−酷暑の九州で無謀登山 平成新山の迫力には畏怖を感じた−
山行概要
2003年8月9日(土) | |
雲仙 | |
晴れ時々曇り | |
単独 | |
仁田峠=0:25=紅葉茶屋=0:10=普賢岳=0:10=紅葉茶屋=0:15=国見岳=0:15=妙見神社=0:15=仁田峠【1:30】 |
記録文
週明けの月、火に出張が入った。しかし場所は博多… 真夏の低山歩きは栂海新道で懲りたばかりだったが、いつも機会は最大限生かすことにしているので、レンタカー等を慌てて手配する。
そして直前になって、別の問題が発生。台風10号が直撃し、予約していた金曜の晩の特急「あかつき」が運休になってしまった。今度ばかりはさすがに止めようと思ったが、雲仙に登るだけなら、時間的には何とかなりそうなので、当日の朝一の「のぞみ」で向かうことにした。
暴風が吹き荒れる中、京都から鈍行で新大阪に向かう。新大阪始発の便だったので、何とか定時に発進し、定刻の9時過ぎには博多に着くことができた。
台風は抜けたはずだが、博多の街にはまだ小雨が降っていた。駅レンタカーは駅ビルの屋上パーキングから発進するという、いかにも大都市らしいもので、おかげで非常に分かりにくく、駅構内を右往左往してしまった。
手続きに手間取り、10時前に博多を出発。大宰府ICから九州・長崎自動車道で一気に諫早ICへ。途中、川登SAで昼食をとる頃には、いかにも九州らしい濃い青空が広がってきた。
大村湾の青さが印象的な諫早ICから、R57で雲仙を目指す。諫早市はその地形的に交通の要衝であるのか、かなり渋滞しており、市内を抜けるのにかなりの時間をロスしてしまう。
小浜温泉で海岸を離れ、山に向かって登り出す。高校の時以来、約20年振りの雲仙温泉街を抜け、一方通行の仁田峠循環道路へ。四囲の海を見下ろしながらの快適なドライブであっけなく標高約1,100mの仁田峠へ。「駐車は1時間以内にお願いします」の看板が掲げられているが、この日は車もまばらで、少々の時間オーバーはご容赦願うことに。
長い前置きの後、ようやく山登りとなる。正直、京都から7時間余りを要したここまでのアプローチが成功した時点で、9割方は登頂成功といった感じではある。
ロープウェイ駅の前から登山道に入る。妙見岳の山裾をトラヴァースしていく。深い緑に覆われ、直射日光を遮ってくれるので、暑さはまだマシだが、それでも10分ほど歩いただけで、汗が噴き出してくる。
折りしもインターハイの山岳競技が行われているようで、200人位とのすれ違いに5分程を要すということもあったが、特に問題なく紅葉茶屋と呼ばれる普賢岳の登り口に到着。(特に茶屋が建っている訳ではない)
ここから一気の急登となる。今回ほとんど空荷で登っているので、あっと言う間に背後の妙見岳と肩を並べる高さに到達。急に傾斜が緩やかになると、目の前がパッと開け、テレビや本で何度も目にしてきた平成新山が圧倒的なボリュームをもって目に飛び込んできた。ここがピークの肩のような所で、ピークはすぐそこだ。
平成新山が盛んに噴煙を上げている。今にも噴火するんじゃないかと少し心配になる。両サイドには島原湾と橘湾がかなりの高度感をもって見下ろせ、いかにも半島の山らしい。
満足して来た道を下る。紅葉茶屋で今度は国見岳へのルートをとり、ゆるやかに登り返して妙見岳と国見岳を結ぶ稜線に登りつく。国見岳へは距離は短いながらも先ほどの普賢岳以上の登りが待っている。固定ロープが何箇所も設置されているような急峻な登りを頑張ったが、やっとピークに着いた時には残念ながらガスに覆われてしまった。
慎重に分岐へ下り、稜線をそのまま妙見岳に向かう。「ドドド…」と急にキジが目の前を駆けていく。さほどのアップダウンもなく妙見神社へ。
妙見岳へのルートがあるはずだが、入口は閉ざされており、「危険のため立ち入り禁止」の看板が掲げてあった。
ロープウェイを見上げながら、急坂を下り、仁田峠へ帰還。汗が乾く間もなく、少々駆け足で車を走らせる。と言うのも、半島南部にあり、島原の乱の舞台となった原城跡にどうしても行きたかったからである。
雲仙と口之津町とを結ぶ国道をぶっ飛ばし、口之津から島原湾に沿ってドライブを続けると、原城跡を示す大きな看板が現れ、スムーズに本丸跡手前の駐車場に車を滑り込ませた。
本丸跡は島原湾に突き出た台地にあり、セミの大合唱をバックに夕陽に輝く島原の海を眺める。夕暮れの時の美しさから、日暮城と呼ばれたのも実感できる。関西からはそう易々と行けるところではないので、歴史の香りと相まって、旅情がしみじみと湧いてきた。
本丸跡内にある天草四郎の墓に参ってから、島原へ向かう。途中、各所でキリシタン墓地やセミナリヲ跡等の案内板が現れる。島原の町は以前訪れたことがあるので、今回は通過。雲仙の噴火以降、各河川に強烈に整備された砂防堰堤が、以前訪れたときとは全く違っていた。
さらに海沿いのドライブを続ける。半島をグルッと回りこみ、高校サッカーで有名な国見の町へ。平行して走る黄色い一両のみの島原鉄道がローカル色を強める。
ようやく諫早市に戻ってきた。島原半島をほぼ1週したことになる。明日は多良岳に登るつもりなので、R207で有明海に沿って北上する。
佐賀県に入ったところで、「太良嶽温泉 ホテル蟹御殿」があり、ここで一浴。有明海の夕陽を眺めながらの露天風呂は格別だった。
コンビニを確かめながら、登山口の太良町に到着。今夜は役場の駐車場に寝るつもりで、その前に腹ごしらえと、役場近くの「すみれ茶屋」という鉄板焼きの店に入ったところ、いつしか地元の人の宴会に巻き込まれ、気が付けばここの店主で町会議員である方と地方分権の話で盛り上がってしまい、結局、ここの店内の座敷で寝かしてもらうこととなった。いつまで学生みたいなことをやっているのか?と自分にはほとほと呆れ返ってしまうが、思いっきり爆睡してしまった。それでもかなり、酒は残りそうで、明日は大丈夫か…
翌日の「多良岳・天山・背振山」へ。
参考タイム
8/9 | 博多 09:50 ⇒ 13:30 仁田峠 13:35 ⇒ 14:00 紅葉茶屋 14:00 ⇒ 14:10 普賢岳 14:20 ⇒ 14:30 紅葉茶屋 14:30 ⇒ 14:45 国見岳 14:50 ⇒ 15:05 妙見神社 15:10 ⇒ 15:25 仁田峠 15:30 ⇒ 16:20 原城跡 16:35 ⇒ 18:35 太良嶽温泉 19:05 ⇒ 19:30 太良町 |
山行データへ
諸国名山探訪
Copyright(C) Hiroshi Fujita All right reserved