−ドライブウェイを横目に笹のブッシュと格闘!−
山行概要
2006年11月4日(土)〜5日(日) | ||
石鎚山脈 | ||
単独 | ||
コースタイム | 吉居川林道登山口=0:45=宿=0:20=丸山荘=0:45=笹ヶ峰=1:00=寒風山=0:30=桑瀬峠=0:55=伊予富士=0:30=東黒森=1:15=神鳴池=0:35=西黒森=0:45=瓶ヶ森(女山)=0:35=白石小屋【7:55】 | 白石小屋=1:10=シラサ峠=0:35=よさこい峠=0:50=土小屋=1:40=石鎚山=1:35=二ノ森=1:00=堂ヶ森=1:30=保井野登山口【8:20】 |
記録文
11/4 晴れ
5時にタクシーを予約。西条の水道水、名水「うちぬき」を詰めてから宿を出る。車は宿に置かしてもらった。
単独行の勝手気儘さの代償として、タク代は8000円(涙)。しかも、運ちゃんは最近タクシーに乗り始めたばかりとのことで、ダートの林道に入ってからは超スロー運転。途中で代わろうかと思ったくらいだった。
真っ暗闇の登山口を焦り気味で出発。そう、今日の予定コースはエアリアマップで10時間を超えるロングコース。軽量化のためテントは持ってないので、瓶ヶ森の白石小屋まで何としても歩きとおさねばならないのだ。
水の音から沢に沿って歩いているようだが、良く分からない。へドランの灯りを頼りにがむしゃらに登り続けるが、足の節々が痛い。昨日もそこそこの距離を歩いている。こんなんで大丈夫か?
一息つける休憩ポイント。地図では西山越に向かう分岐と水場が記されていたが、暗くて良く分からなかった。
宿からはゆるやかな登りが続く。もうライトは不要になった。散りかけの紅葉の森を愛でながら先を急ぐ。
四国の山にしては、かなりの規模の山荘。背後には笹ヶ峰の笹スロープが広がる。
人の気配はするが、朝早いので邪魔したら悪いと思い、中には入らなかった。
森の中を僅かに登ると、すぐに笹の斜面の登りとなる。日が当たる前の北斜面は、遮る物がないのでとにかく寒かった。足元の笹は霜で真っ白。少し登りで、丸山荘は遥か下方に沈んだ。対斜面の沓掛山もこちらと同様、笹のスロープが気持ちよさそうだ。
足元の笹が結構うるさく、霜と露とで冷たくて悲惨なので、途中でストームクルーザーの下を装着。以降、私はこの笹ブッシュに悩まされ続けることになる。
主稜直下でようやく「日の出」。あー寒かった。
今日も好天に恵まれた。さすがに「笹」ヶ峰だけあって、展望を遮る物はピーク上には見当たらない。
結果的に笹ヶ峰から赤石山系までが未踏地帯となってしまった。中途半端感は否めない。特にちち山はいつか必ず登ります。
左手前の尖峰が寒風山、その奥のギザギザが伊予富士。稜線をたどって右奥が瓶ヶ森。今日はあの山の向こうまで行かねば。遠い…
写真では整備されているように見えるが、刈り込みの幅が狭いので、雨具無しでは早朝は歩けない。足元も見え辛い。僕は昔、同じような状況の屋久島は永田岳直下でひどい捻挫をやってるだけに、トラウマでスピードは全く上がらない。まして単独行ではなおさらだ。
快適な稜線歩きが楽しめそうに見えるのですが… 惜しい!
