御岳山

御岳山


【日 程】平成4年7月25日(土)〜26日(日)
【メンバー】男2人
【コースタイム】
 7/25 JR木曽福島駅=bus=田ノ原=1:10=九合目=0:35=王滝頂上=0:35=剣ヶ峰=0:30=二ノ池小屋【2:50】
 7/26 二ノ池小屋=0:45=摩利支天山=0:25=五の池小屋=0:45=継子岳=0:45=三ノ池=1:15=八合目=1:10=中の湯【5:05】

【記録文】

 7/25 快晴
 『ちくま』に接続しているバスのおかげで、6時には行動を開始する。頭上は『梅雨明け10日』のド快晴。目の前には『逃げも隠れもせん!』といった感じの御岳がデーンと聳え、登行意欲は盛り上がるが、それも最初の10分だけで、後は早朝とは思えない灼熱地獄のため、ズルズルとペースはジリ貧となる。無味乾燥で岩ガラガラの火星のような斜面を黙々と進むが、一向に頂上部は近づいてこない。所々にある大きな雪田で休憩にするが、当日は大量の白装束軍団がうようよしており、とてもじゃないが落ち着いて休憩するといった雰囲気ではない。また、気温もグングン上昇を続け、疲労はますます蓄積されていく。やっとのことで王滝頂上に辿り着くが、既に私の顔面は赤色化しており、首筋には激痛が走るといった状況である。義理だけで王滝奥の院をピストンするが、やはり特筆すべき場所ではなかった。
御岳頂上にて御岳頂上にて
 気を取り直して最高峰の剣ヶ峰に向かうが、灼熱の砂漠のような地形の中を白装束軍団と行列を作って進む自分の姿に涙する。これで隣にラクダでもいたら、中近東の風景と全く同じじゃないか。3000mの爽やかな風はどこに行ったんだ。やっと着いたピークも白、白、白。長居せず、とっとと引き返す。かかる状況では寝床を確保するのも大変だ。頂上部の2軒の小屋にはあっさり断られ、流れ流れて二ノ池小屋でようやく安住の地を見つけた。しかし、ここもすし詰めは避けようもない。ふてくされてすぐ寝たのは言うまでもない。

 7/26 快晴
 日焼けの激痛で目が覚める。小屋の窓から晴天を確認した瞬間、顔が引きつる。今までにこれほど好天を恐れたことは、かってなかった。今日は山シャツを着て歩こうと思ったが、ちょっと擦れただけで劇痛が走るといった状況で、しかたなくTシャツでの歩行となる。だだっ広い賽の河原の中央部を突破し、摩利支天への分岐へ。ガスの時は注意が必要であろう。ここから摩利支天へのピストンに向かうが、あまり人が歩いていないのか、踏み跡ははっきりしないので注意。まあ、尾根をはずさなければ問題ないだろう。分岐に戻り、岩ガラガラの急斜面を五ノ池へと下っていく。五ノ池から継子岳にかけては、たおやかなハイ松の高原状の尾根が続き、気分良く歩を進める。さすがにこの辺りまでくると、あの白装束軍団は姿を消し、2、3組の正調登山者がいるのみで、昨日とはえらい違いである。継子岳からは北アの山々が眼前に展開する。特に乗鞍岳までの空間の広がりが凄い。今日になってようやくピークでゆっくりすることができ、ホッとする。
継子岳からの本峰継子岳からの本峰
 継子岳からー峰を経由し、四ノ池への急坂を下る。浮石多く、落石に注意。四ノ池は今日のハイライトであった。まわりを継子岳の火口壁がぐるっと取り囲み、池の中心部には高山植物が咲き乱れる。形成要因はまったく違うが、黒部五郎のカールとその雰囲気は酷似している。すぐには立ち去りがたく、1時間以上もこの山上の別天地でのんびりとしていた。
四ノ池にて四ノ池にて  三ノ池にて三ノ池にて
 名残は尽きぬが、三ノ池へと登り返すことにする。三ノ池は高山にあるとは思えないほど満々と水を湛え、クソ暑い中の一服の清涼剤となっている。ここから八合目の金剛堂までトラヴァース気味の下りが延々と続くわけだが、雪渓の横断が数回あるので、結構神経を使う。八合目で大休止。日なたでは休むことができないほど、今日もクソ暑い。さらに、ここより下からは樹林帯となり、ねっとりとした熱気の中をひたすら下るのみ。中の湯に着いたときには、すっかり干からびていた。
 中の湯の湯船に絶叫しながらつかったのは言うまでもない。


      

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