尾瀬

−尾瀬ヶ原と尾瀬沼、至仏山と燧ヶ岳、それぞれ明暗くっきり分かれた山行−

   

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山行概要

日 程
1990年9月23日(日)〜26日(水)
山 域
尾瀬周辺
メンバー
リカさん(♀)、りゅうじん(♀)、私
コースタイム
9/23
JR沼田駅=BUS=戸倉=BUS=鳩待峠=1:05=小山沢田代=0:25=小至仏山=0:40=至仏山=0:30=小至仏山=0:20=小山沢田代=0:50=鳩待峠(鳩待山荘)【3:50】
9/24
鳩待山荘=0:50=山ノ鼻(研究見本園1周20分)=1:35=竜宮小屋=0:20=見晴十字路=1:05=白砂乗越=0:25=沼尻=0:55=三平下=0:15=長蔵小屋【5:45】
9/25
長蔵小屋=0:20=大江川湿原=0:15=浅湖湿原=0:20=長蔵小屋【0:55】
9/26
長蔵小屋=2:25=ミノブチ岳=0:25=爼ー(柴安ー往復30分)=1:05=熊沢田代=0:45=広沢田代=0:50=御池【6:00】

記録文

 9/23 晴れ
 計7回の地獄のような乗り継ぎをこなし、『はるかな尾瀬』を目指す。特に沼田からのバスは満員で鳩待峠に着いた時には3人してフラフフ。それにしても人が多い。峠付近は車に占拠されており、こんな騒々しい峠は始めて。やっぱ尾瀬は人が多い…
 気を取り直し、至仏山のピストンに向かうが、少し歩いただけで今までの喧繰が嘘のように静かな山道になりホッとする。

日光白根山

 1888.9の三角点までは樹林帯の中を夜行ボケの体に鞭打ってひたすら頑張るのみ。ルートが三角点を巻くようになると、南側の日光の山々が展開してくる。白根山が他の山々を圧して聳えている様子が良くわかる。

すっかり山は秋色です

 周りの景観を楽しみながらゆるやかに高度を上げ、草紅葉真っ盛りの小山沢田代へ。黒々とした上州武尊がものすごい迫力で迫る。この辺りから森林限界となり青空の下、快適な稜線歩きを満喫する。小至仏山に近づくにつれて尾根は岩稜まじりとなり、滑り易い岩質のため少々苦労する。

どっしりと燧ヶ岳

 至仏本峰へは何度かニセピークに惑わされ、ヘタリぎみで到着。しかし、そんなことなど瞬間で忘れしまうぐらい、周囲の展望は素晴らしかった。目の前の燧ヶ岳と尾瀬ヶ原の定番セットをはじめ、

越後三山

 越後三山谷川巻機山

平ヶ岳をバックに

 そして、平ヶ岳など、ここぞとばかり新兵器のパノラマカメラが大活躍する。
 ゆっくりくつろいでから、下山にとりかかる。ダベリながらのチンタラ歩きで、鳩待峠に着くころには夕焼け空が広がり、観光客はほとんど姿を消し、峠は本来の静けさに戻っていた。今晩は鳩待山荘泊まり。しかし、小屋内はオバハン軍団が仕切っており、我々は何か居場所がないような感じであった。故に早々(7時)に寝た。

 9/24 快晴
 5時起床。みんな昨日の寝不足を補って余りある凄まじいまでの爆睡であった。昨日の天気予報では今日はぐずつくはずだったのに、小屋の窓からはなぜか朝日に輝いている至仏が見えた。うそー。まじっすか。

鳩待山荘をスタート

 急いで準備を整え、まだ日の当たらない峠を出発。
 早朝のひんやりとした空気の中、簿暗い樹林帯を尾瀬ヶ原へ向けて快調に下って行く。ルートはほとんど木道上を行くので、サンダルでも歩けそうである。

尾瀬ヶ原に着陸、至仏がどっしりと

 やがて前方が明るくなり、人の声が聞こえてくると、すぐ山ノ鼻である。ここではまだ尾瀬ヶ原全体は見渡せないが、今まで樹林帯を歩いてきた我々には天井が抜けたかと思うほどの解放感が味わえた。ここの山ノ鼻田代には研究見本園があるので1周する。目の前の至仏は大き過ぎてカメラにうまく納まらないほどである。

