに乗船手続きを行う。航送料金+一等乗船料2人分でしめて4万円なり。普段より割引になっているらしいが、高い… ジェットフォイル往復とレンタカーでも同じくらいかかる。佐渡島内では車がないと話にならないので仕方がないか…
寝不足のため、佐渡両津港まではほぼ爆睡… 新潟までもあっけない到着だったし、はるばる佐渡まで来た感じは今のところあまりしない。
両津港の観光案内所でトレッキングマップをゲット(これはなかなかのすぐれものだった)し、すぐさまドンデン山荘へ向かう。海から900m近くまで一気に上がるため、思ったより急でヘアピンが何度も続く、けっこう酷なドライブ。途中、観光バスを何台もパス。かなりの登山者が予想される。ドンデン山荘前の駐車スペースも既に満杯で、少し下がった路肩に車を停めた。
山荘前からは両津港から国仲平野までが一望で、歩かずにこれだけの眺望を得られるのは素晴らしい。
時間も押し気味なので、すぐに歩き出す。ルート状況は整備過剰で散策路といった趣き。ひとのぼりで三角点のある蜂ヶ峰だが、アンテナが林立し、特に面白味もないので素通り。このすぐ先で展望が開け、尻立山へと続く、のびやかな高原の景色が眼前に展開。山慣れしていない連れは無邪気に喜んでくれているので、この後の私の我儘を考えると少しホッとした。
尻立山へは見た目通りで本当に気持ちの良い高原歩き。5月末ということで蒸し暑さを覚悟していたが、稜線は爽やかな涼風が駆け抜けている。私が目指す金北山が思いのほか遥か彼方に見えたのは、少々ショックだったが、それを補って余りある気持ちよさだった。
この辺りを総称してドンデン山と呼んでいるようだ。彼方に見えているのは金北山。
下方には赤い屋根のドンデン避難小屋と右下にはドンデン池が見下ろせる。もともと行くつもりをしてなかったが、そちらも非常に気持ち良さそうだったし、連れへの罪滅ぼしも兼ねて、周遊することに。
ドンデン池はフカフカの草原の彼方に静かに佇んでいた。周囲は黄色のエチゴキジムシロが満開(トレッキングマップで知りました)。思わず寝っ転がってしまう。佐渡にはるばるやって来た感がなぜかここでようやく湧いてくる。
池からは直接車道に出るルートをとる。樹林帯に入り、展望は閉ざされてしまったが、路傍にはカタクリやタムシバなどが咲きまくっており、飽きることはない。
入川に至る佐渡縦貫線に出(ドンデン山荘〜入川の間は車通行止めになっていた)、ドンデン山荘方向へ数分歩くと、縦走路の道標が現れる。ここで連れを置き去りにする非情の決断。私だけ縦走路に分け入る。ホンマに自分勝手。ごめんなさい。
樹林の中だが、道はしっかりしており、依然としてカタクリは足の踏み場にも困るほどだ。
青ネバ登山口からのルートが合流する青ネバ十字路ではジジババハイカーがたむろしていた。なおも樹林の中を進む。
しだいに傾斜がきつくなり、目の前が急に開けるとマトネと呼ばれる小ピーク。金北山が多少は近づいたように見えるが、まだまだ溜め息が出る遠さ。ここもジジババハイカーズの溜まり場と化していたので、早々に先を急ぐ。
マトネからはすっきりとした稜線を進むようになる。正面には金北山、両サイドには海を見下ろす快適縦走なのだが、いかんせん人が多すぎ。どうでもいいけど、この人たち全く他人には関心がないらしい。すぐ後ろに付いているのに我関せずで写真を撮ったり、ダベってチンタラ歩くのにはキレかけた。
ブイガ沢のコル近くにて。この辺りは砂礫の斜面が広がり、風が強い。
だいぶ近づいてきた。この縦走路はホンマに眺望が良く、快適この上ない。一時的に樹林帯に入ることはあっても、その場合は足もとにカタクリがあふれ返る状態となるので、全く飽きることはない。
ドンデン方面を振り返る。だいぶ歩いてきた。日差しもきつくなってきた。
この辺りから、残雪とヤブがうるさくなってくる。足元もグチャグチャでいつものようにナメた運動靴で来た私は悲惨なことに。
ヤブを抜けると、そこには池が… しかし、周囲も泥濘で近づけない。
しだいに傾斜が急になってくる。この下を通過したが、落石が怖かった。
ピーク直下でさらにルードが不明瞭に。すぐ前にレーダードームが見えているのに、ヤブ漕ぎでもがく私… 最後の最後で腕が傷だらけになってしまった。
国仲平野と小佐渡丘陵を望む。最高!
