−飛越の名山2座と秘境五箇山を巡る充実の山旅−
山行概要
2003年10月18日(土) | |
飛騨高地 | |
曇り後快晴 | |
単独 | |
林道ゲート登山口=0:25=白木峰=0:15=北白木峰=0:10=白木峰=0:20=林道ゲート登山口【1:10】 栃谷登山口=1:50=前金剛=0:10=中金剛=0:15=奥金剛=0:15=中金剛=0:15=前金剛=1:15=栃谷登山口【4:00】 |
記録文
恥ずかしながら、齢34にしてギックリ腰になってしまった。10月の連休は東北方面の遠征を予定していたが、やむなくキャンセル。山に行けぬストレスが溜まりまくり、まだ完治していないのに、翌週に雪辱戦を組んでしまう。
あまりしんどいコースはまだ無理なので、手ごろな山を探すと、まだほとんど足を踏み入れたことのない濃飛加越国境の山々が、割と楽に登れそうなので、こちらに向かうことにする。
金曜の夕方に京都を発進。とりあえず白木峰か金剛堂山に登ろうと思っていたが、この2山は距離も近く、タイムも手ごろなので、どうしても1日で2山登りたいという不埒な気持ちが湧き起こってくる。どうも白木峰登山口の駐車スペースが狭く、林道脇も車で溢れることがあるとのことらしいので、まずは白木峰を空いてる早朝に登ることにした。このためこの日は越中八尾の『八尾ゆめの森ゆうゆう館』の終了間際に飛び込み、そのままここの駐車場で寝た。
4時に起床し、暗闇かつ国道とは思えない道幅のR472をビビりながら走行。不思議なことに最奥の集落である杉ヶ平が近くなるにつれて道路状況が良くなってくる。
杉ヶ平から白木峰の道標に従い、ほぼ1車線幅の林道を突き進む。一部ダートの箇所もあったが、最後まで簡易舗装の道が何とか続く。ゲート手前には5、6台ほどは駐車できるスペースとトイレがある。当然だが私以外の車はなかった。
車から出ることができないほど寒い。強風も吹き荒れている。しだいに周りが明るくなってきたので、意を決して車外へ。ゲートの横から登山道が伸びている。
いきなりの急登。あっという間に車が真下に見下ろせる。一気に体が温まる。いったん林道をまたぎ、なおも急登が続く。だいぶ明るくなって、周りの様子が分かるようになってきたが、どうも上部はガスに覆われているようでガックリ。木々の背がしだいに低くなると再び林道を横断、傾斜がだいぶゆるやかになってくる。
ヘリポートに登りつく。ここから木道となるが、ガスに包まれてしまった。すぐに白木峰の大きな標識が立つピークに到着。残念ながら頭上に太陽の輪郭がおぼろげながら確認できるのみ。
寒くて待てるような状況じゃないので、時間つぶしにと北白木峰まで散歩する。なだらかな草原に木道が敷かれ、地塘も点在し、「晴れていたら…」と嘆きたくなる地形が続く。北白木峰は標識もなく三角点があるだけの静かなピーク。天候は未だ回復せず、すごすごと本峰へ戻る。
再び本峰に立つが状況は変わらず、屈辱の下山。天気は快晴と聞いていたのに…早すぎたか。途中1人とすれ違い、転がり落ちそうな急坂を慎重に下り、車に戻った。
帰りの林道も結局1台もすれ違うことなく杉ヶ平に戻り、次は金剛堂山を目指すため栃折峠を越えて利賀村に入る。道の状況はこちらの方がずっとよい。スノーバレー利賀を過ぎるとダートになるが、すぐに金剛堂山登山口の大きな駐車場に到着。すでに先客が5台ほどいた。
空はすっかり晴れ渡った。白木峰のようなことはないだろうと期待して出発。まずは小沢に沿って色づきはじめた森を進む。すぐに沢を離れ、尾根に取り付く。以後、傾斜はさほどでないものの、単調な登りが続く。周囲の紅葉で気を紛らわせながら、登り続けると、すぐ上の方で先行グループが騒いでいるのが聞こえてきた。どうしたんだろうかとそこまで上がってみると、私も思わず声を上げてしまう。そこは周囲が開け、目の前にうっすらと雪化粧をした白山連峰の大観が広がっていたからである。
この景色に元気づけられ、ピッチが上がる。標高点1451付近からは先ほどピークでガスに包まれ震え上がった白木峰がどっしりとした姿を見せている。今では汗ばむ陽気になった。
