−残雪期限定の難峰を攻略! メンバー、天候と全てが完璧!−
山行概要
2019年4月13日(土) | |
白山連峰 | |
快晴 | |
ジロー夫妻、OT君、私 | |
白山中居神社=1:40=和田山牧場跡=0:35=ダイレクト尾根取付き=1:30=野伏ヶ岳=1:25=和田山牧場跡=0:55=白山中居神社【6:05】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
残雪期限定の山としては、4年前に猿ヶ馬場山、そして昨年に笈ヶ岳を大苦戦の末、陥落させたため、自然と次のターゲットは野伏ヶ岳になっていた。
猿ヶ馬場山、笈ヶ岳をやったメンバーであるジロー、OT氏と日程調整が整い、さらに最近結婚したジローの嫁も参加することになった。トレランを主戦場としていて、かなりの猛者のようだ。
私が一番体力的に不安を抱えながらの出発となった。
業務終了後、京都を発進。草津、栗東と順次合流し、現在東京在住のジローの嫁とは岐阜羽島駅で合流し、東海北陸道で白鳥ICに向かい、道の駅「清流の里しろとり」で軽く宴会してから寝た。
4時に起床し、石徹白の白山中居神社に向かう。途中、大日ヶ岳登山口の桧峠を越える山道だが、思いのほか良く整備されており、5時には神社前の駐車場に到着した。駐車場にはトイレもある。
ここで標高730m。野伏ヶ岳は1674mなので、標高差は1000mもない。楽勝でしょう…
しばらくは林道歩きが続く。すぐに雪が現れ、歩行開始20分ほどで、完全に雪上を行くようになる。
林道が傾斜を強め、九十九折れに登りだす手前で、スノーシュー、ワカンを装着。これらの威力は絶大。林道の九十九折れを串刺しにするようにショートカットしながら登る。
大黒山と小大黒の鞍部まで登り切ると、一気に前方の視界が開け、平坦な雪原が目の前に広がった。ここが和田山牧場跡である。
目指す野伏ヶ岳が真正面に見える。登路となるダイレクト尾根がピークから左斜め下に伸びている。あれを登るのだ…
北側の光景。遥か彼方に別山と三ノ峰も見える…
牧場跡からダイレクト尾根の取付き箇所に進むため、大黒山の裾を西へ進んでいく。
傾斜のほとんどない緩やかな道で楽勝。スノーシュー、ワカンを利かせながら、快調に進んでいく。
ダイレクト尾根の末端から登ろうとすると、だいぶ距離的には遠回りになってしまうので、傾斜が頃合いになった辺りで一気に尾根上を目指す。
最後は結構な急登をこなして、何とかダイレクト尾根の上に到着。。
我々がダイレクト尾根上に到達した箇所はブナの林が広がっていた。
後は頂上までひたすらこの尾根を登る。最初は大した傾斜ではないが、尻上がりに傾斜を増していくのだ…
黙々と尾根を登る。しだいに高木が無くなり、展望は思いのままだ。
ダイレクト尾根は、中間部でいったん傾斜が緩み、展望の良いコブのような箇所があるので、休憩に最高である。
さらにダイレクト尾根を登る。しだいに傾斜が急になっていく…
写真中央のピーク手前の高みに登る直下が一番の急傾斜であった。振り返ると足がすくむほどの急傾斜だが、雪が腐ってきたのと、スノーシュー、ワカンに付いているスパイクで滑り落ちることはなかった…
おそらく山頂周辺はクマザサに覆われているらしく、高木はなく、ご覧のように眺望は思いのままである。
別山の左後方には、ついに白山主峰の御前峰も姿を見せるようになった。
ピーク手前の高みまで登ってしまえば、後はピークまで楽勝! ゆるやかに登って行く。
4時間で頂上到達! 最近まともに体を動かしてなかったにしては上々である。
極上の展望をつまみに、早速やり出す私(笑)…
ピークから南方の展望。能郷白山(右奥)の左は荒島岳。
大長山(右奥)、その左は赤兎山。左奥は経ヶ岳。
改めて、白山主要部を眺める。見とれてしまう…
ピークにはもっと滞頂したかったが、強風でどんどん体温が奪われる(ガスストーブで湯を沸かそうとしたが、ポットの湯は逆に温度を下げてしまった(笑))ので、やむなく下山を開始する。
大日ヶ岳を正面に見ながら下る。
ピーク手前の高みから、一気のダウンヒルが始まる。
完全に雪が腐っているので、ズルズルと足場が固まらない。横に歩いてスノーシュー等のスパイクを利かしながら、慎重に下っていく。
傾斜の一番急な部分を突破すると、もう安全。大股のロングストライドで一気に飛ばし、あっと言う間に中間地点を通過。
あっと言う間にダイレクト尾根を下り切り、和田山牧場跡が近づいてきた。
この辺りの広大な平坦地にテントを張り、宴会をしているパーティがいた。景色も良いし、めっちゃ楽しそう〜
牧場跡に帰って来た。未だに雲一つない晴天が広がる(私の顔面は一気に真っ黒になりました…)。
帰路も往路と同じように九十九折れ林道をショートカットしながら一気に進む。往路と同じポイントでスノーシュー等をパージする。
せっかくなので、白山中居神社に立ち寄る。
言い伝えでは、景行天皇12年(82年)の創祀で、雄略天皇9年(465年)には護国鎮護のために剣を奉納したと伝えられている。
養老元年(717年)に泰澄大師が白山中居神社の社域を拡げ、社殿を修復したという。その後、平安時代から江戸時代初期にかけて、藤原秀衡、今川義元、柴田秀勝、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康など、数多くの武将の信仰を受け、江戸時代には、石徹白村が白山信仰による白山へ向かう巡礼者への手助けを行い、村人は、白山中居神社の社人、社家となり、無税、帯刀御免の身分とされていた。
境内にある「浄安杉」は、ブナ原生林とともに、岐阜県指定の天然記念物である。
現本殿は、安政3年(1856年)の再建で、 本殿の彫刻は、岐阜県指定の重要文化財である。
この後、郡上市高鷲町の日帰り温泉施設「湯の平温泉」で汗を流してから、帰阪した。
天候、メンバー、雪のコンディション等々に恵まれた、最高の山行でした。
参考タイム
4/13 | 白山中居神社 5:15 ⇒ 6:55 和田山牧場跡 7:05 ⇒ 7:40 ダイレクト尾根取付き 7:50 ⇒ 9:20 野伏ヶ岳 10:00 ⇒ 11:25 和田山牧場跡 11:40 ⇒12:35 白山中居神社 |
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