真野湾から小木の辺りまでが一望! 地図帳で見た佐渡島の下半分をそのまま眺めているような気にさせられる。
山頂に金北山神社がある関係で、狛犬が見送ってくれた。
ここからは淡々と車道を進む(私は事前に通行申請をFAXでしておきました)。単調かなと思っていたが、展望が良いのと、軍用車がけっこう走ってきたりするので、あまり苦にならない。
マツムシ平と呼ばれるところで車道が二分し、白雲台へは左に折れた方が早いが、もう一踏ん張りして妙見山を経由することにし、レーダー目指して登る。
妙見山山頂へは、レーダーの敷地を大きく迂回させられながら進む。
妙見山からはゆるやかに草原を下っていく。真野湾が真正面。山行のフィナーレに相応しい眺望だった。
白雲台には当初の見込みを大幅に短縮して到着。連れには逐次居場所と予想到達時刻をメールしていた(佐渡の山中は携帯は通じにくいとどっかのホームページで見た記憶があるが、アンテナはけっこう立っていた)ので、私が到着して5分後位には迎えに来てくれた。感謝感激である。
時間が余ったので、観光モードに転換。大佐渡スカイラインを快走し、スカイライン終点の佐渡金山に立ち寄ってみる。
佐渡金山発見の端緒となった大鉱脈の露頭掘跡でまさに金山のシンボル。坑道にも入りましたが、この光景が一番印象に残った。
山行中、まともな食事をしてなかったので、もう我慢できず(また我儘が…)、お魚へ。チョイスしたのは回転寿司の「弁慶」。真野湾に近く、佐渡一の幹線であるR350沿いに位置している。夕食時は常に満杯と聞いていたので、慌てて向かう。
金目鯛(右)とのどぐろ。至福のひととき。二人でたらふく飲み喰いしても5千円しなかった… 物凄いコストパフォーマンス。感激!!!
島の中央にある。ユニークな塩釜風呂があり、流行の岩盤浴以上に大汗を掻いた。寝不足なので早々に就寝。
5/23 曇り後雨
16時のフェリーまで島内を観光。昼くらいから雨が降り出すとの予報で、駆け足で島の中央部を周遊。
承久の変で佐渡に流された順徳上皇の行宮跡。金井の集落奥にひっそりと佇んでいた。
奈良の長谷寺に似ているから名がついたらしいが、こちらは「ちょうこくじ」と読む。
春のボタンが有名だが、今はつつじが満開だった。
続いて近くの根本寺へ。日蓮上人が佐渡で最初に過ごした地に建つ。写真は祖師堂前から二天門を望む。
唐様の八祖堂。寺の奥、静かな林の中、風が通り過ぎていた…
忙しない旅は更に続き、佐渡飛鳥路と呼ばれる真野町へ。
佐渡は当然として、新潟県でも唯一の五重塔。文政十年(1827)の建築。日光東照宮の五重塔を模したとされる。
佐渡島で最大の堂宇。22m四方の堂々たる大堂。
江戸時代に再建された寺の境内を抜けた奥の草原に静かに礎石が並んでいた。
朝からほとんど何も食べてなかったので、ここでギブアップ。またしても回転寿司へ向かってしまう。
昨日の「弁慶」さんとは車で5分ほどのところ。写真の握りは聞いたこともない地魚で、忘れてしまったが、上手かった〜 この日も大満足。
近くの金井温泉金北の里でさっぱりしてからフェリーターミナルへ。
おけさ丸で16時に両津港を出港。結局佐渡では一滴も雨は降らなかったが、フェリーで爆睡の後、ワープした新潟に着いてみれば、雨が降り出していた。
この夜は新潟市内のビジネスホテルに投宿。宿近くの居酒屋でのどぐろの塩焼きと八海山に溺れた。
5/24 雨後曇り
朝から大雨。ホントは弥彦山でも軽く登りたかったが、物凄い暴風雨… 仕方がないので、もともと山の後に行くつもりだった魚のアメ横、寺泊港へ。
大雨かつ月曜日の朝なのに、かなりの人出にびっくり。店頭のズワイ蟹に引き寄せられるように浜焼きセンター金八へ。
平日の10時前からこの体たらく。最高!!!! 朝からベロベロに酔っ払い、おやひこ様まで運んでもらった。
すっかり酔っ払って、罰当たりの参拝になってしまった。
行き当たりばったりの旅の目標、次は新発田をロックオン。巻潟東ICから聖籠新発田ICへ高速移動。新発田市街へ。
旧二の丸隅櫓と本丸表門。隅櫓は平成16年に当時の建築技法で再建された。
古い町並みが残る寺町へ。
新発田藩主溝口家の菩提寺。豪壮な山門が印象深い。この辺り古寺が林立しており、まさに寺町。
新潟へ帰る前に近くの城山温泉(11年前に二王子岳を登った時以来。この時の印象が良かったので再訪した)で一浴し、新潟市内に戻り、最後の夕食はまたしても回転寿司。西区のはじめずしで有終の美を飾った。
連れは帰洛し、私は市内で泊まり、明日の会議へ…
参考タイム
5/22 | ドンデン山荘 9:30 ⇒ 9:45 尻立山 9:50 ⇒ 10:00 ドンデン池 10:05 ⇒ 10:25 縦走路入口 10:25 ⇒ 10:35 青ネバ十字路 10:35 ⇒ 11:00 マトネ 11:00 ⇒ 11:40 真砂ノ峰 11:40 ⇒ 12:10 天狗ノ休場 12:10 ⇒ 13:00 金北山 13:10 ⇒ 14:05 妙見山 14:05 ⇒ 14:25 白雲台 |
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諸国名山探訪
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