白鬚岳

白鬚岳


【日 程】平成5年12月11日(土)
【人 数】男3人
【コース】近鉄大和上市駅=TAXI=中奥川鳥渡谷林道終点=0:35=高尾=0:40=白鬚岳=0:40=小白鬚=1:00=金剛寺=0:20=柏木【3:15】

【記録文】
 大和上市からタクシーに乗り込む。心配していた林道の状態は良く、終点まで無事乗り入れる。(9,500円) 林道終点には白鬚岳への古い道標があり、我々もそれに従い冷たい雨が降りそそぐ中、高尾への尾根に取り付く。
 いきなりの急登で、足下だけを見つめ、黙々と登る。高尾の直下辺りから今まで真っ黒だった足下に点々と白いものが混じりはじめ、雨具を叩いていた雨音もサラサラという優しい音色に変わってきた。高尾(1、193m)においては周囲は完全に雪景色となっており、白鬚岳への北尾根に突き上げたためか、横殴りの風が強く、完全に吹雪といった状況である。
 高尾で1本とる予定であったが、とても休憩するといった雰囲気ではなく、そのまま南へ尾根を進むが、これがかなりのヤセ尾根で、強風、積雪といった悪条件が重なり、非常に危険な状態になってきた。『アイゼンさえあれば…』と悔やむが、後の祭り。救いなのはルートがずっと尾根どおしのため、ルートミスの心配がまったくいらないことだ。マーカー類も多く、精神衛生上非常に良い。
 尾根が広くなってくれば、白鬚岳は近い。標高1378.2m。ピークには櫓が組まれてあり、展望が良さそうだが、ガスに包まれたこの状況では何の意味もない。
寒すぎる白鬚岳ピーク寒すぎる白鬚岳ピーク
 ガタガタ震えながらの昼食の後、下山にとりかかる。『ここからはガイドブックにも載ってるルートだし楽勝、楽勝』と下りはじめたが、実はここからが大変であった。小白鬚まで急峻なアップダウンが何度も続く。特に積雪で滑りやすい下降がやっかいだ。立木を掴まなければ下れない所が何ヶ所もあり、非常に難渋する。我々の奮闘に応えてくれたのか、小白鬚の手前で一瞬ガスが切れ、白鬚の本峰が姿を見せてくれた。ちょっと前にそこにいたとは思えないほどの鋭い頂がすぐ眼前に見える。今日はこれで満足としよう。
 頂上が判然としない小白鬚を過ぎ、東谷への分岐に着く。一般ルートは東谷の方だが、時間に余裕もあることだし(PM13:30)、稜線をそのまま進むことにする。ガイドにはブッシュがひどいということであったが、冬場ということもあり、さほどの問題もなく、金剛寺に降り立つことができた。南朝の菩提寺であった金剛寺を拝観してから柏木バス停へ向かう。上市へのバス道の途中には中荘温泉という公衆浴場あり、我々はバスを途中下車し、すっかり冷えきった体を温めてから、帰阪したのであった。
吉野川を渡る吉野川を渡る
 天気の良いときにもう一度登りたいと思う今日この頃である。


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