−山は4連続ガスガス。しかし、気仙沼、釜石の魚、前沢牛、仙台牛タン… 旅のエンゲル係数高すぎ…−
旅の概要
日 程 | 2007年10月7日(土)〜10日(水) | |
メンバー | Wヒロシ(I.ヒロシ+F.ヒロシ) | |
京都(前夜発)〜仙台〜大和〜船形山登山〜大崎〜一関〜気仙沼 | 気仙沼〜大船渡〜五葉山登山〜釜石〜遠野〜花巻〜道の駅「はやちね」 | 道の駅「はやちね」〜早池峰登山〜花巻〜平泉〜前沢〜焼石岳中沼登山口 | 焼石岳中沼登山口〜焼石岳登山〜仙台〜京都(翌日) |
旅行記
10/7 晴れ時々曇り
新潟県中越沖地震の関係で、高速道路の路面が波打っているらしく、京都から仙台への夜行バスは、定刻より30分以上遅れての到着となった。
駅東口のトヨタレンタカーで今回の愛車となるシエンタをゲットし、予定通りまずは船形山へ向かう。市街を抜け、泉ICから大和ICの一区間だけ東北自動車道を走行し、升沢に沿って、船形山麓に分け入る。
旗坂のキャンプ場へは舗装路が続き、順調に到着。ここから歩いても良かったのだが、時間の関係で、船形山への最短コースとなる大滝野営場へ進むことにする。しかし、ここから先の車道がヒドかった。右折し、小荒沢林道に入るが、先日の台風被害の影響もあるのか、ダートの林道は大荒れ、車の底を打ちまくるが、レンタカーで良かった。(すんません)
岳山林道の舗装路に合流し、ホッと一息。すぐに大滝野営場に近づくが、路肩には延々と車の列が… 無謀にも終点まで突っ込んだら、幸運にも今まさに下山するという車の後にもぐりこませる事ができた。
無事に一山終了。しかし、また林道に悩まされる、岳山林道は、小荒沢林道の合流点以降は、またもやダート。スピードが上がらず、果てしなく感じる林道走行を経て、夕暮れの色麻町へ着陸。これまた果てしなく広がる耕作地の中、一本道が夕焼けの向こうに伸びていく。北海道にいるのではと、一瞬錯覚するほど。
明日は太平洋側の五葉山に登ろうと思っているので、どうせなら海の幸を堪能したい。と言う訳で、この日は気仙沼辺りで寝ることにするが、高速に入るまでに大崎市の「ひまわり温泉花おりの湯」に寄り道。正直、都市近郊によくある、ホンマに温泉かどうか良く分からない日帰り入浴施設かなと思っていたが、源泉掛け流しのなかなかグッドなお湯でした。シャワーの湯も源泉という徹底振りには脱帽です。非常にやわらかいお湯で、なかなか風呂から上がる気がしなかった。
古川ICから東北道を北へ。一関ICから通称気仙沼街道のR284でひたすら東へ。夜行明けで一山終えた身にはかなりきつかったが、これもお魚のためである。
7時過ぎにようやく気仙沼へ。しかし、中心市街地は他の田舎町と同様、ゴーストタウン状態(失礼) 今夜のお魚食いは絶望的かと思われたが、港のふれあい公園に来てみると、イベントが行われていて、ここでスタッフのオバチャンにうまい店を聞いてみると、絶対のお勧めということで、「福よし」さんを紹介してもらった。
今晩のねぐらとなる港の駐車場に車を止め、勇躍「福よし」へ。面倒くさいので5000円のおまかせをチョイス。
烏賊の腑味噌焼きと毛がに。イカは酒のアテとしては最高!!!