最後の急登を終えると、ひょっこりと祠の立つピーク(前金剛)に飛び出した。結局私が本日の一番乗りになったようだ。ピーク一帯は草原ですごい展望が広がる。東方には雲が多いながらも北アルプスの山々が、南方には高さはないものの山また山が、西には先ほどから白山の連峰が勢ぞろい。そして北には能登半島を挟んで富山と金沢が見下ろせる。(なかなかおもしろいアングル)さっきの白木峰の悲惨な登頂はこれですっかり帳消し。
とりあえず、奥金剛に先に行っとくことにし、なだらかな高原歩きを満喫する。金剛堂山の最高点である中金剛までは大したアップダウンもなく、快適なことこの上ない。
中金剛を通過し、奥金剛へはいったん結構下る。ぬかるんでいるところもあり、何度かスリップしながら慎重に下る。振り返ると一見なだらかに見えた中金剛が意外なほど端正な三角錐を見せていた。
奥金剛は一番なだらかなで標識がなければおそらくどこがピークか良く分からなかっただろう。草原に腰を下ろし、ここで昼食とする。
あーあー、ビールを持ってきたら良かった。それでも白山を真正面に見据えながらの最高のランチタイム。弁当を食べ終わる頃には北アの方面もすっきりと晴れ渡り、槍の穂先もはっきりと確認できた。
気持ち良過ぎる高原歩きを前金剛まで再び堪能し、座る場所の確保も難しいほど賑わっている前金剛で最後の展望を楽しんだ後は、一気の下り。
何度も前金剛を確かめながら下る。そして樹林帯へ入っていく。
登りのときに比べ、森の中に光が射し込み、より鮮やかになった黄葉の森を楽しみながら、登山口に降り立った。
すぐ近くの『天竺温泉』に立ち寄ってから、白川郷とともに合掌造で有名な秘境五箇山を目指す。今いる利賀村もなかなか見所が多そうな所ではあったが、時間の関係で今回は割愛。道路は恐ろしい位に整備されているが、周囲の景色もまた恐ろしい位に山深い。こんな所で車がトラブったらどうなるだろうと思いながら、車は深い谷底に降りていく。
道の駅『たいら』でこの辺りの概要を頭に入れ、まずは相倉合掌集落へ。集落の入り口には駐車場があり、ここから徒歩で回ることになる。集落内は観光客で溢れ、ここで普通の日常生活を行うのは不可能だろう。今年の正月に訪れた奈良橿原の今井集落のような例外もあるが、なかなか観光と日常生活との両立は難しいと再認識する。
続いて菅沼の合掌集落へ。こちらの方がこじんまりとしているが、人出は相変わらず多い。さっきの相倉集落もそうだったが、ほとんどの民家が民宿とか土産物屋を営んでいる。秘境の集落という感じは全くしなかったが、単純に合掌造の家々には、長年厳しい自然に耐えてきた迫力を感じた。
次いで行徳寺と岩瀬家を見物し、道の駅『上平ささら館』に流れ着く。ここには密かにチェックしておいた岩魚料理の専門店がある。明日は人形山に向かう予定のため(結局、医王山に転戦したが…)、この付近で寝るつもりだったので、岩魚の刺身や塩焼きを堪能する。
少し仮眠してから、『くろば温泉』に向かい、ここで沈没。終業まで居座ってから、近くの上平村役場の駐車場で寝た。
参考タイム
10/17 | 京都市内 16:05 → 17:50 南条SA 18:00 → 19:10 小矢部川SA 19:15 → 20:00 八尾ゆめの森ゆうゆう館 |
10/18 | ゆうゆう館 04:20 → 05:10 林道ゲート登山口 05:45 ⇒ 06:10 白木峰 06:15 ⇒ 06:30 北白木峰 06:30 ⇒ 06:40 白木峰 06:40 ⇒ 07:00 林道ゲート登山口 07:10 → 08:00 栃谷登山口 08:10 ⇒ 09:35 休憩 09:40 ⇒ 10:05 前金剛 10:10 ⇒ 10:20 中金剛 10:20 ⇒ 10:35 奥金剛 10:55 ⇒ 11:10 中金剛 11:15 ⇒ 11:30 前金剛 11:35 ⇒ 12:50 栃谷登山口 13:00 → 13:10 天竺温泉 13:40 → 14:20 道の駅たいら 14:40 → 14:45 相倉合掌集落 15:00 → 15:10 菅沼合掌集落 15:35 → 15:40 行徳寺・岩瀬家 16:00 → 16:05 道の駅上平ささら館 17:30 → 17:40 くろば温泉 19:45 → 19:50 上平村役場 |
山行データへ
諸国名山探訪
Copyright(C) Hiroshi Fujita All right reserved