新保岳・臥牛山(村上城跡)

−やりたい放題の新潟・山形の単独行第一弾! メインは村上グルメだった…−

   
  

山行概要

日 程
2016年10月28日(金)
山 域
葡萄山脈・村上市内
天 気
曇り
メンバー
単独
コースタイム
新保岳新登山口=0:35=新保岳=0:20=新登山口【0:55】
村上城七曲り登城口=0:15=村上城本丸(臥牛山)=0:15=村上城七曲り登城口【0:30】

記録文(写真はクリックで拡大)

 業務の隙を縫って何とか金曜日に休暇を取得し、3連休を確保した。
 この秋は天候不順で、あまり泊まりのハードな山行には気が乗らず、日帰り山行のみの、グルメ主体の遠征を企てることとし、最近、足が遠のいていた山形・新潟周辺を攻めることする。この辺りは三百名山の摩耶山も残ってるし…
 大雑把なプランは、摩耶山を最優先目標とし、それ以外の日は、周辺の秀峰を登ることとした(大雑把過ぎる…)。

 10/28 曇り後雨

 貧乏人お約束の夜行バスが往復取れたので、京都駅22時55分発の「おけさ号」で一路新潟へ。定刻よりやや早く6時半過ぎに新潟駅の万代口に到着した。
 反対側の南口に回って、24時間営業のニッポンレンタカーでクイックスタートを決め、とりあえず北へ走り出す。
 この日は午後から急速に天気が悪化するとの予報であり、摩耶山は諦め、新潟県北端の村上市にある新保岳が往復2時間余りで往復できそうだったので、こちらに向かうことに。新潟百名山にも選ばれている山らしい…(笑)
 日本海東北自動車道で一気に現時点の終点である朝日まほろぼICへ。胎内から先は無料供用されており、割安感は高い。ICからR7で道の駅「朝日」を通過し、塩野町小学校を過ぎた少しのところで、「新保岳登山口」の標識に従い、左折する。
 道幅は狭いながらも全線舗装された林道で一気に高度を上げる。現在の登山口(新登山口)より一段下に旧登山口があるはずだが、最近通行禁止になっているらしく、私もその存在に気付くことなく、新登山口に到着。

新保岳新登山口 8:41

 登山口周辺の林道は、路肩部分が広がっており、5台ほどは無理なく止められそうだ。平日ということもあり、無論、車は全く止まっていない。天気は曇りだが、遠望は利き、とりあえずしばらくは持ちそうだ。
 登山道は林道から階段で一気に尾根に乗り、しばらく急登が続く。いきなりのオープニングに体が順応せず、なかなかペースが掴めない。それと、途中の林道に何個か建てられていた「熊出没注意!」看板も気にかかる。

ブナの森を行く 9:00

 「何も熊の活動が活発になるこの時期に山に入らなくとも…」とのツッコミが入ってきそうだが、こちらも紅葉の素晴らしいこの時期は外せない。
 と言う訳で、今回は熊鈴に加えて笛も吹き鳴らしてのビビリ登山である。かなり悲壮な感じでのスタートだったが、しばらくすると、立派なブナの森となり、黄葉を愛でながら頑張ると、ピークに直接続く稜線に登り着く。
 ここは「見晴らし台」と呼ばれているが、木々が生い茂り、すっきりとした展望はない。ただ、割と近くに新保岳が垣間見え、かなり登って来たと安堵。
 相変わらず立派なブナ林の中にトレイルが延びる。傾斜はかなり緩くなり、最後は余裕を持って新保岳山頂に到着。

新保岳山頂 9:00

 山頂周辺は刈り払いされているものの、あまり展望は良くないが、それでも、海が間近に見下ろせ、粟島も確認できた。肌寒いので、早々に下山。今回、しょぼいトレランシューズで来たので、何度かスリップしながらも、何とか新登山口に帰着。
 正直、登山よりも、城下町村上の散策や、グルメに完全に気が行っていた(笑)ので、すぐに車を走らせる。

 この日は村上市街から車で10分以内の瀬波温泉の「開湯の宿 大和屋旅館」を確保していたが、村上で酒を飲んでしまうのを考え、まずは、こちらに向かう。
 宿の女将さんに一言断ってから車を止めると、ラッキーにも村上駅へのバスが10分後に出るとのことだった。
 村上駅から正面の大通りを真っ直ぐ東に進む。途中、村上牛の串焼きを露店で売る「やま清」さんに心激しく惹かれるが、何とか自重し、さらに東へ進み、上町の交差点で北に折れ、古い街並みを味わいながら大町の交差点へ。

