十勝連峰縦走

−昨年のリベンジに成功!! 北海道の「濃い」青空が印象的でした。−

   

山行概要

日 程
1993年7月4日(日)
山 域
十勝連峰
天 気
晴れ
メンバー
もりP(♂)、私
コースタイム
JR上富良野駅=TAXI=望岳台=0:55=十勝岳避難小屋=1:35=十勝岳=0:30=上ホロ避難小屋=0:20=上ホロカメットク山=1:05=三峰山=0:15=十勝岳温泉分岐(→0:45/0:20←:富良野岳)=0:40=上ホロ分岐=0:50=十勝岳温泉【7:15】

記録文

 7/3 晴れ
 昨年9月の悲惨な北海道遠征から約1年が経過した。今回は北海道で一番天気が安定している期間であろう本州の梅雨明け期間に設定した。当時、この時期に休暇を取得するのは、けっこう困難な職場にいたが、何とか調整し、万難を排しての再挑戦である。
 当日の朝、いつものように寝坊はしたが、何とかフライトの30分前に伊丹に到着。さあ、搭乗手続きと思いきや、何とチケットがない!!! 家に連絡し、無理を言ってチケットを届けてもらったが、次に押さえることができたのは、昼前の便… 一時はどれも満席で、本日中の北海道行きを断念せざるを得ないような状況で、リベンジどころか、非常に不穏なスタートである。
 この日は、のんびりと富良野でも観光しようかと思っていたが、美瑛の駅を降り立ったのは夕方4時… 慌てて自転車を借りる。

美瑛の丘@

 マウンテンバイクで丘を闇雲に走り回る。かなり起伏があるので、いいトレーニングになりました(笑)

美瑛の丘A(ケンとメリーの木)

 上富良野の駅には6時に到着し、予約していた宿で連れとようやく合流。今のようにケータイがない時代だったので、連れは相当不安だったようです。
 いろいろありましたが、駅近くの居酒屋で入山祝い。明日の3時半にタクシーを予約していたので、早々に切り上げて、宿に戻った。

 7/4 晴れ
 予定通りタクシーで望岳台に向かう。望岳台からは目の前に十勝連峰がズラリと並び、コースタイム10時間半の長丁場を前に気持ちが高ぶる。

望岳台を出発

 正面に聳える十勝岳目指して、日の出前の砂礫帯を突き進む。草木一本生えぬ荒涼とした光景である。

 途中美瑛岳へのルートを左に分けると、避難小屋は近い。ここまでダラダラとした登りであったが、振り返れば望岳台は遥か下方に沈み、意外に高度を稼いでいたことに気付き、得した気分になる。ここからルートは一端左手にトラヴァースし、尾根に取り付くが、若干分かりにくいので悪天候の時は注意すべきであろう。尾根取付から傾斜は増し、一気に高度を上げて行く。西斜面の為まだ日は当たらず、非常に涼しく、快適な登行であった。尾根を登り切ると、噴火口横の広大な斜面に飛び出す。

十勝岳が眼前に

 これまで近くの山ひだに隠れていて見えなかった北方がようやく開け、大雪の連峰が姿を現す。まさしく白銀と言えるほどに残雪が多いのには驚く。

美瑛岳

 すぐ目の前の美瑛岳は下界から望めなかったポンピ沢上流の爆裂火口をさらけ出し、ものすごい迫力である。じっくりと腰を落ち着けて堪能したい光景ではあるが、風が強く一気に体温が奪われ、泣く泣く出発する。

十勝岳がさらに近づく

 周りの展望を楽しみながら、エアリアの標高点1821まで右上りにゆるやかに標高を上げ、標高点からは夏道を離れ、まだベッタリと残っている雪田の上を通過する。

雪田を登る

 写真では平坦に見えますが、かなりの急傾斜です。ぼくらは念の為アイゼンを装着しました。
 雪田を一気につめ、肩まで上がれば、もう十勝岳は目前である。最後の急な斜面をジグザグに登り詰めれば、遮るものは何一つないピークに到着である。