毛がにの甲羅には身とカニミソがびっしり詰められていた。
潮の香りが鼻腔を直撃。
刺身盛は戻り鰹、秋刀魚、そしてフカの心臓!!! この微妙なコリコリ感は絶品。ヤバすぎ。
そして、この店のウリの一つは、炉端での焼き魚。このカレイも一瞬にして骨だけになってしまった。
どれも素晴らしかったが、このキンキの焼きは、超ヤバかった。油の乗ったプリプリの身に二人とも無言になる。当然ながらこれも数分で骨だけに…
まだまだメニューが出てきそうだったが、お腹いっぱいで無念のギブアップ。この店絶対にもう一度来ますよ!
気仙沼湾の神明崎の先にある。ライトアップされていたので、フラフラと寄ってしまった。何でも気仙沼湾が日本百景に選ばれた記念に建てられたらしい。
シエンタをフルフラットにして就寝。しかし、このシエンタ、フラット具合が甘く、翌朝、二人とも腰が破壊された…
10/8 雨後曇り
予報では昼過ぎから雨ということになっていたが、目が覚めると雨が… しかも反り気味のシートでの睡眠を余儀なくされた我々は、二人とも腰が伸びきってしまい、なかなか起き上がれない。
意を決して動き出す。悪天候で北の港町のムード満点のR45を北へ。大船渡市で内陸に入り、ますます寂しくなる山の中へ分け入る。五葉山の登山口となる赤坂峠へは最後まで快適な舗装路が続いた。雨はより激しくなったようだ…
とにかくずぶ濡れなので、風呂風呂〜。行きから目を付けていた「五葉温泉」へ直行。赤坂峠からは車で20分もかからない。
三陸海岸初の天然温泉らしいです。山は正直悲惨だったけれど、昼前に一山終えて、のんびりとお風呂に入るのは最高ですな。
温泉のすぐ近くに、山中には不釣合いなほどの巨刹、長安寺があったので、寄り道してみる。東北随一といわれる山門は、当時ご禁制だったケヤキ材を使ったため、伊達藩から建築を禁じられ未完のままとなっているが、とにかく豪壮な建築物に感動。
参拝後はとりあえず釜石で魚でも喰らおうと、車を北へ。雨はすっかり上がり、晴れ間も覗くほどに。五葉山での暴風雨は何だったのか?
釜石駅前のサン・フィッシュ釜石2Fの食堂でゲット。まずまずでした。
明日は早池峰でも行くか。そうとなれば遠野に寄ってくことに。開通したばかりの釜石自動車道で1時間ほどでスムーズに遠野へ。
遠野は18年前の夏の一人旅でレンタサイクルで汗だくになりながら、1日中走り回った思い出の町。
写真を見比べると、すっかり別人になってしまった…
デンデラ野は昔60歳になった老人を捨てた場所らしい。物寂しげな原っぱが広がっている。
この他、コンセイ様や五百羅漢を巡る。やっぱり真夏に来るより秋の方が雰囲気がグッと増すような気がする。大満足の再訪だった。
旨そうなメシを探して花巻付近をうろうろするが、この日はなぜか普通の焼き肉屋へ。それでも盛岡(風)冷麺をゲットしてご満悦。
花巻近くの道の駅「とうわ」にある東和温泉でのんびりした後、明日の早池峰に備えて、早池峰ダム湖畔にある道の駅「はやちね」まで前進、ここで寝た。明日は晴れるとの予報だが、寒気が心配…
10/9 曇り後晴れ
曇っているが、気にせず出発。岳集落には昔は無かった大駐車場が整備されていた。シーズン中はマイカー規制がかかり、ここからシャトルバスで入山しなければいけないらしい。この日は当然関係なくさらに奥の河原ノ坊登山口へ車を進める。
結局、早池峰もスカッと晴れることはなかったが、過去は振り返らず我々は先へ進む。明日は焼石岳を予定しているので、とりあえず南へ向かうことにするが、途中の前沢という地名が目に留まる。ここは当然「前沢牛」とナビをロックオン!!!っと思ったが、まだ昼前なので、とりあえず平泉を観光することに。
東北道を南下。天気がどんどん良くなってきた… 過去は振り返らないはずの我々だが、秋の陽を浴びて黄金色に聳える早池峰を何度も振り返り、恨めしげに平泉を目指すのであった。
前沢牛の夕食に備えるため、昼食は平泉駅前の蕎麦屋で軽めの調整。毛越寺へ。
色づき始めた木々が大泉ヶ池に映える。まさに極楽浄土。私は3度目になりますが、何度来ても良いです。
「夏草や 兵共が 夢の跡」 高館に建つ義経堂からの展望は素晴らしい。
そしてメインの中尊寺へ。
金色堂はもちろん素晴らしいのだが、3度目ともなると衝撃度は低い。それよりも隣にある白山神社の能楽殿や拝殿の方が印象に残った。
写真の拝殿の正面にある輪は、茅の輪(ちのわ)と言って、これをくぐり通ることによって疫気を祓うとされている。
さあ、前沢へ。頭の中はもう完全に肉一色。店はガイドブックで「肉料理おがた」と決めていた。完全に入れ込んだ状況で町の中心部に侵入。夜の営業時間開始まで1時間も早く着いてしまったので、近くのイオンで明日の作戦物資を調達。
さあ、突撃しますよ!
