御坂山塊縦走

御坂山塊縦走


【日 程】平成5年2月20日(土)〜21日(日)
【メンバー】男1人、女1人
【コースタイム】
 2/20 天上山ロープウェイ終点=0:10=天上山=1:10=霜山=1:30=木無山=0:25=四季楽園(→0:10/←0:10:開運山)【3:35】
 2/21 四季楽園=0:55=三ツ峠登山口=0:15=天下茶屋=1:00=御坂山=0:30=御坂峠=0:50=黒岳=0:15=すずらん峠=0:25=見付峠=1:10=大石【5:20】

【記録文】
 2/20 晴れ
 長いアプローチを経て、ようやく辿り着いた河口湖は快晴。目の前には純白の富士山が広がる。今回の遠征の目的はまさしくこれ。自然と顔もほころぶ。不要な荷物をコインロッカーに押し込み、まずは湖畔のロープウェイ乗り場へと向かう。駅からすぐに湖畔にでる。藍色の水面が見事。天上山ロープウェイはすぐ頭上に終点が見え、あまり登行短縮の効果はなし。気分的な問題のみである。ただし、終点からの展望は見事で、富士はもとより南アの一部も顔を覗かせていた。
 ルートは展望台のすぐ裏手から始まっている。しっかりした道が雑木林の中に延びている。登りらしい登りもなく、夜行明けの体でも楽にこなせる。難点はずっと樹林帯を行くため、展望がほとんど皆無ということだけだ。三角点ピークの霜山でランチ。ここも展望はないが、あたたかな木洩れ日のなかでとるランチは格別であった。霜山からもしばらくはゆるやかな山道が続く。雪も日陰に見られるだけで、快調に歩を進める。木無山の直下から急登が始まるが、それも長くは続かず、すぐに高原状の木無山の一角に飛び出す。
木無山から黒岳を望む木無山から黒岳を望む
 木無山からは期待以上の大展望が広がる。特に屏風のように一直線に広がった南アは素晴らしかった。北ア、八ツの一部も見える。レ−ションをとったあと、小屋に向かうが、5分程で到着。民宿と言っても良いぐらいの立派な小屋である。ここに荷をデポし、三ツ峠最高峰開運山のピークへ。氷の張り付いた滑りやすい斜面を慎重に登る。開運山からの展望も木無山と同様に素晴らしい。北方の御巣高山のアンテナ群が少々目障りな他は広潤な景色が広がる。日がだいぶ傾いてから小屋に戻った。

小屋から見る早朝の富士小屋から見る早朝の富士
 2/21 曇り後雨
 目覚めてすぐに窓の外に目をやると、空はどんよりとした雲に覆われている。天気予報どおりであるので、あるていど覚悟はしていたものの、やはり悲しい。しかし、高曇りであるので今日も富士は我々の真っ正面に聳え立っている。山小屋にしては豪勢な朝食をとったあと、腹をさすりながら出発。登山口まではジープも上がってくるような幹線ルートであるが、これがガチガチに凍っており、アイゼンがないと怖い。一歩一歩慎重に下降する。登山口からは車道を天下茶屋へと向かう。茶屋からの河口湖&富士は完璧な構図。思わずじっと見入る。軽い休憩の後、再び稜線へ登り返すのだが、この登りが実にエグイ。一応自然歩道並に整備はされているものの、丸太階段が歩幅に合わず、汗だくになる。やっと着いた稜線も樹林に囲まれ展望はなし。風も強く、寒さで休憩もままならず。ここからは忠実に稜線を西に進む。御坂山へは少しのアップダウンがあるのみ。ピークも展望無し。とっとと御坂峠に向かう。峠に下る途中の送電線鉄塔の付近は展望良し。峠の風の当たらない小屋陰で休憩し、今日最大の登行となる黒岳への登りにかかる。さすがに急でなおかつ氷が張っているため、非常に神経を使う。このためかなりのスローペースで登り続けたため、結果的にはわりと楽にピークに到着した。さすがにこの辺りまでくると、周りは白一色。わずかに残された地表部分に腰を下ろし、ランチにする。
黒岳山頂、寒い…黒岳山頂、寒い…
 食べ終わる直前にここまでなんとかもってくれた空もついに小雪を降らせ始めた。雨具を着てから出発。急斜面を駆け降りると、すずらん峠だが、そのまま歩を進める。雪は雨に変わり、しかもだんだん激しくなってきた。破風山はいつのまにか通り過ぎ、笹原をだらだら下りきれば見付峠。ほとんど休むことなく稜線を離れる。雪と泥とでグチャグチャになった道をジグザグに延々と下る。全身ずぶ濡れでむちゃくちゃ寒い。林道に出てからも目指す大石のバス停はまだまだ先で、最後はドッと疲れた。
 最後はエラいめにあったが、お目当ての富士はしっかり拝めたし、満足のいく山行であった。


      

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