−大峯主脈前半部の双璧を日帰り縦走−
山行概要
2017年9月9日(土) | |
大峰山脈 | |
晴れ時々曇り | |
単独 | |
母公堂=0:15=清浄大橋=0:30=一本松茶屋=0:25=お助け水=0:15=洞辻茶屋=0:30=西ノ覗=0:10=山上ヶ岳=0:25=レンゲ辻=0:30=山上辻=0:10=稲村ヶ岳・大日山鞍部=0:10=大日山=0:05=稲村ヶ岳・大日山鞍部=0:10=稲村ヶ岳=0:15=山上辻=0:55=法力峠=0:35=母公堂【5:20】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
先週に引き続き、この週末も爽やかな好天が約束された。こうなるとまたもや足がムズムズとしてくる。
残念ながら日曜は仕事があるので、土曜日を丸一日楽しもうと、前日の金曜日から枚方の実家に乗り込む。
いつも行先に悩むが、山上ヶ岳と稲村ヶ岳の間がつながっていないのと、両山とも過去の登頂時は悪天だったことから、今回はすんなりと決まった。
3時に起床し、すぐに出発。R24からR309と、ずっと下道を行くが、この時間帯なので、2時間で洞川温泉に到着。
2年前の冬に、大和上市から洞川まで、馬鹿げたオーバーナイトハイクをやって以来の洞川である。
今回予定している周回コースの起点となる母公堂へは、温泉街を抜けてそのまま車道を進み、5分ほどで到着。
母公堂(ははこどう)は、大峯山で修行する役小角を心配した母がこの地に庵を結んで息子の帰りを待ったことに由来し、お堂前には、5、6台が駐車できるスペースがあり、1日500円で駐車できる。
6時前にスタート! まずはそのまま車道を進み、清浄大橋を目指す。
15分ほどで、大駐車場のある清浄大橋。駐車場を管理している売店は既に営業している。ちなみにここの駐車料金は1000円だったので、母公堂に停めたのである。
ここには女人結界があり、この先は男しか進めない。結界門をくぐって山上ヶ岳への参詣道に入る。2年前は雪が舞う激寒だったけど、当たり前だが、今日は早朝の爽やかな陽気が漂っている。
洞川から山上ヶ岳へのメインルートらしく、幅広かつ、傾斜はゆるやかで、物凄く歩きやすい。
行者さんの姿もちらほらと… 「よう、お参り!」の掛け声が懐かしい。
あっという間に、一本松茶屋を通り抜け、お助け水に到着。
旨い水がコンコンと湧いており、思わずガブ飲みしてしまう。
水場の横にお地蔵さんがいるはずだったが、何と最近何者かに持ち去られたらしく、返却を訴える貼り紙がしてあった。どうせまた韓○人辺りの仕業だろうが、ホンマにひどいことしますね。
最後まで歩きやすい道は変わらず、快調に洞辻茶屋に到着。2年前は周囲は霧氷で真っ白で、疲労と寒さとで山上ヶ岳を断念した因縁の地である。
既に標高1500mを超えており、標高差的にはあと200mということで、気が緩んだが、ここから行場となり、一気に険しくなるので、油断は禁物である。
延々と急斜面に続く階段をこなすと。油こぼしと呼ばれる鎖場が現れる。
ここを慎重に突破すると鐘掛岩。
鐘掛岩の基部からの展望は雄大。岩頭へは長い鎖が垂直の岩場に垂れ下がっているが、私は行者ではないので…(笑) いったん下り、ゆるやかに登り返すと、西ノ覗に着く。人の声で賑わっているなと思い、近づいてみると、10人くらいのオッサンらが順番に覗の修行中であった。
見ているこちらも怖くなる光景である。リーダーらしいオッサンから「これをやらな、山上ヶ岳に登ったことにならへんで!」とけしかけられるが、私は行者ではないので…(笑)
西ノ覗を過ぎると、参道の両側には宿坊が現れ、もう境内に入った感じである。
山門前の最後の石段を登る。
最後は趣ある石段を登り、大峯山寺に到着。車道の通わない1700mを超える立地とは思えない広々とした境内に、豪壮な本堂が建つ。
社会人1年目の平成3年のGWに大峯奥駈道の北半分をやって以来、26年振りの再訪である。その時は、冷たい雨に打たれ、寺の軒下で震えながら昼食を取った記憶しかない…
参拝後、ありがたく御朱印をいただき、三角点ピークへ向かう。境内の広場から、レンゲ辻、稲村ヶ岳へのルートへ入り、少し登ると、「お花畑」と呼ばれる草原となり、左手の高みへ向かう踏み跡を拾って少し登ると、樹林帯の中に、「湧出岩」という聖蹟があり、三角点はその傍らに置かれていた。
展望は全くないので、すぐに「お花畑」に戻る。これから向かう、真正面の稲村ヶ岳が素晴らしい。背後にさらに高い山並みが見える。最高峰の八経ヶ岳と弥山と思われるが、雲がかかっており、はっきりと見えないのが残念。
稲村ヶ岳へ向かう。間のギャップの深さから、かなりキツそうだとは予測できたが、宿坊へ戻る踏み跡を右に分けると、一気の下りが始まる。
