−阿騎野を目指す歴史ハイク−
山行概要
| ２００７年２月７日(水) | |
| 宇陀古道 | |
| 快晴 | |
| 単独 | |
| 近鉄桜井駅=0:40=舒明天皇陵=0:45=栗原寺跡=0:25=半坂峠=1:00=薬の館=0:15=あきのの湯=0:35=阿騎神社=0:15=道の駅「宇陀路 大宇陀」【3:55】 |
記録文
久しぶりに早朝の桜井駅に降り立つ。馴染みの駅前アーケードを西に進む。早朝なので、閉まっている店が大部分なのは、当然としても、恐らく開店時間になってもほとんどのシャッターは閉じたままなのだろう。
今日は、「宇陀の道」を歩く予定だ。しばらく味気ないＲ１６６をひたすら西へ。
バス停「外山（とび）」のすぐ近くに建つ古社。境内には「能楽宝生（ほうしょう）流発祥之地」の石碑が立っていた。
少し進むと忍阪の集落。ここで旧道に入ると、一気に古の雰囲気が匂い立ち、気分良く進む。
旧道からさらに山手へひと登りで、天智、天武天皇の父である舒明天皇の陵が姿を現す。周囲の山林と調和のとれた厳かな御陵であった。
続いて近くの石位寺に寄り道。急傾斜で今にも崩れそうな細石段を慎重に登ると目の前に本堂が現れる。重文の「石像浮彫薬師三尊像」を拝むには事前の申し込みが必要だったようだ。残念。
Ｒ１６６に再び沿う。排気ガスに辟易としながら、ゆるやかに登って行く。このまま進むとずっと車道のまま女寄峠を越え、宇陀に至ってしまうのだが、近畿自然歩道の「粟原寺跡へ」の道標を発見。これ幸いと南側の山手に進む。
粟原の集落の中を縫うように進む。結構な登りの果てに寺跡へ。仲臣朝臣大嶋が草壁皇子のために建立した寺で、三重塔？の礎石が残る。周囲の疎林がなかなかいい雰囲気で、しばし休憩。
さあ、宇陀へ。道標に従い、薄暗い植林帯の中を軽四輪ならぎりぎり走行できなそうな幅員のダートをひたすら登る。
ようやく登りが尽きる。「男坂傳稱地」の石碑が立つ半坂峠にようやくたどり着いた。神武天皇が即位前に男軍を置いたと日本書紀に記録がある峠である。体からは湯気が立ち上る。
宇陀側へ下山すると、すぐに明るい耕作地に飛び出し、車道に合流。桜井側との対比に驚く。眼下に宇陀のまちなみが広がる。
しばらく車道を進むと再び近畿自然歩道の標識に導かれ、山道へ。
林の中のしばしの下りで徳源寺に降り立つ。
１６３２年、信長の次男、信雄の菩提を弔うため４男の織田出雲守高長が京都の北野から古寝殿を移築したものを本堂として創建したらしい。
ここからはいよいよ宇陀の町並み歩き。１５年前にも一通り歩いたはずだが、完全に記憶が消去されており、見るもの全てが新鮮である。この城門をくぐると一気に旧いまちなみに包まれる。タイムスリップしたかのようだ。
薬問屋を営んでいた「旧細川家住宅」を宇陀市が管理し、歴史文化館として公開している。細川家２代目の細川治助の二女「満津」の長男「友吉」が、明治15年に藤沢家の養子となり、藤沢薬品株式会社(現在のアステラス製薬)を創設したとのこと。
受付のおばさんとしばらく話し込む。「京都から来て、桜井から歩いてきた」と言うと、無茶苦茶褒められて、こちらが恐縮するほどだった。
一通り町並みを巡った後は、いつものように温泉へ。道の駅「宇陀路 大宇陀」から小高い丘を登っていくと、保育所や体育館等、近未来的なスタイルに統一した公共施設群が立ち並ぶ一角に大宇陀温泉あきのの湯も建っている。
昨年の１月に榛原町等と合併し、大宇陀町から宇陀市になったので、合併特例債をフル活用したと思われるが、それにしても、あまりのハコもの行政全開振りに、よそ者の私が心配になるほどであった。
併設のレストランでビールと地鶏を堪能してから、平日でガラガラの大浴場を満喫。都合３時間近くここにいてしまった。湯上りの火照った体に冷気が気持ちよく、再び周囲を散策。
阿騎神社近くからの撮影。
神武天皇がこの地で朝日を背に日神（天照大神）の威勢をかり賊軍を打ち払い、武運を開かせ給ふとのこと。
歴史のロマン溢れすぎる阿騎野はやっぱり最高！ この後も万葉公園に人麻呂を想い、道の駅にあるバス停に戻った。
久しぶりに爽快な気分を味わった古道歩きだった。
参考タイム
| 2/7 | 近鉄桜井駅 9:00 ⇒ 9:15 宗像神社 9:15 ⇒ 9:40 舒明天皇陵 9:45 ⇒ 10:30 栗原寺跡 10:35 ⇒ 11:00 半坂峠 11:05 ⇒ 12:05 宇陀市歴史文化館「薬の館」 12:30 ⇒ 12:45 大宇陀温泉あきのの湯 15:25 ⇒ 16:00 阿騎神社 16:10 ⇒ 16:25 道の駅「宇陀路 大宇陀」 |
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