賤ヶ岳

−予定外のラッセル 冬の湖北は厳しかった−

   
   

山行概要

日 程
2003年1月4日(土)
山 域
野坂山地
天 気
曇り後晴
メンバー
単独
コースタイム
JR余呉駅=0:40=大岩山=0:45=賤ヶ岳=0:25=余呉湖荘=0:55=JR余呉駅【2:45】

記録文

 3連登の中日。何故か急に雪山に行きたくなる。本当ならまた奈良に行こうかと思っていたが、家を出る10分前に慌ただしく方針転換。
 JR京都駅から新快速に乗る。京都では快晴だったが、近江八幡辺りからじわじわと雲が広がり始め、彦根まで来ると、空は鉛色の雲にびっしりと覆われ、足下は一面の銀世界へと変貌した。
 履いているのはゴアテックスとは言え、軽登山靴でスパッツも持ってきていない。まだ登る山は決めてなかったが、慌てて目的地を一番標高が低い賤ヶ岳にした。それでもかなり北部になるし、大丈夫かな。
 長浜から鈍行に乗り換え、余呉駅へ。接続が良かったせいか、意外と近く感じたが、駅に降り立った景色は、丸1日電車に乗ってたどり着いた遠い雪国のようだった。

登山口からすでに雪が…

 駅前から登山口までの車道は何とか除雪されていたが、登山口からはびっしりと雪が付いていた。30センチ程か。トレースはあるので、靴の中に雪が入らないように、慎重に歩く。

日が差してきた

 いったん車道に出る。ここは頭上を覆う木々が無いためか、一気に雪が深くなる。あっという間に靴の中に雪が進入し、気持ちは一気になげやりとなる。

中川清秀の墓(大岩山)

 ずかずかとさっきとは一変した大股歩調で林道を進むと、左手に大岩山への分岐が現れる。ここから少し登ると中川清秀の墓のあるピーク。トレース全くなく、処女雪を踏みしめての登頂だった。
 車道を離れ、稜線ぞいに賤ヶ岳に向かう。晴れ間がさらに広がってきた。明るくなった林間を快調に登る。(足下はびちゃびちゃだが…)

明るい尾根道を進む

 気温も急上昇。しかし、頭上からは溶けた雪が落下するようになり、ここでカッパを装着。
 賤ヶ岳へは、何度もアップダウンを繰り返す。雪原には鹿や兎などの足跡が幾つも残されていて、どこかにいないかと目を凝らしながら進むが、最後まで現れることはなかった。

賤ヶ岳から奥琵琶湖、葛篭尾崎方面を望む

 ピークへは最後、階段(になっていると思われる)の急登を頑張ると到着。さえぎるものがほとんどないためか、積雪も一気に深くなった。場所によっては膝くらいまでもぐってしまう。

賤ヶ岳からの余呉湖

高月町方面を望む

 足下大浸水の代償として、展望は素晴らしかった。奥琵琶湖と余呉湖、高月町辺りの雪原が一望の下である。何度もズボッと潜りながら、ピーク一帯を歩き回り、展望を楽しんだ。

 さて、この先である。当初の目論見では山本山まで縦走できないかなと思っていたが、見たところ全くトレースがない。凍傷寸前の足下の状況も勘案し、ここで無念(本音は早く帰りたかった)の撤退となった。
 帰路は余呉湖に下る車道までの最短ルートを取る。踏み跡は何とかあったが、ここでも何度かもぐりながら、一気に雪を蹴散らし、速攻で湖畔の余呉湖荘前に降り立った。
 風呂にも入ることができるらしいが、この状況で入っても湯冷めするだけなので、湖畔の車道を時計回りに余呉駅まで戻る。

余呉湖畔を進む

 天気はすっかり快晴となっており、周囲の白い山々と青い空と湖面を眺めながらの歩行は、気持ちよいものだった。(足下を除いては…)

湖畔の川並集落

ビジターセンター近くの天女の衣掛柳

 余呉湖のビジターセンター前の湖畔には大勢の釣り客で賑わっていた。それを横目で眺めながら、出発時よりは幾分雪が消えた余呉駅に戻った。

余呉駅にて 帰りの電車がやってきた

新快速の車窓から伊吹山を望む

 帰りの車内で長浜付近から見た伊吹山は立派すぎた。鈴鹿も霊仙山から御池岳辺りが全開で、刻々と移り変わる展望を楽しみながら京都に戻った。

参考タイム

1/4JR余呉駅 10:2511:05 大岩山 11:1011:55 賤ヶ岳 12:0512:30 余呉湖荘 12:3513:10 余呉湖ビジターセンター 13:1013:30 JR余呉駅

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