−息子と北八ツ彷徨。癒しの森と池の山旅を満喫−
山行概要
2008年10月12日(日)〜13日(祝) | ||
八ヶ岳連峰 | ||
私、息子 | ||
コースタイム | 麦草峠=1:40=茶臼山=1:00=縞枯山=0:55=坪庭=0:50=七ツ池=0:15=北横岳=1:20=亀甲池=0:35=双子池【6:35】 | 双子池=1:05=雨池=0:30=八柱山=0:25=雨池=1:10=麦草峠【3:10】 |
記録文
10/11 曇り後晴れ
天候の回復を待って、1日ずらして決行。13時過ぎに京都を出発。今日は諏訪湖の畔で寝るか。上諏訪温泉には順調に17時前に到着。車外に出るとけっこう寒い。息子は京都との温度差に驚いていた。
大理石の千人風呂が豪壮な片倉館で、のんびりと入浴。
湖畔の公園に車を止め、車内で嫁が作ってくれた弁当を食べ、早々に寝た。
10/12 晴れ後曇り
4時に起きる。寒くてたまらん。車の窓は真っ白で、なかなか曇りがとれず、出発に手間取る。
麦草峠まで一気に上る。満天の星空の下、八ヶ岳のシルエットが浮かび、本日の好天を確信。しかし、麦草峠へのワインディングで息子はグロッキーに…
茶水池畔を通り、雨池への分岐を右に分け、深い針葉樹の森に分け入る。
大石峠まではゆるやかな登りだが、峠を過ぎると、いよいよ急登が始まる。車酔いの息子は絶不調で先が思いやられる…
ここでいったん展望が開ける。すごい快晴!! 天狗岳が見えるが、まだ赤岳、横岳といった主峰群は見えない。
ゆるやかに下った後、茶臼山まで登り返す。
縦走路から少し西にそれた所は樹林が切れており、展望は思いのまま。
八ヶ岳の主峰群がすぐ眼前に。
南アルプス方面。左から北岳、甲斐駒、仙丈。
はるか北アルプス方面の大観。どっかと腰を落ち着けてしまったが、気を取り直して縞枯山への縦走へ。
ところどころトレードマークの縞枯地帯が現れる。
茶臼山〜縞枯山の中間辺りに展望台の案内があり、標識に従い、右折し、岩ゴロゴロの斜面を頑張ると、またもや素晴らしい展望が広がる。
さっきの茶臼山は西〜南側の展望のみだったが、こちらは西側も望める。浅間山もバッチリ。
中央アルプス〜御岳方面。
縞枯山に近づくほどに、縞枯地帯が頻発。いよいよ縞枯山の本領発揮。
残念ながら、展望はなし。団体が上がってきたので、すぐに立ち去る。
雨池峠へは激下りで、息子は大苦戦。
ようやく降り立った八丁平はまさに楽園。のびやかな高原が広がる。
最初、高原の彼方にぽつんと見えていた青い屋根の縞枯山荘が徐々に近づく。
しだいに観光客の姿が増え始め、峠を一つ越えると、ピラタスロープウェイの山頂駅に到着。
山頂駅手前のベンチでラーメンをすする。駅で水を補給しようとしたが、水道が無く、ペットボトルの水をやむなく購入。
ここまで予定通り来たので、念のためケータイで双子池ヒュッテに連絡し、素泊まりを予約。
北横岳へは、坪庭の散策コースを経由する。小沢を橋で渡ると、一気の急登が始まる。
稜線に達し、ゆるやかに上下すると北横岳ヒュッテ。小屋前は人で溢れ返っている。当然ながら今晩は予約で満杯らしい。
七ツ池へは、小屋前から散策路が分かれている。小屋前の喧騒はどこやら、湖面は静寂そのもの。気持ちの良い風が吹き抜けていた。
北横岳へ最後の登り。森を抜け、背後には南八ヶ岳の雄大な姿が全開に。
蓼科がすぐ目の前に。背後には乗鞍から北アルプスの面々がなおも健在。
ここから亀甲池へは超激下り。息子がいつコケてもいいように、ザックの上部を掴みながら下る。嫌になるくらい下っていくので、息子もげんなり。コースタイムを大幅に超過してしまった。
普段の半分くらいの水量しかなく、奇岩がゴロゴロと露出していた。
