播磨アルプス(高御位山・桶居山)

−岩尾根を越えて、「姫路の槍」に登頂−

   
   

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山行概要

日 程
2003年2月15日(土)
山 域
播磨アルプス
天 気
快晴
メンバー
単独
コースタイム
JR曽根駅=0:30=鹿嶋神社=0:15=馬ノ背(送電線鉄塔)=0:10=主稜線合流点=0:30=高御位山=0:25=桶居山分岐=0:50=桶居山=0:35=深志野登山口=0:10=御着城跡=0:10=JR御着駅【3:35】

記録文

 快晴の予報に誘われて、播州へ。場所はお気に入りの播磨アルプスで、ほぼ1年振りの再訪である。(ほとんど同じ山域に足を運ばない私が、僅か1年で再訪するのだから、いかにこの山域を気に入っているかを良く表している)
 前回登り残していて、姫路の槍ヶ岳というたいそうな異名を持つ桶居山が今回のメイン。主峰の高御位山にも表敬訪問はしておこうか。

鹿嶋神社までの途中、高御位山を望む

 JR曽根駅を出発。前回はすぐに山に取り付いたが、今回はのんびりと鹿嶋神社まで山麓をゆっくりと進む。巨大な鳥居が目印になる。

鹿嶋神社

 鳥居前からみやげ物屋が立ち並ぶ参道を抜けると鹿嶋神社に到着。

鹿嶋神社前から鷹ノ巣山周辺の岩壁を仰ぐ

 目の前には百間岩〜鷹ノ巣山〜馬ノ背に囲まれた岩壁が展開。駅から徒歩わずか30分程でこの景色を見ることができるのだから応えられない。
 今回は馬ノ背を歩きたかったのだが、登り口が良く分からなかった(前回の山行で大まかな地形は頭に入ったという過信から、ガイド、地図とも持ってなかった)ので、強引に稜線まで上がることにする。

 神社前の小道を拾い、しばらく進むとフェンスに突き当たる。ここを右に向かい、疎林の斜面を強引に上がると、山腹を巻く立派な遊歩道に出た。赤い鉄の階段が岩混じりの斜面に向かって付けられていたので、これを登ってみると、岩盤の中にかすかに踏み跡が付けられていた。結構な急斜面だが乾いた岩のフリクションは最高で、手を使うことなく一気に馬ノ背の稜線(送電線鉄塔の所)に登りついた。

馬ノ背の稜線

 見込みどおりの絶景が広がる。鹿嶋神社ははるか西側の谷底に沈み、神社の少し上から百間岩が豪快にせり上がっているのが良く分かる。

馬ノ背からの高御位山

 東側は高御位山がどっしりとした姿を見せている。
 岩だらけの尾根を快調に登り、播磨アルプスの主稜線に突き上げる。桶居山への分岐はここから少し東に進んだ所にあるが、高御位山に向かうため、ここはいったん素通りする。ピストンは結構精神的に堪える。前回こんなにアップダウンがあったかなと怪訝に思うほど、高御位山へは遠く感じる。気温もグングン上がってきて汗だくである。

高御位山頂その1

高御位山頂その2

 高御位山はこの日も大勢のハイカーで賑わっていた。食事を取っているグループも多く、いい匂いがそこら中から漂ってくる。今回は減量目的も兼ねてアミノ酸のゼリー飲料しか食料を持ってきていないので、この匂いは非常に刺激的というか、挑発的だ。故にたった5分程でせっかくのピークを逃げ出す羽目になった。

高御位山頂付近から桶居山を望む。まだまだ遠い

 桶居山分岐までの帰路は空腹もあり、行きの時より相当堪えた。もし桶居山を先に登っていたら、絶対に高御位山には登ってないだろう。やはり未踏のピークには非常に弱い。
 分岐を北に下る。道幅は一気に細くなり、主稜ではうっとおしいほどにすれ違った他のハイカーも全く見かけなくなった。結構下ってからは岩尾根の細かいアップダウンが続く。
 この辺りは周囲の山並み(しかも岩剥き出しの異様な尾根ばかり)にすっぽりと囲まれて、何か異次元に迷い込んだ感じがしてくる。時折西側のクレー射撃場からの銃声も聞こえ、今度は西部劇のセットの中を進んでいるような気にもなってきた。家で地図を見ていた感じでは、明瞭な尾根筋を進むと予想していたが、そんなことはなく、右へ左へ尾根は曲がり、一度大きく樹林の鞍部に下ったりとなかなか一筋縄ではいかない。それに目指す桶居山が手前の稜線(この稜線、最近の山火事の影響か、岩だらけの裸尾根で遠目には雪山に見える)に阻まれて、全く姿が見えないのも、まともに進んでいるのかと不安になる一因となる。

ようやく桶居山が近づいてきた

 その手前の稜線に登り着いて、やっと桶居山の山容が目に飛び込んできた。小ぶりながら惚れ惚れするほどのピナクル。周囲の黒焦げの木々も何か雰囲気に合っている。見た目どおりそのままの急登をこなし、尖峰の頂へ。
 ピークにはおっさんが一人。桶居山分岐以降で初めて人に出会った。このおっさん、JR宝殿駅から歩いてきたらしく、なかなかの健脚である。僕が御着に向かうというと、おもしろくないので止めておけとしきりにおっしゃったが、こっちもさっきの道を戻るのはもう懲り懲りなので、制止を振り切って西方の御着に向かった。

反対側からも桶居山の山容は崩れない

 桶居山はどこから見ても見事なピナクル。故に登ってきた方向と反対側への下りもまた急峻である。慎重に下る。西に伸びる尾根は依然として岩だらけである。この山域の特異さを十二分に味わいながら、空きっ腹を押さえつつよろけ気味で進む。

しだいに遠ざかる桶居山

 幸いにして大したアップダウンもなく、徐々に高度を下げていく。この前も思ったが、この山域の岩尾根は標高が下がっても常に展望が利くので、ハイペースで駆け下りると、飛行機で着陸するような錯覚を覚える。
 途中で、こけて墜落することなく、何とか無事に深志野の集落に着陸。後は車道を坦々と進み、御着城跡(城郭風の姫路市東出張所が建っている)と黒田家の廟所に立ち寄ってから、御着駅まで歩いた。

参考タイム

2/15JR曽根駅 09:3010:00 鹿嶋神社 10:1010:25 馬ノ背(送電線鉄塔) 10:3010:40 主稜線合流点 10:4011:10 高御位山 11:1511:40 桶居山分岐 11:4012:30 桶居山 12:4013:15 深志野登山口 13:1513:25 御着城跡 13:3013:40 JR御着駅

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