熊野古道中辺路その4・伊勢路その12(熊野本宮大社〜志古)

−熊野川沿いに熊野本宮大社から熊野速玉大社を結ぶ旅その1−

   

この日のルートは赤線。翌日の熊野古道中辺路その5(志古〜熊野速玉大社)は青線

山行概要

日 程
2016年5月21日(土)
山 域
熊野古道中辺路・伊勢路
天 気
快晴
メンバー
単独
コースタイム
熊野本宮大社=0:40=請川=1:00=中辺路・伊勢路分岐=0:25=万歳峠=1:00=志古【3:05】

記録文(写真はクリックで拡大)

 またもや土日連続の好天が約束された。できれば残雪のアルプスに行きたかったが、折りしも5月市会開会中であり、金曜は答弁待機で、前夜発は叶わず…
 そこで、早朝発に切り替え、それならばと、熊野古道中辺路(前の区間(野中一方杉〜熊野本宮大社)はこちら)の続きをやることに。暑がりの私には、気候的にもそろそろ限界が近づいていることもある。
 京阪三条を5時4分の始発で出発し、枚方の実家で車を借りて出撃したのが、6時過ぎ。
 今回、熊野本宮大社と速玉大社をつなごうと思っていて、バスの時刻を気にせず歩きたいので、いつものように、車を先に到着予定地に置きたいが、急に調べた限りでは、本日の到着予定地である志古バス停から、熊野本宮大社に向かう午前中の適当なバスが、9時18分発しかない。
 ナビで試算すると、高速を使っても4時間はかかるらしいので、スタートの熊野本宮に車をとりあえず止めて、後は行き当たりばったりでやるしかないなと、ほぼ諦め気分で、ハンドルを握る。
 R168に入るまでは快調に走行し、ナビの予定時刻も、もしかしたら間に合うかも?という感じになってきたが、西吉野町の辺りでこの4月で大規模な地滑りが発生した関係で、結構な迂回ルートの走行を強いられる…
 またもや諦めかけたが、十津川町を抜け、和歌山県田辺市本宮町に入ると、世界遺産効果で急速に高規格道路に整備された区間が続き、何とか9時15分に志古に到着。
 ここは瀞峡観光のウォータージェット船の乗り場があるため、大駐車場完備である。バス停に一番近い区画に車を止め、大急ぎで着替えをすまし、何とかバスに間に合った。
 志古から熊野本宮大社まで、真っ直ぐ走れば10分ほどで着いてしまうのだが、このバスは、途中、川湯、渡瀬、湯峰の3湯を丁寧に巡っていくので、本宮大社には10時ジャストの到着となった。

快晴の熊野本宮大社 10:06

 あまりの人の少なさに驚きながら、元旦以来の熊野本宮大社に参拝する。はるばる京から熊野本宮大社へたどり着いた巡礼者は、さらに新宮の熊野速玉大社、そして熊野那智大社に参拝し、大雲取小雲取越えを経て、熊野本宮大社に戻り、そして、京へ戻っていくのである。
 熊野本宮大社から新宮の熊野速玉大社へは、熊野川を船で下るのが一般的だったらしいが、船賃を払う余裕のない貧乏巡礼者は、歩いて向かったらしい。私もそれに倣うとする(笑)

大峯奥駈道の終点、備崎を望む 10:24

 しばらくはR168に沿って進む。1年前、大峯南奥駈の感動のゴール地点であった、備崎大橋を過ぎ、さらに進むと、請川の集落に到着。

請川を渡る 10:50

 名の通り、熊野川支流の請川を渡る。後で知ったが、上流には、「請川のお滝さん」と呼ばれる高さ20mほどの優美な滝があるらしい。
 請川で、小雲取越えの古道が分岐する。中辺路番外編とも呼べる雲取越えだが、途中で、熊野市からやってくる伊勢路が合流してくるのだ。

古道を行く 11:14

 国道から階段を登り、民家の間を抜けると、すぐに整備された幅広の山道となる。たまに石段も現れるが、基本は良く踏まれた地道である。国道から一気に100mほど標高を上げてしまえば、後はゆるやかな山間の散策路が続く。
 ごくごく一部しか歩いていないが、これが大雲取越えと並んで難所と恐れられた、小雲取越えかと、少々拍子抜けである。

中辺路(小雲取越)と伊勢路の分岐 11:50

 松畑茶屋跡を過ぎ、終始ゆるやかなまま、伊勢路との分岐に到着。ここで小雲取越えと別れる。道幅は一気に半分ほどになるが、普通の山道が続く。途中、沢筋を2、3回絡みながら、峠を目指して最後の急登へ。

万歳峠 12:15

 万歳(ばんぜ)峠は、標高415m。道標だけが静かに佇んでいた。
 「紀伊続風土記」には、「志古より西の方山中に入て谷川に沿ひて登る道を番西道といふ。それより番西峠というを越えて」とあり、「番西峠」とも記す。

中辺路とは違う道標に導かれる 12:48

 参考にしたネットの情報では、すぐに車道に出て、後はこれを志古まで辿るというものだったが、古道が復元されたのか、林道をショートカットする形で、これまでの熊野古道では見かけなかった独特の道標に導かれ、山道でしばらく下り続ける。

志古バス停に到着 13:15

 志古川の本流に降り立つと、後は車道をのんびり下り、志古のバス停に帰着。
 この日は、明日のゴール予定の新宮市でウダウダしようかとも思ったが、ネットで調べると、近くの「雲取温泉 高田グリーンランド」が素泊まり3000円で宿泊できるようなので、ここに即決。

雲取温泉 高田グリーンランドに投宿 15:00

 冷蔵庫を自由に使わせてくれるとのことだったので、新宮市のイオンで買い出しをし、ビールや焼酎とつまみを買い込んでから、チェックインの15時と同時に宿へ。
 夕方前から入浴し、ビールですっかり良い調子になって、何度か入浴を繰り返した揚句、20時頃には爆睡…
 明日は新宮へ。ついに大阪天満橋から熊野三山、そして伊勢神宮までが繋がるのだ!

参考タイム

5/21熊野本宮大社 10:1010:50 請川 10:5011:50 中辺路・伊勢路分岐 11:5012:15 万歳峠 12:1513:15 志古

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