恭仁京跡から三上山

−調査不足により海住山寺付近で何故かヤブ漕ぎ−

   

山行概要

日 程
2005年1月22日(土)
山 域
笠置山地
天 気
晴れ時々曇り
メンバー
単独
コースタイム
JR加茂駅=0:25=恭仁京跡=0:10=加茂神社=0:10=海住山寺=0:10=加茂神社=0:35=海住山寺分岐=0:10=鳴子川源流=0:30=三上山=0:20=平尾分岐=0:55=JR棚倉駅【3:25】

記録文

 馴染みのない山域に行きたくなり、南山城の地へ。まずはこの辺りの最高峰らしい、三上山を目指す。
 実は一年前にも同じことを考えて、地図も持たずに棚倉の駅に降り立ったのは良かったが、登山口に向かう林道を谷1本間違えて、快晴の空の下、空しく撤退するという出来事もあった。(その割には今回も事前調査が疎かだったが…)
 今回は事前に2.5万図を「山旅倶楽部」でダウンロードして行程を検討。三上山の南麓には前から行きたかった海住山寺があることに気がついたので、こちらにも寄ってくことにする。(地形図では海住山寺から三上山に直接向かう破線はなかったが、現地にいったら何とかなるだろうと、いつもの様に舐めた対応。結果的に今回も無駄歩きをすることになる…)
 京都駅から木津乗り換えで加茂駅へ。乗り継ぎがうまくいき、1時間弱で到着。駅から昔の往還らしい古い町並みを北に進むと木津川に突き当たる。

木津川

 しばし堰堤を進むが、悠然と流れる木津川の眺めは雄大で、とても市内から1時間で来ることのできる場所の光景とは思えない。
 恭仁大橋で木津川を渡る。駅からは結構遠くに見えた山並みがしだいに近づいてくる。R163を横断し、しばらく西へ回り道。と言うのも、この先に恭仁京跡があると聞いていたから。

恭仁京跡

 そこは山城国分寺(恭仁京の廃都後、国分寺として再利用されたらしい)の七重塔基壇のみが残る広場となっている。先日、広大すぎる平城宮跡に行ったばかりのせいか、こじんまりとした印象。

 地形図を頼りに山手の賀茂神社へ登っていく。一本道で迷うことはない。地形図では神社から海住山寺へと破線が続いていたが、果たして、立派な道標が海住山寺へ導いてくれた。落葉が敷き詰められた気持ちのよいトレールが続く。登り道が続き、一汗かく頃、不意に五重塔の前に出た。

海住山寺五重塔

 まさしく「不意に」という表現がぴったりくるほど周りの木々に埋もれる小ぶりな塔。聞けば、五重塔としては室生寺の次に小さいものらしく納得。

海住山寺本堂

 参拝客は私しかおらず、無理やり本堂を開けてもらい、堂内をゆっくり鑑賞。

海住山寺文殊堂

 軽快な感じのするお堂です。

加茂駅、恭仁京跡を見下ろす

 海住山寺に別れを告げ、いったん、加茂神社まで来た道を戻り、三上山に向かって登り返すことにする。
 途中の送電線鉄塔からは、今しがたうろついていた恭仁京跡を見下ろすことができる。

 加茂神社から谷を少しさかのぼる。道標はないものの、明瞭なルートが続いていた。地形図の破線では、谷を渡り、小尾根に取り付くことになっているが、この取り付きに少々苦労する。目的の尾根はすぐに分かったが,踏跡が全く見当たらない。周辺を歩き回ってみたが,やっぱり見つからないので,意を決して藪に突っ込むことに。

黄色ペンキが頼りです

 忠実に尾根を外さないように進む。何で藪こぎをやってるのか… 虚しくなる。こういう場合いつもそうだが,登るにつれて踏跡が明らかになってきて,黄色いペンキも各所に見受けられるようになる。(と言っても足下はシダ類が生い茂り,一般コースとはとても言いがたいが… 冬場しか無理ですね。)

 久しぶりに地形図と睨めっこしながら進むこと約20分でこれまでの支尾根からより顕著な尾根に出た。すると立派な遊歩道に合流し,道標には海住山寺の文字が… 海住山寺のピストンと今さっきの藪こぎは無駄になった。(後で調べたら,海住山寺から三上山に抜けるコースを紹介しているガイドがあった)
 神童子に抜ける尾根道と別れ,北へ下る。すぐに林道の通う谷に出合う。この谷が鳴子川源流でしばらく谷に沿って下る。この辺りは「山城町森林公園」として完璧に整備されている。もう1本谷道が合流するところで山頂へ向かう「山頂の道」の分岐が現れ。ここから登り返しとなる。まったく今日は降りたり登ったりの繰り返しで異様に疲れる。調べてない自分が悪いのだが… 階段状の急登が続き,一気にスローダウン。何か今日はモチベーションが上がりませんね。足を引きずるように進むと頂上直下で車道に出くわし,またもやガックリ。

三上山の山頂には立派な展望台が…

 少し進むと林道終点となり,ピークは歩道を少し進んだところ。変に立派な展望台がピークを占拠しており,何か落ち着かない。それでも展望台の上に立って周囲の展望を味わう。

笠置山(中奥)

 車で安直に登ったのが10年前。下からきちっと登ってみたいです。

恭仁京が遥か眼下に

 あんなに遠くから、手前の前山を越えてやって来ました。しんどいはずです。
 下山方向を見下ろすと,JRの走る平野部は遥か彼方でゲンナリくる。先ほどの林道へ戻り,今度は「かいがけの道」に入る。

「かいがけの道」を高速巡航

 急な箇所はほとんどない下りやすい道。走るように下り,またもや車道に合流してすぐに平尾への道標が現れる。地形図ではここから駅近くまで尾根道が続いているので,車道歩きよりはマシとこちらに進む。

手入れの行き届いた竹林を往く

 最初は雑木林の中を,次第に良く手入れのされた竹林の中を進む癒し系の小道。このまま気持ちよく今日の歩きは終了と思ったが,地図にない車道がいきなり現れ,何も考えずに車道を直進したら,大きく南(左)にそれてしまい,あれよあれよと言う間に神童子集落入口まで出てしまった。

神童子集落付近からの三上山

 当初の目論見は大きく外れ,棚倉駅まで大きく南から回りこむことに。タルい車道歩きが延々と続き,まともな食事をとってなかったこともあり,最後はもうヘトヘト。おまけに駅に着く直前に京都行の電車を発見し,ダッシュでホームに駆け込むというフィニッシュとなった。

参考タイム

1/22JR加茂駅 10:0510:30 恭仁京跡 10:3510:45 加茂神社 10:5011:00 海住山寺 11:1511:25 加茂神社 11:2512:00 海住山寺分岐 12:0012:10 鳴子川源流 12:1012:40 三上山 12:5013:10 平尾分岐 13:1514:10 JR棚倉駅

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