村上の街並み(上町辺り) 11:23

 さらに細い路地に入ったところに、お目当ての「江戸庄」さんを発見。11時過ぎの入店で私が一番乗りであった。ここにした決め手はガイドブックに記載されていた「村上牛レアステーキ丼」のビジュアルである。

「江戸庄」さんの村上牛レアステーキ丼【上】! 11:36

 果たして、ガイドブックそのままの代物が目の前に運ばれてきた… ビールと一緒に昼前から至福のひとときを過ごす私。

「江戸庄」さんの村上牛サーロインステーキ! 11:37

 勢い余って、村上牛のサーロインステーキ100gも頼んでしまい、昼からすっかりグダグダに…
 何とか我に返り、大満足の「江戸庄」さんを後に、市内散策を再開。市街の東端にある村上城跡を目指す。

村上城登城口 12:30

 村上城は、臥牛山と呼ばれる135mの小山を利用して縄張がされており、「七曲り」と呼ばれる九十九折れの坂を10分ほど登る。

出櫓跡の石垣 12:43

 七曲りを突破すると、平になり、三の丸、二の丸と巡る。櫓跡の豪壮な石垣が素晴らしい。

村上城本丸(臥牛山)からの展望 12:45

 頂上の本丸跡は展望抜群! 村上市内から瀬波温泉、そして日本海まで一望である。七曲りを登り切った辺りからは、飯豊、朝日連峰も見渡せる。なかなかの展望スポットである。完全に酔っぱらっているので、登りはめっちゃキツかったが、登って良かった。
 城を下り、市街中心部をまた巡りつつ。北側に流れる三面川に接する「イヨボヤ会館」へ。

「イヨボヤ会館」 13:29

 「イヨボヤ」とは、村上地方の方言で「鮭」のことを言い、この「イヨボヤ会館」は、日本で最初の鮭の博物館とのこと。時間もたっぷりあったので、ここに1時間以上も滞留し、勉強してしまった。かなり鮭には詳しくなったと思う(笑)
 外に出るころには、ついに雨が降り出していた。と言うことで、ここで市内散策は切り上げ、タクシーで瀬波温泉へリターン。15時過ぎには、瀬波温泉でもここだけという大和屋旅館さんの源泉掛け流し湯を堪能していた。

瀬波温泉「大和屋旅館」さんのお風呂 15:16

 この大和屋旅館さんのお風呂は最高! もう何百湯と温泉に入ってきた私が言うのだから間違いない!(笑) さすがに石油の掘削中に偶然湧き出した温泉らしく、アブラ臭が漂っている。それでいて無色透明のなめらかなお湯である。
 大満足で、この日だけで4回、翌朝も朝風呂を満喫した私であった…(笑)
 また腹が減ってきたので、すぐ近所の「寿し銭」さんへ。

「寿し銭」さんの上握り! 17:28

 実は、温泉に入っていた際に偶然居合わせた、大和屋旅館さんの御主人と意気投合し、何と上握りを御馳走してもらったのでありました(笑)  こうして、やりたい放題の一人旅が過ぎていく…

 
   

 10/29 雨後曇り

 やりたい放題の因果か、朝から暴風雨… 仕方がないので温泉で沈没していたが、単なる沈殿に我慢できず、7時過ぎには出発してしまう。
 何とか今山旅で摩耶山は登ってしまいたかったので、摩耶山に近く、今まで本格的に訪れたことのなかった街ということで、山形県の鶴岡市に本日の宿を取っていたので、とりあえず北に向かう。
 R345で北へ。ずっと海沿いを走るが、物凄い強風で、車が揺られまくりで、めっちゃ怖い。
 名勝と謳われる「笹川流れ」も暴風雨は止まず、やむなく通過し、あつみ温泉に逃げ込む。