個人的にはワサビ醤油が一番。トロトロの食感がヤバすぎ〜
焼肉本番へ。カルビ、ロース、ホルモンをセレクト。
このために山旅をやってるんです。ええ。
追加注文を重ね、2人でお会計2万円を遥かに越えた…
私はいつものようにベロベロで、運転をI氏に押し付け、焼石クアパークひめかゆへ。
ここの湯はヒットだった。アブラ臭の塩辛い湯でホンマに体がポカポカ温まります。
入浴後は明日の焼石岳に備え、中沼登山口まで暗闇の林道へ突っ込むが、途中びっくりしたのが、胆沢ダムの工事現場だった。もう8時半を回っているのに、光々とした明かりの下、ガンガンに工事をやっていた。なんかSF映画を見ているようだ。
平成25年完成予定で、ひめかゆの掲示板には、この10/21にダム堤体盛立量50%達成を記念して「胆沢ダムフェア」が開催されるらしい。(そんなのが記念になるのか…) 完成後は上流の石淵ダムも丸ごと飲み込むほどの我が国最大級のロックフィルダムとなる。まだこんなダムを作ってるんですね。必要あるのかな…
中沼登山口までの林道は、実は昨日、奥州市に問い合わせたところ、台風の被害で通行止めとのことだった。しかし、突っ込んで聞いてみると、仮復旧はしているが、何かあったら困るので、通行は遠慮して欲しいとの、いかにも役所っぽい答えだった。同じ役人の我々にそんな曖昧な答弁は通用しない。果たして林道は何の問題も無く、登山口まで導いてくれたのであった。駐車場で爆睡。
10/10 曇り後晴れ
今日も曇り、って言うか、小雨も… もう慣れました… 気にせず出発準備を進める私たち。
ピークはやっぱりガスってしまったが、素晴らしき紅葉を味わい、及第点の登山だった。
この日もひめかゆの湯に浸かる。湯船から秋の空を眺め、「素晴らしき休日の終わり」に少々感傷的になってしまう。
さあ、仙台へ戻ろう。平泉前沢ICから一気に仙台宮城ICへ。まだ時間があったので、市内観光へ。仙台にはもう5回位来ているのに、青葉城すら行ったことが無かったのだ。
右翼の私には本丸址にある護国神社の資料館が最高でした。大和の巨大模型もあったし。
続いて正宗公の墓である瑞鳳殿へ。きらびやかな造りはまさに桃山様式。惜しくも戦災で消失し、現在の建物は昭和54年に再建されたもの。拝観終了直前で、参拝客は我々のみ。旅の終わりに相応しい静かな参拝だった。
4日間のお付き合いだったシエンタを返し、仙台駅構内にある郷土料理屋のタン塩焼きで最後の酒盃を上げた。そして高速バスに乗り込み、京都までワープ! 充実の旅が終わった。
諸国名山探訪
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