燧〜 ものすごい開放感

 山ノ鼻からいよいよ尾瀬ヶ原の縦断コースに入る。木道をズンズン進み、上田代の中央まで来ると視界が最大限に開け、遥か彼方まで湿原が続いているように見える。

周囲はずっとこんな感じ

 ド快晴の青空の下、黄金色に光っている湿原の中を歓喜を上げながら我々は進んだ。人の多さが懸念されたのではあるが、これだけ広大な風景の中では何人人がいようが関係はあるまい。

また至仏

 あまりの気持ちの良さに上田代以後、見晴十宇路までパーティを解体、3人3様のペースで行くことにする。

徐々に燧が近づいてくる

 コースタイムは縮まっているように見えるが、実際は休憩のし放題で倍以上の時間がかかったと思われる。

また燧

 写真も撮り放題で、ぜんぜん前に進まない。

お昼寝まで…

 ついには、昼寝まできめ、まさにやりたい放題である。
 それでも常に前方に見える燧ヶ岳がすぐ真上に仰げるようになるともう湿原の終点の見晴十字路である。ここでレーションにする。日差しがきつく、私などはもう顔がヒリヒリとしてきた。

 湿原を見納めてから、尾瀬沼へと向かう。これといった急登もなく、白砂乗越までだらだらと高度を上げていく。途中のイオドマリ沢の合流点はよい休憩場所になるだろう。何とか乗越まで頑張り、道が下り始めるとすぐ白砂湿原が現れる。手頃な広さの湿原で庭園のようだ。

尾瀬沼に出た

 ここからなおもゆるやかに下り、待望の尾瀬沼が見えてくれば、そこが沼尻である。蕎麦屋と休憩小屋があり、休憩小屋でランチの後、対岸の長蔵小屋へ向け沼の南岸を半周する。これが意外と長く感じる。

尾瀬沼と燧

 だいぶ曇ってきた…
 この日は結局、三平下で天気図タイムとなり、17時にようやく長蔵小屋に到着した。長蔵小屋の自炊小屋(1人1泊1700円)はバンガローそのもの。どれも定員は4人ほどで小グループには最適だろう。日没直後から雨が降り出す。

 9/25 雨後曇り
 朝から雨のため、停滞と決定。しかし昼前から雨は止んだので小屋周辺を各自好き勝手に散策。

雨の大江川湿原

 大江川湿原や浅湖湿原を散策レたり、環境庁のビジターセンターに行ったりしているうちに1日が過ぎていった。

 9/26 雨
 今日も雨が降っている… これでは停滞した意昧がないっすよ。しかし、本降りではないので燧へ向け出発する。燧新道は最初は緩やかなのだが、段々傾斜が増してくる。例によって傘をさして歩いていた私もミノブチ岳手前の急登部分で片手歩行を断念、以後前の2人と同様ズブ濡れの道を歩むことになる。
 大きなケルンが立っているミノブチ岳も早々に退散し、岩ゴロゴロの急斜面をドロドロになりながら登りきると、爼ーに着いた。目の前の柴安ーがぼんやりと見えるほかは何も見えない。とにかく止まると寒くてたまらないので、ずぐさま柴安ーに向かう。滑り易いルートに苦労しながら東北最高峰のピークを踏み、何の感慨も湧かないまま、またすばやく爼ーへ戻り、なおもすばやく写真を撮った後、下山を開始する。
 尾瀬御池までの下りはすべて泥の川と化しており、靴の中はモロに浸水して気持ちが悪い。また熊沢田代や広沢田代の雨に濡れた木道はとても滑り易く、みなコケまくる。お尻をさすりながら下降を続け、ほとんど休憩らしい休憩もとらないまま、御池までがんばった。このあと桧枝岐までバスで出て、風邪ひき寸前の体を桧枝岐温泉で温め、今日始めて一息ついたのであった。(あまりの悪天に全く写真が撮れませんでした。トホホ…)

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