−島の横断だけでは飽き足らず、西表島最高峰を目指す−
山行概要
2003年3月23日(日) | |
西表島 | |
晴れ | |
男3人(うちガイド2人) | |
相良川登山口=1:15=急登開始点=0:20=滝見台=0:40=古見岳=0:45=滝見台=0:20=急登開始点=1:05=相良川登山口【4:25】 |
記録文
この日も7時起床、宿の朝食をのんびりとってから、8時に河合さんと茂木さんが迎えに来てくれた。
今日も天気に恵まれる。登山口の相良川まで見所の度に途中停車するドライブ。道端の電線にはカンムリワシがのんびりと羽を休めている。西表島東端の野原崎を回りこむと明電舎のCMでおなじみの由布島とその奥に「ちゅらさん」の小浜島が見えてくる。
島の最高峰、古見岳へのルートは、美原集落の少し先の相良川河口近くから始まる。と言っても道標は一切なく、駐車スペースがあるだけで、事前に聞いておかないと絶対に分からないだろう。
車道脇から歩き出す。幅広めの道が意外だが、美原集落の水源地へ向かう道として管理しているという話を聞いて納得。(余談だが、八重山諸島の中では群を抜いて水の豊富な西表島は他の島々に水を供給している)
ルートはすぐに相良川沿いとなる。いきなり膝下までの徒渉で足が痺れる。以後、10回前後の徒渉を繰り返しながら進むので、昨日の横断の時にも思ったが、沢を歩くことの多い西表島のトレッキングは長靴がベストでしょう。(ガイドのお二人も長靴でした。ヒル除けにもなるし…)
この日も何か見つける度に止まって、ゆっくりと観察していくので、ペースは超スロー。
写真のタカサゴシロアリの巣の崩れた所を良く見たら、幼虫がうごめいていた…
石垣島と西表島、台湾に住む特産亜種。羽化の直後か、近寄っても逃げない。
この木には3匹も固まって張り付いていた。怖すぎる。
周囲の環境で色が変わり、見つけにくい。
幻の花と地元では呼ばれている。
昨日と同様、シダの森を行く。踏み跡はしっかりしており、徒渉のポイントにも対岸に赤テープが付けられているので、注意して進めば迷うことはない。ただ、昨日と違う点は、道標が一切ないこと。どうも水源地には余り足を踏み入れてもらいたくないのか、島でも古見岳は積極的に宣伝していないらしい。
1時間余り沢を遡ったが、まだ高度計は70mを指している。いったんここで沢を離れ、急登が始まる。この辺りの島の地形は山に向かってしばらく平坦な地形が続いた後、一気に崖状になってせり上がっている。(このため、有名なピナイサーラ滝を始め、島とは思えない雄大な滝がいくつも懸かっている。)
整備されたジグザグの山道とは違い、直登が続く。今まで沢筋で涼しかったのだが、いったん沢を離れると急にムシムシして汗が噴き出してくる。例のヤマンギが怖くて木を掴めないので、モロに足腰に負担がかかり、息も絶え絶えといった感じになる。
急に傾斜がゆるやかになる。崖の上に出たらしい。右手に切り開きがあり、茂木さんの指示で少し切り開きを進むと、見事な無名滝が目に入ってきた。ここでしばし息を整える。
もったいないが、いったんゆるやかに下り、沢筋へ。この沢はホーラ川の上流に当たるのであろう、さっきの相良川の水量とは比べ物にならないほど小さな小沢であるが、それでも涼しくて気持ちが良い。この後も沢筋を何度か替えながら登っていくのだが、はっきり言って地形図を見てももう訳がわからない。ガイドのお二人も「地図を見ても無駄です」と言っており、踏み跡と時折現れる営林署の看板だけが頼りである。
小滝を登るなど、しだいに傾斜を強める小沢を詰め、沢が涸れたなと思った矢先に稜線に飛び出した。稜線にはリュウキュウチクが密生しており、踏み跡がなければ前進は困難だろう。
踏み跡のおかげで5分ほどで古見岳のピークに到着。まさか西表島の最高峰に立てるとは! ガイドのお二人さまさまである。
ピークは周囲の竹が切り開かれており、かなり霞んではいたが、黒島と新城島が見える。西方、山手の方に目を向けると、わずか470mの山であるのに、累々と山々が続き、島にある山々とはとても思えない。
今日も古代米のおにぎりをいただき、海を眺めながらボーッとする。同じ山にはほとんど2度登らない私だが、特にこの山は2度と登ることはないだろう。感慨深さにおいてはベスト3に入るピークだった。
往路を忠実に戻る。同じコースを辿っているはずなのだが、全くそんな感じがしないのは、濃密な森のせいか。
帰路もさまざまな発見をしながら、登山口に戻った。
参考タイム
3/23 | 相良川登山口 09:00 ⇒ 10:15 急登開始点 10:20 ⇒ 10:40 滝見台 10:50 ⇒ 11:30 古見岳 12:15 ⇒ 13:00 滝見台 13:05 ⇒ 13:25 急登開始点 13:35 ⇒ 14:40 相良川登山口 |
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