笹ブッシュに悩まされたが、寒風山自体はさほどの登りもなく、あっけなく攻略。
左から、伊予富士、東黒森、自念子ノ頭。多少は近づいたようには見えるが…
風格十分。やっぱりいい山です。寒風山は笹ヶ峰を眺めるのに最適の場所にある。
寒風山の南側はかなり急峻。梯子が連続するが、笹に悩まされるより遥かにまし。きっちり整備されているので、危険はない。
けっこうな所を降りてきたように見えるが、何の問題もなかった。
再び笹のスロープが現れると桑瀬峠は近い。峠周辺は林道からすぐ登ってこれるので、人が多い。団体のツアー軍団をやり過ごすのは、ホンマにうっとおしいが、ルート整備はばっちりされているので、笹ブッシュに悩まされることはない。
思わず転寝をしてしまいそうな笹のスロープと11月とは思えない陽気。林道を使えば50分でここに来ることができるのだ。今後子どもと来ようかな。
目指す瓶ヶ森はこの山の背後に隠れている。この西黒森越えが本日の正念場となった。
伊予富士へ向かう。やはり道は整備良好。こうなるとゆるやかな笹尾根の縦走を心ゆくまで満喫できる。
峠から少し登って振り返ってみると、寒風山、笹ヶ峰、ちち山が一線に並ぶ。
鷹ノ巣山への支尾根を分けると、伊予富士が真正面に。縦走したので、この山をいろんな角度から眺めることができたが、正直なぜこの山が「富士」と呼ばれるのか良く分からないが、山ひだが印象的な山容に、私は一発で気に入ってしまった。
登るのがもったいない。思わず見とれて歩くのを止めてしまう。
見た目が素晴らしい山は大抵登りもエグい。この山も例に漏れず、直下はものすごい急登。
まだ先は長いのに、ここでだいぶ足をつかってしまった。
笹ヶ峰方面。息せき切って登りついたピークでは予想通り、最高の展望が迎えてくれた。
右奥が東黒森。すぐ左が瓶ヶ森。その左奥には石鎚の姿も。
尾根は平坦そうだが、まだまだ距離感はけっこうあり、げんなり。
ピークは軽装の登山者で賑わっていたが、どうもほとんど全員が私とは反対側から登ってきているようだ。こちらは林道からさほどの登りもなくたどり着くことができるらしい。
それにしても、こんなにいい山を林道からのピストンだけじゃあ、あまりにもったいないですよと思うが、まあどう登ろうと自由ですからね…
左端が次の目標東黒森。右奥石鎚山の手前に突起した岩峰は子持権現山。
林道への分岐を分けると、途端に道が悪くなる。やはり林道が併走している縦走路など、誰も歩かないのか。疲れが出始めた後半戦にこれはきつい。
ブッシュを掻き分け過ぎて腕が疲れた。
伊予富士は、登るときに見た姿をちょうどひっくり返した感じで横たわっている。
瓶ヶ森(中)を長距離射程ながらロックオン。それよりもその前衛の西黒森の尖り具合が気になる。
なおもブッシュが続く。途中、瓶ヶ森から縦走してきたオッサン2人組とすれ違うが、「この先もブッシュや」の一言に、予想はしていたが、モチベーション急降下。足元全く見えないので、摺り足で慎重に下降。
東黒森と自念子ノ頭の鞍部前後は林道が稜線直下を進むため、登山路は無く、車道を進まざるを得ない。次々とやってくる車の人たちに奇異の目で見られる。非常に屈辱的。
100mほど車道を歩き、再び山道へ。笹ブッシュとの格闘も再開。気がつけば自念子ノ頭を巻いてしまっていたが、このブッシュ地獄の中では登り直す気力はもう残っていなかった。
手前は子持権現山。明日は本当に石鎚まで歩けるのか? さすがに体も消耗してきたので、どんどん弱気になる。
踏み跡はしっかりはしているが、ご覧のとおり、足元は全く見えない。すぐに靴紐は解けるわ、ズボンにはひっつきむしが付きまくるわでもうワヤである。景色は申し分ないのだが…
見た目は完全にロケット状態。疲れ切った体でこれを登るのか…
しかもこのピークを前にして非情にもかなり下る。
またもや車道に出合い、ここで一息入れる。神鳴池は半分枯れて、笹で埋まっていた。
笹薮のおかげで超頻繁に靴紐が解けるもんだから、しばらくほったらかしで歩いてたら、靴の中は枯葉でぐちゃぐちゃだった。
意を決して、ロケット越えに向かう。腰を据えてスローペースで頑張る。
ここまでは、見た目ほどの登りはなく、少々拍子抜けの感じ。このままピークまで押し切れれば…
伊予富士(左)と東黒森(中)が、もう結構な遠さに。スローペースながら、よく歩いてきました。ブランクの割には良くやったと自己満足。