急なうえに、踏み跡は細く、ところどころ足元が笹で覆われている箇所もあり、スピードを上げられない。慎重に下る。急な階段も何度か現れ、岩場を次々とやり過ごす。西ノ覗があるような急峻な山上ヶ岳の西面を下るのだから、当然かもしれないが、山上ヶ岳〜レンゲ辻間は、けっこうな難路なので、要注意です。
最後まで急降下が続き、転がり落ちるようにレンゲ辻に到着。清浄大橋に下るレンゲ坂谷ルートが右に分岐するが、そのまま女人結界をくぐり、稲村ヶ岳への稜線を進む。
ここからのルートは、多少は穏やかになる。稜線沿いと思いきや、稜線の少し下を巻くように進むので、アップダウンは抑えられており、沢の源頭を巻く箇所で、滑落注意の部分もあるが、何のことは無い。
山上辻に近づくにつれ、道の整備状況が良くなり、周囲の森は新緑かと思えるほどの鮮やかさで、気分も盛り上がり、快調に進む。大日山の尖峰がどんどん大きくなってくる。
山上辻に到着。これで、山上ヶ岳〜稲村ヶ岳が繋がった! 山上辻には、稲村ヶ岳山荘と立派なチップ制のトイレが建つ。山荘は週末なので営業するはずだが、小屋番さんは不在のようだ。
大日山と稲村ヶ岳のピストンに向かう。環境保全のため、ここから先は、食事すら禁止とのこと。
整備されたトレイルが、大日山の岩峰目指して伸びる。岩峰の基部まで、特に険しい箇所はなく、岩峰の東側を巻き、稲村ヶ岳と大日山の鞍部に到達。
ここから大日山を往復する。さすがに尖峰そのものの登りのため、かなりの急傾斜で、梯子と鎖場が連続する。特に危険な個所はないが、古い木の梯子が朽ちかけているところは要注意である。
大日山の山頂には、祠が建つのみ。展望もなく、尖峰の頂にいる実感は全く味わえないので、そそくさと鞍部に戻り、稲村ヶ岳へ。
稲村ヶ岳も、切り立っているピークの東側をいったん巻いて、南側から山頂への最後の登り。
稲村ヶ岳も22年振りの登頂。頂上の展望台はその時と変わっていなかった。
前回は、ガスで真っ白だったが、今日は違う。山上ヶ岳を正面に望み、北には金剛山脈が連なる。金剛山をはるかに見下ろすことができるのは、さすがに大峯ならではである。
満足して帰路へ。登りの時には気づかなかったが、稲村・大日鞍部の手前からは、大日山の尖峰が手に取るように望むことができる。
満足して山上辻に戻り、「高橋横手」と呼ばれる、法力峠までのトラヴァース道を下る。女性も登れる人気の稲村ヶ岳らしく、ルート整備はばっちりで、急な箇所もなく、鼻歌混じりで下る。下から次々と登ってくる。いつも思うが、既に11時で、もう少し早く登った方が良いのに…
あっという間に法力峠。スタート地点の母公堂は、もうすぐ先だ。五代松経由で洞川に下るルートを左に分け、母公堂に一気に下る。
出発時は私を入れて2台だった車は、6台になり満車になっていた。
2年前にも母公堂の堂守さんにコーヒーをご馳走になったが、今日も駐車料金を払うと、コーヒーを出してくれた。
林道の奥から、けたたましくサイレンが鳴り、救急車やパトカーが数台、洞川へ急行していった。どうも、山上で滑落者が出たらしい。さすがに大峯、舐めないようにしなければ…
いつも洞川温泉に入るのも芸がないので、下市温泉に入ることにし、洞川を素通りする。
途中の長谷という集落に、丹生川上神社下社があるので、迷わず立ち寄る。
丹生川上神社下社は、日本最古の水神を祀る社で、この社に雨を祈り黒馬 晴を祈り白馬を献ずることが絵馬の起源となっていて、実際に境内には、白黒の馬が神馬として、放されている。
拝殿は、正面5間側面2間の入母屋造平入で、文久3年(1863年)の天誅組討伐の兵火に罹ったが、明治34年(1901年)になって復建された。
本殿は、拝殿から屋根を架した70段あまりの階段を上がった場所に建ち、三間社流造。拝殿と同じく天誅組事件で灰燼に帰したため、明治18年(1885年)に修築された。
そして、下市温泉「明水館ごんたの湯」へ。残念ながらサウナ故障中だったが、17℃の源泉温度のままの冷泉があり、熱湯との繰り返しの温冷交代浴で、疲労回復に努めた。
帰路は枚方までの長い地道ドライブ。何とか睡魔に襲われることもなく、16時には帰宅した。
参考タイム
9/9 | 母公堂 5:50 ⇒ 6:05 清浄大橋 ⇒ 6:05 ⇒ 6:35 一本松茶屋 6:35 ⇒ 7:00 お助け水 7:05 ⇒ 7:20 洞辻茶屋 7:25 ⇒ 7:55 西ノ覗 8:00 ⇒ 8:10 山上ヶ岳 8:25 ⇒ 8:50 レンゲ辻 8:50 ⇒ 9:20 山上辻 9:20 ⇒ 9:30 稲村ヶ岳・大日山鞍部 9:30 ⇒ 9:40 大日山 9:40 ⇒ 9:45 稲村ヶ岳・大日山鞍部 ⇒ 9:45 ⇒ 9:55 稲村ヶ岳 10:15 ⇒ 10:30 山上辻 10:30 ⇒ 11:25 法力峠 11:25 ⇒ 12:00 母公堂 |
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