あつみ温泉「正面湯」 8:33

 名物の朝市は8時までということで、終わってしまっていたが、数ある共同浴場の一つ「正面湯」さんを貸切状態で満喫する。

「正面湯」の湯船 8:40

 源泉ドバドバ掛け流しの温泉が200円也(笑)
 鶴岡市内で昼飲みしようと思っていたが、まだ少し早い(笑)ので、前から気になっていた鶴岡市東部の注連寺さんを訪れることにし、山形自動車道で鶴岡市街をいったん素通りし、庄内あさひICからR112で注連寺へ。

湯殿山注連寺 10:03

 注連寺の山号は湯殿山。この名のとおり、出羽三山の参拝に当たり、注連寺から先が結界とされていたため、出羽三山が女人禁制の時代は「女人のための湯殿山参詣所」として信仰を集め、大いに賑わったという。
 また、この寺には、鉄門海上人の即身仏(ミイラ)が厨子に納められており、普通に公開されている。目の当たりにした時、あまりの衝撃に言葉が出なかった…
 そして、作家森敦が芥川賞を受賞した小説「月山」は、森自身が注連寺でほぼ一年に亘って過ごした経験に基づいて描かれており、境内には、月山文学碑と森敦文庫も存在している。
 この他、村井石斎による天井絵画「飛天の図」や、日本最大級の鰐口など、見どころ満載のお寺であり、2009年3月に発行された「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では、注連寺が総合評価で二ツ星(近くにいれば寄り道をして訪れるべき場所。最高評価は三ツ星)に選定されている。

「滝太郎」さんで昼飲み! 11:25

 満足して鶴岡市内へ戻る。本日のお宿は、JR鶴岡駅に直結している「ホテルステイ・イン山王プラザプレミアアネックス」さんであり、飲酒を考慮し、この日もチェックインより前に車を置かしてもらった。
 駅からすぐの昼飲み営業している居酒屋「滝太郎」さんにほぼ11時の始業と同時に飛び込む。
 すっかり赤ら顔になって、市内をうろつくことに。市内観光の中心であろう、鶴ヶ岡城や旧庄内藩の藩校である致道館が建つ馬場町は、駅から徒歩で15分ほど離れている。
 プラプラ歩き出す。朝からの雨はようやく上がり、晴れ間も見えるようになってきたが、強風は相変わらずで、更に冷え込んできた。

鶴ヶ岡城跡 12:46

 強風によろめきながらも、何とか鶴ヶ岡城に到着。
 鶴ヶ岡城は、最上氏が改易された後に、信濃国松代城から転封された譜代の酒井忠勝により支城から本城に定められ、二の丸、三の丸を拡充し、城下町の整備を行うなど。近世城郭へと大改修された。
 庄内藩の本城としての偉容が完成したのは、3代忠義の時であり54年の歳月が費やされたという。本丸跡には、現在、荘内神社が建つ。

荘内神社 12:56

 荘内神社は、庄内一円の人々により明治10年(1877年)旧藩主を追慕して創建された。祭神として、酒井忠次公、家次公、忠勝公、忠徳公が祀られている。
 そして、すぐ近くの庄内藩校「致道館」跡へ。

庄内藩校「致道館」跡 13:20

 藩校「致道館」は、東北地方に現存する唯一の藩校建造物で、文化2年(1805年)庄内藩7代目藩主、酒井忠徳によって創設された学問所に始まる。文化13年(1816年)、8代目藩主の酒井忠器によって鶴ヶ岡城三の丸曲輪内に移された。明治6年(1873年)廃校。
 寒くて我慢できずに、駅方向に戻り、「東京第一ホテル 鶴岡」さんの10階最上階にある温泉へ。入浴料は1834円と高額だったが、背に腹は替えられず、夕方までまったりと過ごした。
 露天風呂は、この寒さと強風とで、水温が上がらず、単なる水風呂になっていた(笑) そして17時になって駅前の「彦右ェ門」さんへ。

「彦右ェ門」さんで豪遊@! 17:21

 ハタハタの湯あげ。シンプルだが、プリップリッの卵が最高!

「彦右ェ門」さんで豪遊A! 17:35

 そして、造り盛! 今日も堕ちていく…
 明日は何とか天候が回復するとの予報だったので、早朝から動くことにし、故に早々に寝た。
 明日の摩耶山へ。

参考タイム

10/28新保岳新登山口 8:459:20 新保岳 9:309:50 新保岳新登山口
村上城七曲り登城口 12:3012:45 村上城本丸(臥牛山) 12:5013:05 村上城七曲り登城口

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