縦走路はピークを巻いている。相当疲れているが、この立派な尖峰をパスする訳にはいかぬ。標識に従い、ザックをデポする。ここからが尖峰の真骨頂。物凄い急登だ。
長丁場なので、今日は足を大事に使わないようにしてきたが、終盤を迎え、もう気にする必要は無い。ここでリミッター解除。一気に突き上げる。
息も絶え絶えで到着。寝不足と疲れとで座っていると居眠りしそうになる。
縦走路まで戻るが、超急峻な下降に足の踏ん張りが利かない。太ももがピクピクする。情けない…
西黒森と瓶ヶ森との鞍部南側一帯は、吉野川源流(白猪谷)とのこと。
紅葉の森が広がっているが、少し目を手前に向けると、またしても車道が…
やっと、やっと今日の目的地が目の前に。源流碑の立つ鞍部から、いよいよ今日最後のバトル(登り)が始まる。
ここに来てさらに車の騒音が激しくなり、気を削がれるが、最後のスパート。あっと言う間に背後の西黒森と肩を並べる高みまで到達。
広大な笹原の氷見二千石原と石鎚山。四国の山を代表する景観がようやく目の前に。
広潤すぎるピークは大勢の人で賑わっていた。みな軽装ですぐ下の駐車場から登ってきたようだ。地元松山から来たと言うグループの一人に話しかけられ、「笹ヶ峰から来た」と答えたら、「それってどこですか?」と聞かれてしまった。そのグループ全員笹ヶ峰を知らなかったようだ…
今日予約している白石小屋へは、女山から直接下ったほうが早いのだが、やはり男山は踏んでおきたいと言う訳で、しばらく稜線を進む。
男山から振り返る女山はボリュームたっぷり。狭いピークには信者用の小屋が建っている。
駐車場への下山路をしばらく進み、駐車場に出る直前で「氷見二千石原」の標識に従い、反転。
すっかり日は大きく傾いた。今日1日の歩みを反芻しながら、気持ちの良い笹原をのんびり巡航。
東面はけっこう急峻な地形だった瓶ヶ森だが、こちら側は恐ろしく平坦。氷見二千石原はほとんどアップダウンらしいアップダウンなし。
笹原から森に入ると僅かで小屋に到着。あ〜長かった。太ももやふくらはぎの筋肉は何とかもったが、足の裏のダメージがひどい。足裏全面がずれた感じ。痛くてたまらん。明日が非常に不安だ。
今日の泊まりは私の他に4人パーティが2組。結構大きな小屋のうえに、個室をもらったのでかなり快適である。少々早いが、他にやることもないので、いつもどおりの粗末な夕飯(アルファ米、カレー、ソーセージ等)をとる。ビールが売ってあり、感激。今日は我ながら良くがんばった。誰もいない自炊スペースで一人祝杯を挙げた。
夕食後、小屋周辺を散策。石鎚の夕暮れに明日の好天を確信。
小屋に戻ると、小屋番さんが声をかけてくれる。何と「風呂に入れ」とのこと。湯冷めしたら嫌なので、遠慮していたら、「今、薪で焚いているから、ぜひ」とのことで、ありがたく頂戴することに。湯船には下駄を履いて入りました。窓の外から「湯加減どうですか?」と声を掛けていただく。薪が燃える匂いに包まれながらの何とも贅沢なお風呂でした。
そして、ぽかぽかの体で何と18時過ぎには就寝。これも単独行ならではか。小屋番さんは湯たんぽを用意してくれました。爆睡。
11/5 快晴
4時半に目が覚める。目覚ましは5時だったが、自然と目が覚めた。いつもの私なら奇跡的な快挙だが、要は早く寝ただけのことだ。10時間近く寝ることができたのは、体力的にももちろんだが、精神的なアドバンテージも大きい。
昨日のアルファ米の残りでお茶漬けを食べる。これもいつものメニュー。今日の予定は、とりあえず12年振りの石鎚。その後の行程は石鎚山頂で決めるという何とも単独行らしい大雑把なものだ。できれば石鎚山系bQの二ノ森も踏んでみたい。と言う訳で、この日も日の出前に出発。
昨日歩んだ道を男山分岐まで戻る。分岐からすぐに登山口の駐車場。遥か石鎚のシルエットがぼんやりと確認できる。しばらく車道を進み、大きく左にヘアピンする所で、登山道に入る。
特徴的な子持権現山のシルエットを正面に見据えながら、登山道へ。早速、笹ブッシュとのお付き合いが始まる。昼間はともかく、夜露たっぷりの早朝は辛すぎる。
勿体ないほど高度を下げ続け、子持権現山の基部へ。ピークへは約70mの鎖場が待っているが、この暗闇ではちょっと… 先を急ぐ。足元の見えない中のヘドラン歩行でペースが上がらない。心配していた足の裏は何とか異変無くきている。