ここまでくれば、今日の目的地、双子池は射程距離内。いかにも北八ツらしい、針葉樹と巨石と苔に彩られた思索の道を行く。(北横岳からの激下りルートも同じような景色だったが、気持ちに余裕が無く、何も感じなかった…)
急に目の前が明るくなり、池畔にたどり着いたことを知る。
雌池にはキャンプ場があり、すでに10張ほど張られていた。
雌池を半周し、双子池ヒュッテへ到着。息子も何とか歩ききってくれた。
15年振りの再訪であり、その時は5月連休に訪れたのだが、双子池は完全に雪の下だったな〜と思うと感慨深い。
寒くなる前にと、池畔で早めの夕食をとり、19時前には寝てしまった。
10/13 晴れ
5時半に起床。今朝も小屋前で食事。あまり冷え込まなくて良かった。
6時過ぎに出発。小屋前まで達している林道を進む。すぐに大石川林道に出合い、右折する。15年前に雪が降る中、這う這うの体で坪庭まで逃げ帰ったルートである。
15年前はラッセルだったが、今回はカラマツの鮮やかな黄葉が迎えてくれた。普通はウザい林道歩きなのに、今回はあまりにも周囲の景色が素晴らしいので、全く苦にならない。
あ〜黄色が目に染みる〜
順調に歩を進め、雨池分岐で林道を離れる。
雨池も半分位しかなかった。干からびた部分を歩行するが、足がはまって苦労した。
時間も早いので、当初予定してなかった八柱山をピストンすることに。
八柱山へは静かな森の小径が続く。人の気配全く無く、北八ツ歩きの神髄といった感じである。
今山行初めて富士山が見えて、息子は大喜び。
よろこんで、写真に収まる2人だが、この時2人は、足元にうごめく物体に全く気付いていなかった…
八柱山頂上一帯は、ヤスデが大発生していた…
「キシャヤスデは体長3.5センチ前後の日本固有のヤスデ。成虫になるまで土の中で7年間かかり、成虫になった同じ年生まれのヤスデが交尾相手を探すために地表に出て、8年周期の大量発生が起きる。かつて小海線で大発生し、汽車が線路上につぶれた死骸で滑って動けなくなったことから、この名前が付いた。」(長野日報より)
一気に息子は泣き顔に… それこそ這う這うの体でピークから逃げ出した。
先ほどと違い、陽が当たってきたので、俄然周囲の紅葉が輝きだす。最高の景観に恵まれた今山行だが、ここがベストと言えるものだった。ゆえに腰がなかなか上がらない。
湿地帯を木道で突破。林道を横断し、再び森の中へ。本当に深い森で、自分がどこにいるのかさっぱり分からないが、唐突に振り出しの茶水池に帰還。麦草峠の路肩は車で溢れ返っていた。
お約束の温泉は、石遊の湯でキメた。
天候に恵まれ、息子も予想以上に歩いてくれ、最高の秋山だった。
参考タイム
10/12 | 麦草峠 6:10 ⇒ 7:00 中小場 7:00 ⇒ 7:50 茶臼山 8:15 ⇒ 8:55 展望台 9:15 ⇒ 9:35 縞枯山 9:35 ⇒ 10:15 縞枯山荘 10:15 ⇒ 10:30 坪庭 11:15 ⇒ 12:00 北横岳ヒュッテ 12:00 ⇒ 12:05 七ツ池 12:10 ⇒ 12:15 北横岳ヒュッテ 12:20 ⇒ 12:30 北横岳 12:50 ⇒ 14:10 亀甲池 14:25 ⇒ 14:50 双子池雌池 14:50 ⇒ 15:00 双子池ヒュッテ |
10/13 | 双子池ヒュッテ 6:10 ⇒ 7:00 雨池峠分岐 7:00 ⇒ 7:10 雨池分岐 7:10 ⇒ 7:15 雨池 7:25 ⇒ 7:55 八柱山 8:05 ⇒ 8:30 雨池 8:45 ⇒ 9:55 麦草峠 |
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