熊野古道中辺路その8(小口〜熊野本宮大社)

−ついに熊野古道歩きのオーラス!−

   

山行概要

日 程
2019年12月31日(火)
山 域
熊野古道中辺路
天 気
曇り後晴れ
メンバー
単独
コースタイム
小口=0:15=小和瀬=0:55=桜茶屋跡=0:10=桜峠=0:30=石堂茶屋跡=0:30=百閧ョら=0:15=万歳峠分岐=0:55=請川=0:55=熊野本宮大社【4:25】

記録文(写真はクリックで拡大)

 天候の関係で、大雲取越から中1日空けての小雲取越。ついに名のある熊野古道を全て踏破する時がやってきた。休養十分で早朝に宿を出発し、今日のゴール地点である本宮大社へ。
 車を置き、6時55分発のJR新宮駅行きのバスに乗り込む。

この日も真っ白… 7:25

 一昨日の逆の経路で小口に戻る。バスを乗り換える神丸バス停は2日前と同様、真っ白… 天気予報は晴れなので、この日も回復に期待。
 小口へは大晦日なのに10人ほどのハイカーが乗車。私以外はほぼインバウンドである。外人が熊野古道を歩いて何が面白いのかとも思うが、人のこと言えんな…

小口バス停を出発 8:02

 ガスが晴れぬまま、小口を出発。私以外はほとんど大雲取越に向かったようだ。
 何と、後で気づいたのだが、いきなり古道を外してしまい、バス道をそのまま歩行してしまった。小口トンネルを抜け、ゆっくり下って小和瀬のバス停へ。道標があり、ここで初めて古道が合流してくるのに気付いたが、後の祭り…

小和瀬バス停 8:15

 小和瀬バス停横にはトイレが整備されている。ここで小口川を渡る。

山道へ 8:17

 民家への通路にしか見えない石段から、小雲取越は始まる。道標がなければ絶対に分からなかっただろう。

尾切地蔵 8:22

 尾根に乗るが、稜線のやや東側を進む。大雲取越と同様、石畳が残っている。山道に入ってすぐに尾切地蔵が現れる。
 その昔、半島状にある集落は栄えないと言う言い伝えがあり、村人はその付け根にあたる所に、その尾を切ると言う意味の尾切地蔵を祀り村の繁栄を願ったとされる。

晴れてきた 8:32

 杉の植林帯がメインの尾根を進んでいく。何か頭上が明るくなってきたなと思ったら、一気に晴れてきた。

気持ちの良いトレイルが続く 9:08

 急な部分と緩やかな箇所が何度も繰り返される。
 緩やかな部分は、見ての通り、近所の公園を歩いているようだ(笑)…

桜茶屋跡からの眺望 9:10

 そして、立派な東屋が現れると、桜茶屋跡。
 絶好の休憩ポイントで、東屋からは、昨日歩いた大雲取越の山々が一望である。

桜茶屋跡 9:10

 東屋横の石垣の残った平坦地が桜茶屋跡。茶屋前に桜の大木があったことから名付けられた。昭和初期に出版された「熊野めぐり」には、「桜茶屋とてあり、山中には綺麗なる家宅あり、旅客をも泊めると也」と記されていて、この茶屋は明治の末まで残っていたらしい。
 その昔は、見晴らしの良いこの茶屋から、小和瀬からの急坂を上ってくる白装束の参詣者を確認してから、茶屋の主人がもちをつきはじめ、もちがつきあがったころ参詣者が到着すると言われている。

桜峠 9:20

 茶屋跡から、さらに急坂を頑張ると、桜峠。
 何の変哲もない光景だが、ここが小雲取越の最高所で、標高466mとのこと。小雲取越え最大の難所と言われ、それなりに登ってきた感はあるが、900m近い山並みを越えてきた、昨日の大雲取越に比べると、やはり小雲取越は格段に楽である。

石堂茶屋跡 9:50

 桜峠からこれまでの植林帯から自然林に変わり、景色の柔らか味が増す中、緩やかに上り下りを繰り返すと、石堂茶屋跡に到着。
 江戸時代には茶屋が2軒あり、近くで砥石となる石が採れたため「石砥茶屋」とも呼ばれていたらしい。「吊り天井の仕掛けで旅人を殺害して金品を奪った」、「百間ぐらあたりで盗賊に襲わせ崖下に突き落とした」という物騒な話も伝わるが、繁盛する石堂茶屋に嫉妬した同業者が流した風評だったらしい。

