巻機山

巻機山


【日 程】平成2年8月30日(木)
【メンバー】単独
【天 気】晴れ時々曇り
【コースタイム】清水(民宿泉屋)=0:25=桜坂駐車場=0:10=三合目=0:15=四合目=0:20=焼松(五合目)=0:25=展望台(六合目)=0:20=七合目=0:20=八合目=0:05=前巻機=0:05=避難小屋=0:15=御機屋(牛ヶ岳往復40分、割引山往復30分)=0:15=前巻機=0:30=展望台=0:40=桜坂駐車場=0:20=清水【5:35】

【記録文】
 上越の名峰巻機山のピーク群(牛ヶ岳、割引山、御機屋などを総称して巻機山というらしい)を総ナメする今回のコースはコースタイムが約11時間というロングコースなので、前日のうちに登山口の清水まで入っておかないと日帰りはかなり難しいと思われる。故に私は谷川岳を終えたその足で六日町駅へ向かい、終バス(17 時半) で清水に入ったのである。
 民宿のおばさんに朝食と昼食の2食分のお弁当を作ってもらい、夜明直後の5時15分にスタート。長丁場のコースなのでペースを押さえぎみに進む。桜坂駐車場までは立派な車道が通じているが、歩く場合は直登ルートの山道をとった方が早い。まだ薄暗い樹林帯を黙々と登る。桜坂駐車場で登山カードを提出し、おにぎりを一個食べてから、いよいよ第一の関門、井戸ノ壁の急登に取り付く。二合目まではゆるやかな登りだが、三合目の手前ぐらいから木の根っこをつかんで登るような道となる。息が上がらない程度までペースをゆっくりにし、そのかわり1 本で五合目まで登り切った。一部展望が開け、何条もの滝を連ねた米子沢がよく見える。しかし目指す巻機山の稜線ははるか頭上に見え、溜め息が出る。ここでまたおにぎりを一個食べる。
 五合目〜六合目間はこの井戸尾根コース中、唯一の緩登部分で良いアクセントになっている。六合目の展望台からは対岸の天狗岩がニョキッと聳える様がよく見える。ここでレーション。ゆっくりと休憩してから、第二の関門、檜穴の段を登る。ここもかなりの急登だが、七合目で森林限界を超え、展望が広がるのでさほど苦にならない。振り返れば谷川苗場が一望できる。八合目へは丸太の階段となり、グングン高度を上げる。前巻機のピークは八合目から尾根づたいに5分程歩いたところ。ここからは巻機山の頂上台地が目の前に迫る。見下ろせば、避難小屋の屋根が見え、その周りには地塘らしききらめきが点々としている。ワクワクしながら、その屋根を目指して降りる。小屋前で大休止。付近の湿原をゆっくり見てまわる。
 頂上台地へは、また丸太の階段が続き、一歩、一歩頑張る。最初に登り着く頂上台地の一角は御機屋と呼ばれる草原で,巻機山1962mの標識があるが、実際の最高点は御機屋から牛ヶ岳へと向かう稜線の途中にある1967m峰である。私もそこを踏むべく牛ヶ岳へ向かうことにする。最高点の周辺は地塘が点在、何かしらこちらの気持ちも優しくなってくるような風景である。最高の舞台設定の中、柔らかい草原に寝っころがって、雲を見ていると自然と瞼が重くなってきた。そんなにゆっくりもしていられないので、渋々牛ヶ岳へ進む。
 牛ヶ岳までもずっと、草原、地塘、お花畑が続く。ピークでゆっくり展望を楽しんでから、往路を御機屋へ戻る。御機屋でランチ。他の登山者は一人もいないので、この大景観を独り占めである。
割引山を望む割引山を望む
 ランチの後、今度は割引山へ向かう。割引山は尖っていて巻機山の中では一番見栄えのする山。木道をゆるやかにヌクビ沢コースの分岐まで下って行く。この辺りも気持ちの良い草原で、少し黄金色になった所が秋の気配を感じさせる。分岐から急坂を一息で三角点のある割引山頂上。ここからは越後三山が大きい。帰りも周りの景観をゆっくりと楽しみながら、御機屋へ戻った。
 この時点で行動時間が6時間を超え、さすがにダレてきた。あとは登ってきた道を駆け降りるだけだが、もう私の膝は爆発寸前で非常にこたえた。しかも昨日の谷川岳と同様、蛇攻撃に悩まされる。私はあまり蛇は怖いとは思わないが、しかしこれだけ頻繁に目撃するといいかげん気持ち悪くなってくる。そのため、井戸尾根の最後の部分はほとんど飛び下り(突発的に蛇を踏んでしまうのが恐ろしくて)てしまい、膝をますます悪くしてしまった。しかし結果的には清水発13時半のバスに間に合う (次のバスは18時25分) ことになり非常にラッキーであった。
 まあとにかく、巻機山はとても良い山です。できればこんな駆け足登山ではなく、素晴らしいロケーションを誇る避難小屋で一泊して、のんびりと登ったらもっと良かったと思う今日このごろです。


      

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