十勝岳からの富良野岳と背後に夕張(左)、芦別岳

 あまりの大展望に私はしばらく声が出なかったほどである。大雪、日高、夕張、芦別、暑寒別、天塩、阿寒と続くラインナップにはただただ感嘆するしかなかった。

美瑛岳とその右奥にはかすかにトムラウシ

 いつか十勝岳からトムラの縦走をしたいです。

こっちから登ってきました

 砂礫の中にくっきりとルートが付いてます。
 ピークで過ごした小1時間は今思い出しても夢のようでした。

富良野岳目指して縦走開始

 さあ、我に返って十勝連峰の縦走開始。まずはザレ場の急降下で幕を明ける。下からは今や全国有名山岳では日常の光景となった『ジジババ百名山ツアー軍団』がヨロヨロと登ってきており、落石をしないようとても気を遣う。

 軍団をどうにかやり過ごしてからは、呪縛から解き放たれたかのように一気に速度を上げる。周囲の大観に目を奪われながらの快適な稜線漫歩。しかも適度な追い風が体を後押しし、体は自然と前へ進む。順風満帆とはこのような状態を言うのであろうか。数回のアップダウンをこなすとすぐ大砲岩。

大砲岩からの三段山

 崩壊が凄まじい。去年の秋、我々はこの大砲岩に突き上げるOP尾根経由のルートを選択し、かなりの新雪があった時期に登りました。(結局OP尾根に取り付くことができず、命からがら逃げ帰ったが)ここから見下ろすと、我ながら正気の沙汰とは思えず、背筋が凍った。
 それにひきかえ左手は残雪が豊かで果てしなく天国的な光景が広がり、同じ山とはとうてい思えません。

上ホロ避難小屋前の広大な雪田

 大砲岩からダラダラ下ると上ホロ避難小屋。こちらも東面はハイマツと残雪のスロープが緩やかに広がる。
 軽くエネルギー補給の後、上ホロまでの短いがかなりの急登に取り掛かる。この辺り西面は垂直に切れ落ちているので、注意が必要。

上ホロから十勝岳

 上ホロのピークでも360°の眺望に恵まれる。特に真下に広がる安政火口が壮絶である。ここまでかなりの行程をこなしてきたが、まだ9時を少し回ったばかり。長い1日になりそうだ。さすがに夏の陽射しが全開となり、肌がジリジリと音がしそうな位である。

富良野岳が近づいてきた

 ピークを後に縦走を再開する。すぐに十勝岳温泉へのルートを分け、三峰山のアップダウンの続く稜線を辿る。ナキウサギの姿を追いつつ横目で歩くも、鳴き声はすれど、姿は見えず。

三峰山付近の雪田

 上と下からの日差しで顔はボロボロになりました。
 日本庭園のような落ち着いたたたずまいの稜線を快走。が、この頃からガスが急速に湧き出し、あっと言う間に視界が遮られ、手探り状態で前進を続ける。人々の喧騒が聞こえてくると、十勝岳温泉への分岐に到着である。中学校の団体登山が行われていようで、かなりの賑わいである。

 すぐさま富良野岳へのピストンに向かうが、いきなり浮石の多いザレた斜面の急登で、頭上を行く中学生たちがどんどん落石をしてくれるので、危なくてしょうがない。恐怖のあまり無謀なペースで中学生をやりすごしたため、以後バテバテとなる。しかもニセピークにも惑わされ、ピークに着いたときにはヘロヘロであった。おまけにここも人、人、人で全く落ち着かず、すこし南の支峰まで行って、休憩することにする。

富良野岳山頂。人が多い

 ようやくほっこりすると、いつのまにかガスは切れており、眼下の原始ヶ原やその背後に広がる広大な原生林に目が行き出す。それにしても十勝岳のなんと遠くに見えることか。我ながらよくやったと思う。

 大休止の後、帰路につくが、またもや大渋滞で、今度は自分が落石を起こさぬよう、細心の注意を払いつつ、下降する。分岐に戻り、十勝岳温泉への長いトラヴァースルートに入ってもこの状態は変わらず、閉口する。それでも鮮やかな新緑?!の間を縫っての歩行であり、大満足のうちに山行を終えたのであった。

十勝岳温泉にて

 上ホロの崩壊具合が凄いです。
 温泉でひと風呂浴びてから、この後の斜里岳に備え、まずは旭川に出た。

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諸国名山探訪

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