シラサ峠の直前でようやく日の出を迎える。ちょうど太陽を遮る所にだけ雲があって、少なくとも20分位は日の出が遅れた。
朝日をモロに受ける石鎚山。モチベーションがグッと上がる瞬間。でも、結構遠いな〜
山荘しらさ前で休憩。人の気配全くなし。それしても晴天のおかげで、朝の冷え込みがきつい。ゆっくり休憩は不可能。
またも忌々しい車道歩きをしばらくこなし、伊吹山手前で登山道へ。
瓶ヶ森方面を振り返る。サイコーの好天に今日はサイコーの日になる予感が確信へ変わる。
この辺りのブッシュはまだましだった。正面に筒上山を見据えながらの快適縦走。この山もいつか登りますよ。
よさこい峠の手前から。誰が何と言おうとやっぱり「名山」です。見とれて動けない。
よさこい峠には小屋が建っていたが、ここも人の気配はなかった。それより、峠に立っていた観光案内の看板に、今回の縦走で稜線と並走し、何度も煮え湯を飲まされている林道瓶ヶ森線の愛称が「UFOライン」となっているのを見、口あんぐり。愛称の由来、誰か教えてください。
またもや車道歩きを余儀なくされる。岩黒山を正面に見ながら、トボトボ進む。でも、笹ブッシュ歩きよりはマシに思えてしまう。
名野川越の辺りで登山道の入口があり、また笹とのお付き合い。
しかし、すぐ目の前に車道が見えるのに、ブッシュと格闘する俺って… 素直に車道を歩いたほうが早いしラクなのだが、ここまできたらもう意地だけで山道を進む。
露でビショビショになって、土小屋に飛び出す。周囲の登山者は、晴天なのに雨具装備の私を見て不思議がっていた。
3時間前にいたとは思えないほど、瓶ヶ森は遥か彼方へ… 全般的に平坦な縦走路なので、思ったより距離は延びる。
さて、ここからのルートは当然ながら、激良。ここまでの間、人を見るのはマレだったが、ここでは各地で行列が生じている。
南尖峰から、天狗岳、弥山へと続く石鎚の頂稜。伊予富士から微かに見えた頂が、もう手の届くところに。
一歩ごとに姿を変えていく石鎚の姿に、私は完全にイッてしまった。
東稜基部で稜線通しの点線ルートが分岐するが、南尖峰の見栄えもエグかったこともあり、今回は自重。後で調べたら、さほどのコースでもないらしい。もう少し事前に調べときゃ、こっちに向かったのになあ…
東稜基部で、尾根通しのルートから、北壁直下をトラヴァースするようになる。景色は相変わらず凄いが、落石が怖い。
ここで、成就社から12年前に登ったルートと合流。
さらに人影が増え、渋滞発生。最近の非常識すぎるジジババ集団に先を譲るということを求めるのは酷なので、どれだけ嫌な顔をされようが、かまわず横をすり抜ける。傍目には非常識なのは完全に私なんだろうな〜 と言う訳で二の鎖はパスし、巻き道の階段を進む。
渋滞は解消されたので、ここで鎖にチャレンジ。
67mの鎖場はそれなりに緊張する。足場が乏しい箇所は、鎖の輪っかに足をこじ入れて登るが、当然ながらグラグラ揺れて不安定この上ない。垂直の岩場でのグラグラ状態は結構こわい。最初は余裕をかまして登っていたが、さすがに顔が引きつった。
しかも、この写真に写っているピンクのおばさんだが、果敢に挑戦したのはいいが、完全にこの岩場はオーバースペック状態。2度ほど落ちかけ、その都度下から登る我々にも緊張が走った。
思わず吸い込まれる一時。写真を撮るのも怖かった。
登りはいいけど、これを下るのはちょっと… ここを突破すると直接、弥山のピークに飛び出す。
定番の光景。10時過ぎの到着で、ゲームプランどおり来たこともあり、すぐに欲が出てくる。
とりあえずは、腹ごしらえと言うことで、ササッとラーメンを作る。やはり我慢できず、山頂小屋でビールを調達。どちらに進むにしてもまだまだ先は長いのに、やっぱり飲んでしまった。しかし、これほどの展望を前に飲まずにはいられないでしょう。
極上の景色を前にしてのビールはホンマに最高! 12年前もここでは快晴だったな〜 昨日の赤石山系もそうだったし、この山域との相性はどうやら良いらしい。
左から二ノ森、クラセの頭、堂ヶ森と連なる様子は壮観。
ここはもう一頑張りして、こちらに向かうか。コースタイムであと4時間余りが必要で、足裏の痛みは極限に達しつつあるが、酔いも手伝い、何とかなるやろといういい加減な判断で、コース決定。完全に遭難予備軍のやり口である。ケータイで保井野登山口15時半でタクシーを予約する。
