高妻山

高妻山


高妻山を望む高妻山を望む


【日 程】平成元年9月12日(火)
【メンバー】男7人、女3人
【天 気】曇り後晴れ
【コースタイム】戸隠キャンプ場=1:55=一不動避難小屋=0:55=五地蔵岳=1:55=高妻山=1:40=五地蔵岳=0:50=一不動避難小屋=1:45=戸隠キャンプ場【9:00】

【記録文】
 戸隠キャンプ場を早朝に出発。一度反対側に進むという一幕もあったが,何とかルートに復帰,と思ったら,今度は蜂に襲われ,10人中4人が刺されるという事件も発生。皆大事には至らなかったものの,中々不穏な立ち上がりである。
 帯岩は慎重に進めば問題無いが,10人が通過するのに半時間程もかかってしまう。この上の水場(一杯清水)で水を補給するが,それまで曇り空だったので,あまり気温は上がらないと判断し,(天気予報も曇りだった)一人1リットルしか補給しなかった。この判断が我々を後に苦しめることになる。
避難小屋から稜線に沿ってのルートになる。ただでさえ高妻まで稜線は迂回しているのに,細かいアップダウンも加わり,行程は中々はかどらない。また,五地蔵を過ぎたころから,陽が差すようになり,水の消費量が急増,節水を余儀なくされる。こうしたことから,さらにパーティの士気が落ち,ペースも落ちるといった悪循環。リーダーとしての自責の念にかられながらの憂うつな行軍となった。
ようやく高妻本峰の登りにかかるが,追い討ちをかけるような超急登となる。あのカッコいいピナクルを登っているのだと感慨を深くするも,疲労が軽減されることはなく,立ち止まる回数は増えていく。
 果てしなく続くと思われた急登も11時頃ようやく終わりを迎えた。巨石が敷き詰められたピークは,正に我々の激闘を証するかのごとく,周囲から隔絶された高さを誇っていた。ゆえに展望は本当に素晴らしかったと思うが,辿ってきたアップダウンのある尾根を見ると,ゆっくりと景色を楽しむ気にはなれなかった。暑さでぼんやりとしながら,残り少なくなった水を舌で転がすように味わう。乙妻に向かう体力も気力も我々にはもはやなかった。
高妻頂上にて高妻頂上にて

乙妻山を望む乙妻山を望む
 帰路は本当に大変だった。水も高妻を下った辺りでほとんど尽き,後は死にもの狂いで一杯清水まで進んだ。帯岩の下りがまた大変で,女性陣をやっとのことで全員降ろすと,ドッと疲れが来た。そんなこんなでキャンプ場に帰ってきたのは午後7時。辺りは薄暗くなっていた。
 次の日は戸隠山に登るつもりだったが,天気が悪いのと,皆の気力が萎えていたこともあって,軟弱にも戸隠神社の参拝に予定を変更、のんびりと初秋の戸隠を味わって帰洛した。


   

       inserted by FC2 system