東海自然歩道その1(箕面〜沓掛)

東海自然歩道その1(箕面〜沓掛)


 ひょんなことから、東海自然歩道のトレースを思い立つ。何年かかるか分らないが、西から順番に進んでいこうと思う。


【日 程】平成11年2月20日(土)
【山 域】北摂・西山
【天 気】晴れ時々雪
【メンバ―】神原・藤田
【コースタイム】阪急箕面駅=0:35=箕面滝=0:25=東海自然歩道起点=0:40=開成皇子墓=1:35=泉原素葢鳴尊神社=0:40=竜王山荘=0:25=竜王山=0:30=車作大橋=0:15=竜仙滝=0:30=萩谷=0:30=摂津峡=0:20=原立石=0:20=神峰山寺=0:45=本山寺=0:45=ポンポン山=0:30=杉谷=1:10=大原野樫本神社=0:45=国道沓掛バス停【10:30】

【記録文】
 河原町5時発の電車に乗り込み、2度の乗り換えで箕面駅に6時半着。目茶苦茶寒い。所々凍結した谷沿いの道を凍えながら進む。箕面の滝前で軽くレーションを頬張るが、それを猿がじっと見つめていた。滝の横手を登ると車道に出合うので、しばらく進むと箕面ビジターセンターに着く。この少し奥が東海自然歩道の西の起点である。ここまで箕面駅から約5キロ。
東海自然歩道西の起点東海自然歩道西の起点
 いよいよ山道に入る。前途を呪うように雪が降りしきっている。出端から自然歩道特有の歩幅の合わない階段攻撃に悩まされ、しかも予想以上のアップダウンが続く。開成皇子墓(最勝ヶ峰)は展望良しとガイドにあったが、山並みは雪雲に覆われていた。なおも進むと、左側は北摂霊園に沿うようになり、しばらく無数の墓石を眺めながらの不気味な進軍となる。霊園が尽きると、直角に右折し、急降下を開始。すぐに車道に降り立ち、のどかな田園風景の中を進む、と言いたいところだが、この車道は産廃の不法投棄だらけであった。
 途中、道標が不明瞭になる箇所があり、何度か行ったり来たりしつつも、西谷の集落に到着。いつしか雪は止み、晴れ間が広がってきた。この辺りの鄙びた山村は、とても大阪府とは思えない。林間の舗装路をなおも進み、小さな峠を一つ越えると、忍頂寺のバス停。少し手前に竜王山荘があり、我々もここの食堂で昼食とする。
 腹をさすりながら竜王山への急な石段を登る。ビールを飲んでしまった私にははなはだ酷なリスタートである。竜王山頂は公園風の広場となっており、展望台もあるが、登っても何も見えない。とっとと先を急ぐ。急坂を駆け降りると車作の集落に出る。自然歩道の道標に従い、車作大橋に向かうが、マップとは経路が異なっているので注意が必要である。
車作の集落を進む車作の集落を進む
 大橋からダンプがひっきりなしに通る車道を脅えながら進むと、5分ほどで竜仙の滝への分岐がある。谷をさかのぼると落差16mの見事な滝が現れる。滝を右から大きく高巻くが、かなりの急登。なんとか峠を越えると、後はゆるやかに萩谷の山村へと下って行く。摂津峡へは、村の中の細い小道を進み、やがて薄暗い谷道へと入っていく。急に前方が明るくなり、野球やサッカーのグラウンドが数面整備された、大規模な造成地に出る。もちろん地図には記載なし。自然歩道は整備過剰とも思えるほどの立派な木組の階段で続いている。
 白糸の滝が現れると摂津峡に合流、なおも進み、谷を離れると原立石の広々とした耕作地が広がる。前方には今コースの最後でかつ最高の高みとなるポンポン山がのびやかに佇んでいる。
原立石からポンポン山を望む原立石からポンポン山を望む
 原立石のバス停を越える。これ以降はポンポン山を越えなければエスケイプ不可能であり、歩き通す他ない。神峰山寺で軽く行動食をとり、本山寺へ向かう。舗装された急坂が続く。私がハイペースで突っ走ったこともあって、今山行で一番しんどい区間となった。
 本山寺の山門前でひっくり返る。残った体力を振り絞り、ポンポン山への長い尾根道を進む。薄く雪が積もっており、神経を使う。最後は何度もニセのピークに騙さ、ポンポン山は奥深さを実感する。やっとのことでピークに飛び出した時、思わず歓声が上がる。夕暮れの京都市内を万感の思いで見下ろす。この感激、感慨は日常生活では絶対に味わえない。これだから長距離歩行はやめられない。
 足の裏と膝に激痛が走る中、下山を急ぐ。北斜面がほとんど凍結しており、日没前に車道に出ないと危険だからだ。何度かスリップしながらも、何とか明るいうちに杉谷の集落に降り立つ。後は足を引きずりながら、車道を進むのみだが、金蔵寺手前で痛恨のルートミス。ショートカットする車道を降りてしまったらしく、気が付けば、寺ははるか頭上に見えていた。
 とっぷりと日が暮れた中、もう金蔵寺まで戻る気力も体力もない。気を取り直して、大原野へと下る。今回は嵐山まで行く予定だったが、足の消耗具合が激しく、今日は沓掛までとし、柿園を縫うように国道9号まで下る。完全に市街化されたこの辺りは、自然歩道をトレースするのが難しい。何度もルートをはずす。フラフラになりながら、最後は芸大の横を通りぬけ、国道沓掛バス停に到着。
 京都バスで桂駅へ。行きは90分、450円かかった電車の乗車時間は帰りは10分、180円しかかからなかった。


【参 考】
 06:40    阪急箕面駅
 07:15-07:20 箕面滝
 07:45-07:55 東海自然歩道起点
 08:35    開成皇子墓
 10:10-10:35 泉原素葢鳴尊神社
 11:15-11:55 竜王山荘
 12:20-12:25 竜王山
 12:55    車作大橋
 13:10-13:15 竜仙滝
 13:45    萩谷
 14:15    摂津峡
 14:35    原立石
 14:55-15:15 神峰山寺
 16:00-16:10 本山寺
 16:55-17:05 ポンポン山
 17:35    杉谷
 18:45    大原野樫本神社
 19:30    国道沓掛バス停


   

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