−長年恋焦がれていた城跡へ、大満足の新緑ハイク−
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山行概要
2004年4月25日(日) | |
伊吹山地 | |
快晴 | |
単独 | |
JR河毛駅=0:30=大手道登山口=0:15=望笙峠=0:20=本丸跡=0:30=小谷山=0:10=清水谷分岐=0:30=郡上=0:45=中野=0:25=虎御前山=0:40=玉泉寺=0:15=JR虎姫駅【4:20】 |
記録文
昨日のカラッとした好天が続くとの予報に、またしても興奮してしまい、ターゲットを物色。しばらく奈良や京都周辺をうろついていたので、目先を変えようと湖北を目指すことにする。ここ2、3年、佐和山城や観音寺城、安土城と城跡巡りを兼ねたハイクでおいしい思いをしていたので、二度あることは三度あると小谷城跡を目指す。
早朝なので、新快速はなく、鈍行を乗り継いで河毛駅へ。長浜から乗り換えた北陸線の電車は、賎ヶ岳のために余呉駅まで行ったときもそうだったが、寝台電車583系を改造したクハ418系が運行していた。
電車を降りてあまりの肌寒さにびっくり。昨日より今日の方が晴れ渡っているにもかかわらずである。体を温めるためにも、すぐに出発。東の真正面にそびえる小谷山目指して一本道を歩む。
虎御前山の北麓を通過し、北陸自動車道をくぐり抜ける。R365に合流し、しばらく小谷山の南麓を回りこむように進むと郡上南の交差点にコンビニがあり、ここから山懐に飛び込むと駐車場と案内板がある登り口が現れる。
車道はさらに上部へと続いているが、大手道の道標に従い、山道をたどる。大手道らしく直登していくので、いきなり急な登りで息が上がる。いったん車道を横切り、さらに大手道を登る。鮮やかなライトグリーンがまぶしい。
また車道に合流したところが、望笙峠。西方が見下ろせ、竹生島が琵琶湖に浮かんでいた。さらに大手道を登る。道は途中2分するが、金吾丸経由の右のコースをとる。階段で一登りしたところが、ツツジで彩られた金吾丸。ここのすぐ下が車道の終点で、ここから本丸跡へは10分もかからない。
整備された山道を進む。下から見上げただけでは分からなかったが、まるで段々畑のように平らな敷地が連続して現れ、それぞれ馬場や重臣の屋敷などがあったらしい。特筆すべきは本丸手前の大広間で、山中とは思えない広大な敷地が広がっていた。
本丸跡は、大広間の北隅の高み。往時を偲ばせるものは何もなく、静かな木立に風の音だけが流れていた。
京極丸(秀吉が突入し、落城のきっかけになったところ)、小丸(小谷城落城の時、浅井久政が自刀したところ)と段々に続く小平地を順に登る。本当に新緑が美しい。そこにいるだけで都会の腐った空気の毒された体が浄化されるよう。歩行中ずっと胸の高鳴りを覚えていたのは、登りのしんどさだけではなかったはずだ。
城跡としては最高所となる山王丸で少し展望が開ける。これからたどる小谷山の本峰が岩壁を従えて、間近に迫る。また、東方には、伊吹山地の山々が展開。主稜の新緑はまだこれかららしく、くすんだ茶色のままだった。
いったん少し下ると分岐があり、下山路に予定している清水谷に下るルートを左手に分けるが、ここは直進し、小谷山頂を目指す。
階段の登りが続くが、唐突に広大な頂上の一角に出た。なんともとりとめのないピーク。一応三角点もあるが、ここより高い部分は回りにいくらでもある。発掘調査で彫られたらしく、頂上大地の真ん中の部分は一段下がっており、底の浅い火口を持つ火山のような地形をしている。(まあ、周囲はライトグリーンの木々に覆われているので、火山には似ても似つかないが…)
西の一角が唯一展望が良さげだったので、そちらに移動。奥琵琶湖の湖面と赤坂山をはじめとする野坂山地の山々が見渡せた。
今日はホンマに良い天気なのだが、日陰で休んでいるとすぐに寒くなる。汗で体が冷えたので、やむなく腰を上げる。
先ほどの分岐まで一気に下り、清水谷へ。朝、下から小谷山を見上げたときに、清水谷と思しき部分が鮮やかな新緑の森に埋もれているのを見ていたので、この谷を下るのを、心待ちにしていたのであるが、果たして、体中がライトグリーンに染まってしまうような濃厚な森林浴を味わうことができる。大きく深呼吸をしながら、のんびりと下る。年明けから仕事のストレスがかなりたまっていたが、それもなんか溶けていくような気がした。
いつしか車道に出る。谷が大きく開け、児童館の前を過ぎると朝通り過ぎた郡上の交差点。伊吹山が正面に大きい。ラーメン屋が営業していたので、ここで昼食。やっぱりビールに手を出してしまった。
天気も良いし、ほろ酔いだしということで、その辺の原っぱにしばらく寝っころがろうかなとも思った(周囲は気持ちの良い草原がいくらでもある)が、もうちょっと歩き回りますか。「滋賀県の歴史散歩」に虎御前山の記載があり、西側の中野集落から、登路があるとのことだったので、いったん北陸自動車道のガードをくぐるところまで戻り、虎御前山の西麓を南下する。
結果的には途中で適当に道を拾って強引に登ったほうが早かったと思われるが、結局、山麓を半周した南端のキャンプ場まで行ってから、登ることになった。キャンプ場へは岩上神社のところから車道を登っていく。管理棟からは伊吹山をはじめ、鈴鹿の霊仙山も見渡せる。
キャンプ場の奥から、NTTの専用車道が伸びており、この車道を進めばすぐに終点のアンテナにたどり着く。予想通り、虎御前山へは、ここから踏跡が伸びているので、再び山道へ分け入る。
こちらも山は浅いものの、緑のシャワーは小谷山と同様。森の匂いを感じながら歩を進める。ピークは全く展望なく、標識がなければ通り過ぎてしまいそうな所だったが、この爽やかな森の中を歩くことができただけで、大満足だった。
往路を戻り、中野の古い町並みを歩く。だいぶ疲れてきたが、隣の三川集落に雄大な本堂で有名な玉泉寺があるらしいので、最後に寄って行く。中野の家並みをぬけ、見通しのきく田園地帯に入ると、行く手に一目でそれと分かる巨大な本堂が目に入ってきた。
元三大師生誕の地と伝えられる玉泉寺で最後の休憩をとり、虎姫駅まで、これまた古い家並みを楽しみながら、のんびりと歩いた。湖北というまた一つ好きな地ができた、最高の歴史歩きだった。
参考タイム
4/25 | JR河毛駅 8:25 ⇒ 8:50 郡上 8:55 ⇒ 9:00 大手道登山口 9:00 ⇒ 9:15 望笙峠 9:20 ⇒ 9:25 林道終点 9:25 ⇒ 9:40 本丸跡 9:40 ⇒ 9:50 山王丸跡 9:55 ⇒ 10:00 清水谷分岐 10:00 ⇒ 10:15 小谷山 10:35 ⇒ 10:45 清水谷分岐 10:45 ⇒ 11:00 御屋敷跡 11:05 ⇒ 11:20 郡上 11:50 ⇒ 12:35 岩上神社 12:35 ⇒ 12:55 NTT車道終点 12:55 ⇒ 13:00 虎御前山 13:00 ⇒ 13:20 中野 13:20 ⇒ 13:40 玉泉寺 13:45 ⇒ 14:00 JR虎姫駅 |
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