賽の河原地蔵 9:55

 石堂茶屋跡から、再び植林帯となり、少し進むと、賽の河原地蔵がある。賽の河原とは死んだ子供が行くところといわれる三途の川の河原のことで、ここで子供は親の供養のために石を積み上げて塔を作り、作っては絶えず鬼に壊される。そこへ地蔵菩薩が現れて、子供を救うという。
 ここ小雲取越の賽の河原地蔵も、この話に因んだのだろうか、たくさんの石が積み上げられている。
 説明版には、地蔵は熊野詣で亡くなった人々の供養のために作られたものである思われると記載されていた。

「百間ぐら」からの展望@ 10:20

 賽の河原地蔵から、緩やかに下っていくと、峠状の地形のところで林道と交差する。林道を西に少し入ったところにトイレがあるらしいが、私はスルー。
 目の前には、600m超の妙法山が立ちはだかるが、古道は妙法山の西側を巻いていくので、さほどのアップダウンはない。
 そして、唐突に目の前が開け、小雲取越随一の展望ポイントである「百間ぐら」に到着。
 目の前には、 熊野三千六百峰が一望である。左遠景は大塔山、そして中央の野竹法師の尖峰ぶりがよく分かる。

「百間ぐら」からの展望A 10:28

 そして北寄りに目を移すと、果無山脈の姿が…
 久しぶりに再訪したくなってきた…

万歳峠分岐 10:45

 百間ぐらからは、もうほとんど登りはなく、非常に穏やかな下り基調のトレイルが続く。
 あっと言う間に万歳峠分岐に到着。ここで伊勢路が合流する。本宮大社から万歳峠を経て志古までは3年半前に歩いており、ここでついに熊野本宮大社を中心に全てのトレイルが繋がった… 何とも感無量である…

ついに熊野川が… 11:40

 ここから先は、勝手知ったルート。完璧に整備されているので、目をつぶっても歩けるくらいだ。
 これまでの歩みを反芻しながら、ゆっくり、ゆっくり下っていく。
 もう少し、このまま歩いていたかったが、あっと言う間に熊野川の姿が…

ついに熊野本宮大社へ 12:35

 請川で車道に降り立ち、後は国道を淡々と熊野川沿いに進んでいく。
 途中、備崎橋では、大峯奥駆道が合流。ここも4年半前の、3泊4日の激闘が思い出される…
 様々な思いを抱きながら、ついに、ついに、熊野本宮大社に到着。万感の思いで参拝し、熊野古道に一区切りを付けた。

再び湯の峰温泉へ 14:02

 本宮から峠を越えて、湯の峰温泉へ。この日は体を洗いたかったので、「くすり湯」じゃなく、「一般湯」へ。こちらは、源泉掛け流しではなく、水で適温まで薄めているらしいが、湯の峰温泉特有のしっかりした硫黄臭は健在で、「くすり湯」との違いは分からなかった。

「からかさ」さんで祝勝会!@ 15:56

 さぁ、祝勝会だと、紀伊田辺に車を走らせる。
 2年前の年末にも訪れて、旨いものをたらふく食わせてくれた「からかさ」さんに電話をし、予約しておいたのだ。16時から開店のところ、無理やり15時半に空けてもらった(笑)…
 オーダーは全くせず、大将お任せ料理のスタート!
 マグロの中落ちの上に赤身とイクラがどっさり… 卵黄をたまり醤油に絡めていただく。最高!

「からかさ」さんで祝勝会!A 16:14

 続いて、スッポンの煮こごり!

「からかさ」さんで祝勝会!B 16:24

 そして、南紀名物のウツボの塩焼き!

「からかさ」さんで祝勝会!C 16:34

 マグロのカマ煮つけ!

「からかさ」さんで祝勝会!D 17:01

 スッポン出汁の茶碗蒸し!

「からかさ」さんで祝勝会!D 17:04

 フグの唐揚げ! お腹が…
 今回も大満足でお店を後に… 大将、ありがとう! また来ます!
 またしても、パチンコ屋に吸い込まれ、旅費を回収(笑)し、意気揚々と「弁慶のさと湯」さんに歩いていたら、街灯のない真っ暗な歩道で、パイプに足を引っ掛け、まさかの大ゴケ(笑)… 両膝から血が噴き出すという、年末も押し迫ったところで、何をやっているのか(涙)
 完全にヤキが回りました(涙)…
 ボロボロで悲惨な車中泊の年越しへ… 明日はどうなるのか…

参考タイム

12/31小口バス停 8:008:15 小和瀬バス停 8:159:10 桜茶屋跡 9:109:20 桜峠 9:209:50 石堂茶屋跡 9:5010:20 百間ぐら 10:3010:45 万歳峠分岐 10:4511:40 請川 11:4012:35 熊野本宮大社

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