三の鎖の巻き道を下る。三の鎖上り口すぐ直下の分岐を左に取り、縦走路へ。そしてすぐに面河渓への分岐があるのだが、やっぱり酒気帯び歩行の影響か、気がつけば思いっきり面河コースに吸い込まれていた。どんどん稜線が離れていくので、さすがに不審に思い、地図を見てガーン。
景色の良さに地図を全く見てなかったのだ… 泣きながら登り返し、分岐を発見。標識もしっかりあるし、何の変哲も無い所だが、完全に見落としてしまっていた。
気を取り直して、縦走再開。メジャールートを外れたので、またもや笹ブッシュを予想していたが、意外にも笹の刈り払いは完璧だった。故に、足元を気にすることなく、極上の縦走を満喫。このコース、最高です。柔らかな笹尾根の中、形を徐々に変える二ノ森や石鎚の姿を常に眺めながらの至極の縦走が満喫できる。
縦走路はゆるやかに反時計周りにカーブする。ピークは巻いている西ノ冠岳はコルからピストンが可能なようだが、残念ながら踏み跡は発見できなかった。
弥山の頂上小屋がいかに狭いところに建っているかが良く分かるアングル。
南壁がほぼ正面のアングルに。さっきとは完全に別物。同じ山とは思えない。
平坦で快適すぎる縦走路だが、二ノ森の直下はそれなりの登りが待ち構えている。トップライトで輝く笹原の中、久方振りにギアを上げて登る。
結構余裕で到着。しかし、ここで登りはほぼ終わったとの安心感からか、疲れがドッと出てきた。
堂ヶ森へ向けて、ゆるやかに下る。笹のスロープはなおも続く。
少し下った辺りから。この山が一等三角点百名山だったと家に帰って初めて知りました。登っておいて良かった。
左のピークはクラセの頭。こんなに気持ちの良い縦走は久しぶりだ。
果てしなく続く笹原と青空に昇天!
しかし、またしても展望に見とれすぎて、気がつけばクラセの頭を巻いてしまっていた。
特徴的な堂ヶ森の山容がゆっくりと近づいてくる。しかし、平易なルート故に、足裏の痛さがぶり返してきた。足さえ何ともなければ天国なのに… 歯がゆすぎる
鞍部からの最後の登りも全くペースが上がらない。まあ、久しぶりの山だし、こんなもんか。
左から、西ノ冠岳、石鎚山、クラセの頭。
大きな反射板が立つピークは、ルートから分岐を少々行った所。大展望はもうすっかり堪能した私だったが、石鎚はここが見納めなので、ゆっくりと展望を味わう。
さあ、いよいよ長かった縦走も、後は下るのみ。既に足裏の皮はズル剥け状態で、一歩ごとに激痛が走る状況。笹の急斜面を泣きながら下る。急坂だけあって、ヘロヘロ下りでも、振り返る堂ヶ森はあっと言う間に遥か頭上へ。
長い長い付き合いだった稜線とはここでお別れ。長く(そう感じた)、急な下り坂が続く。情けないことに足裏の痛みから一歩ごとに声を上げてしまう。他に人がいないから良かったが、傍から見たら完全にイッた人である。
余裕をもってタクシーを予約したはずだが、結局、約束どおりの時間になってしまった。タクシーにしてホンマに良かった。この状態ではバス停までとてもあと1時間歩くことはできなかっただろう。
もう1歩も歩けない。バテというより足裏の痛みが原因だが、いずれにしても情けないことこのうえなし。
伊予小松駅へ。料金は6800円也…
渡線橋を渡るのも一苦労。車の待つ西条へは、予讃線の鈍行で2駅。電車を待つ間、夕暮れのホームにぼんやり座り込む。充実の縦走が終わった。
参考タイム
11/4 | 吉居川林道登山口 6:05 ⇒ 6:50 宿 6:55 ⇒ 7:15 丸山荘 7:20 ⇒ 8:05 笹ヶ峰 8:15 ⇒ 9:15 寒風山 9:20 ⇒ 9:50 桑瀬峠 10:00 ⇒ 10:55 伊予富士 11:10 ⇒ 11:40 東黒森 11:40 ⇒ 12:55 神鳴池 13:05 ⇒ 13:40 西黒森 13:45 ⇒ 14:10 吉野川源流 14:15 ⇒ 14:35 瓶ヶ森(女山) 14:45 ⇒ 15:20 白石小屋 |
11/5 | 白石小屋 5:35 ⇒ 6:45 シラサ峠 6:55 ⇒ 7:30 よさこい峠 7:35 ⇒ 8:25 土小屋 8:35 ⇒ 10:15 石鎚山 10:45 ⇒ 12:20 二ノ森 12:35 ⇒ 13:35 堂ヶ森 13:45 ⇒ 15:15 保井野登山口 |
山行データへ
諸国名山探訪
Copyright(C) Hiroshi Fujita All right reserved