暑寒別岳

暑寒別岳


ガスの暑寒別岳山頂、長かった… ガスの暑寒別岳山頂、長かった…


【日 程】2001年8月1日(水)
【山 域】増毛山地
【天 気】曇り
【コースタイム】雨竜沼湿原ゲートパーク=1:00=雨竜沼湿原入口=0:45=湿原展望台=1:10=南暑寒岳=0:30=最低コル=1:20=暑寒別岳=1:05=最低コル=0:40=南暑寒岳=0:45=湿原展望台=0:30=雨竜沼湿原入口=0:45=雨竜沼湿原ゲートパーク【8:30】
【記録文】
 今日は今山旅で最長のコースタイム12時間を歩きとおさねばならない。3時半に起床し、昨日の約束どおり、群馬からのおじさんと一緒に4時に出発する。周囲はガスで真っ白。細かい雨も時折降るような状況で先が思いやられる。
 完璧に整備された幅広の道が湿原まで続く。互いの自己紹介を兼ねた山談義をしているうちに湿原入口近くの水場まで一気に登ってしまう。休むことなく湿原縦断へ。楽しみにしていた雨竜沼湿原だったが、何も見えない… 木道を坦々と歩き、湿原を通り過ぎた展望台で2度目の休憩をとる。はっきり言って単独なら登ってないような状況。「行っても南暑寒岳までかな…」と登行意欲満々のおじさんを横にして内心思う。南暑寒岳へは、登っているのかいないのか良く分からない程の緩登が延々と続く。いい加減いやになってくるが、登るにつれ周囲のガスが次第に薄くなってくる。


最低コル付近 最低コル付近


 日が当たらず涼しいせいか、南暑寒岳まで3時間かからず到着。体力的には余裕十分だが、ガスは切れそうで切れず、ストレスがたまる。どうにでもなれという思いで暑寒別岳へ。急斜面を一気に駆け下りる。コブをゆるやかに越え、再度下った所が最低コルである。ようやくガスが切れ始め、周囲のお花畑や暑寒別へ続く稜線も見えてきた。まだまだ、かなりの登りがありそうだ。本格的に登り始める。両サイドはのびやかな湿原状の平が広がっており、いかにもクマが出そうな雰囲気。尾根が痩せ、ガレ場が出てくると、さらに急傾斜の登行となり、ところどころロープも付けられている。この辺りまで来るとおじさんとかなり離れてしまう。結果的に急かしてしまったことになり、悪いことをしてしまった。何とか急登を突破すると、のびやかな頂上大地の一角に飛び出し、以後はピークまで、ゆるやかな高原歩きとなる。
 暑寒別岳到着。さすがに長かった。展望はガスの切れ間からわずかに望める程度だが、出発時を思えば御の字だろう。記念写真を撮り合うとともに、互いの健闘も称え合う。
 帰路はおじさんに先行してもらい、のんびりと下るが、ガスが切れ、天候が回復してきた途端にアブがまとわりついてきた。仮に天気が良かったら、このアブと終日おつきあいする訳で、天気が良すぎるのも考えもんだなと、虫大嫌いの私は思う。最低コルから南暑寒岳へは私が再び先行する。この登り返しは暑寒別岳往復者にとっては行程中最後の関門だろう。さすがにきつい。
 南暑寒岳は先程と同じく、無人だった。今日は暑寒別岳はもちろん、南暑寒岳までも登ってくる人は我々2人以外にはいないようだ。ここでおじさんはゆっくり下りたいということで、別々に下ることにする。百名山完登者でかなりのキャリアをお持ちの方だった。この後、東大雪の山々を狙っているということだったが、どうされたか… お互いの山旅成功を祈って、私は一人下りだした。


展望台から雨竜沼湿原と感動のご対面 展望台から雨竜沼湿原と感動のご対面


 やはり一人になると、ぶっ飛ばしてしまう。なだらかな緩斜面の下りではなおさらだ。お目当ての雨竜沼湿原がちらちらと見下ろせるようになると、さらに加速してしまう。大勢の人の声が急に聞こえてくると、湿原展望台が目に入ってきた。その奥には湿原の全貌が望める! 人を掻き分け、展望台に立つ。今朝は全く目にすることができなかった雨竜沼湿原がやっと見えた。今山旅はもちろん山が目的なのだが、「観光」としては松前とこの雨竜沼湿原だけはぜひ見たいと思っていただけに、この感動は何とも言いようがない。広大な湿原に降り立ち、木道をのんびりと歩く。


雨竜沼湿原を行く 雨竜沼湿原を行く


 秋にもう一度来れたらと思いつつ、湿原を後にする。あとは惰性で降りるだけ。ビールが頭に浮かぶ中、観光客をごぼう抜きにし、ゲートパークに戻ってきた。


【タイム】
 04:05    雨竜沼湿原ゲートパーク
 04:55-05:00 水場
 05:55-06:00 湿原展望台
 07:10-07:30 南暑寒岳
 08:00-08:05 最低コル
 08:30-08:45 休憩
 09:40-10:10 暑寒別岳
 11:15-11:20 最低コル
 12:00-12:20 南暑寒岳
 13:05-13:10 湿原展望台
 13:35-13:40 湿原入口
 14:30    雨竜沼湿原ゲートパーク


 北海道山旅日記その5(8/1)


      


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