−桜満開の時期に、宇治市内をのんびり散策−
山行概要
2017年4月15日(土) | |
宇治 | |
曇り一時雨 | |
単独 | |
京阪宇治駅=0:15=宇治上神社=0:15=仏徳山=0:10=興聖寺=0:20=天ヶ瀬吊橋=0:05=紅葉谷入口=0:20=白山神社=0:35=京阪宇治駅=0:10=京阪三室戸駅【2:10】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
近年では珍しく、桜の花持ちが良く、4月中旬になっても散らずに残っている。そして、天候不順が続く中、久しぶりに休日に晴れの予報が出た。
こうなると、居ても立っても居られなくなるが、夕方に職場関係のイベントがあるので、あまり遠出はできない… そこで、この何十年と訪れていなかった、近くの宇治を訪れることに。
7時過ぎに起床し、のんびり朝食を取ってから出発し、京阪を乗り継ぎ、宇治駅には8時半に到着。
宇治川右岸に沿って静かな住宅街を進んでいくと、すぐに宇治神社が現れる。
宇治神社は、「延喜式」神名帳において、山城国宇治郡に「宇治神社二座」の記載があり、それぞれ当社と、すぐ隣の宇治上神社に比定される。後に近くに平等院ができると、両社はその鎮守社とされたという。
明治以前は宇治神社は「下社」・「若宮」、宇治上神社は「上社」・「本宮」と呼ばれたほか、両社を合わせて「宇治離宮明神(八幡宮)」と総称された。
本殿は、三間社流造の檜皮葺きで、鎌倉時代後期の造営とされ、国の重要文化財に指定されている。
宇治神社から山手に少し入ったところに、宇治上神社が鎮座する。
世界遺産にも登録されている由緒ある神社としては、境内も狭く、こじんまりとしている。御朱印をいただこうと思ったが、9時からだったので、のんびりと境内を散策する。
拝殿は、鎌倉時代前期の造営で、寝殿造の遺構といわれ、切妻造の檜皮葺き。屋根は切妻造平入りの屋根の左右端に片流れの庇屋根を設け、切妻屋根と庇屋根の接続部で軒先の線が折れ曲がっており、こうした形を縋破風(すがるはふ)と称する。内部は板床と天井を張り、蔀戸を多用した住宅風の構えであり、本殿と同様に国宝に指定されている。
本殿は平安時代、1060年頃のものとされ、「現存最古の神社建築」と言われている。
檜皮葺きの建物内に、一間社流造の内殿3棟が左右に並び、左殿(向かって右)に菟道稚郎子命、中殿に応神天皇、右殿(向かって左)に仁徳天皇を祀っており、国宝に指定されている。
無事に御朱印を頂戴し、近くの「源氏物語ミュージアム」に寄り道。これまで、ちゃんと読んだことは無かったが、そういう部署に異動したことだし、一度読んでみようかな…
ミュージアムを後に、仏徳山(大吉山)に登る散策路に入る。東海自然歩道であり、大きな九十九折れの歩道が整備されており、緩やかなに登っていく。イラちな私には、「急で良いから、直登してくれ!」と思ってしまうほどの緩やかさである。
歩道を登り切ると、展望台があり、平等院をはじめとする宇治の市街と、京都府南部の景観が広がる。
仏徳山山頂へは、自然歩道をいったん離れ、階段を急登する。ピークは展望全くなし。標識だけが寂しく立っていた。
自然歩道に戻るが、すぐに西笠取への分岐で自然歩道と別れ、興聖寺に向かって、ゆるやかに下っていく。
興聖寺は、日本曹洞宗最初の寺院で、もともと天福元年(1233年)に、道元が深草の地に開創したもの。その後、比叡山延暦寺の弾圧を受け、寛元元年(1243年)、道元が越前に下向して以降荒廃し、住持4代で廃絶した。その後慶安2年(1649年)、淀城主の永井尚政が万安英種を招聘して5世住持とし、朝日茶園のあった宇治の現在地に復興したのが今ある興聖寺である。
趣ある参道を下り、再び宇治川畔へ出る。右岸沿いの静かな舗装路を遡ると、程なく天ヶ瀬吊橋に出る。
天ヶ瀬吊橋は、1942年の架橋で、50mを超える長大な吊り橋であり、橋上からの天ヶ瀬急流の景観に思わず見入ってしまう。
吊橋で宇治川の左岸に渡り、しばらく川を下ると、紅葉谷入口を示す道標が現れ、左折し渓流を遡っていく。昼も薄暗い緑深い渓谷は、名の通り紅葉の名所らしいが、目下の新緑も素晴らしい。
遊歩道の終点で谷を離れ、舗装路に出合う。そこには九重石塔が建つ。
この九重石塔は、鎌倉時代に建立され、藤原頼通の娘・四条宮寛子の供養塔と伝えられている。高さ1メートルほどの花崗岩製で、基礎の背が低く、細長い格狭間が入っている女性的な感じの層塔である。
そして、すぐ近くには白山神社が建つ。この辺りは、平安時代、四条宮寛子が、七間四面に金をちりばめた金色院を建立し、周囲には多くの堂塔や坊舎があったといわれている。
白山神社は、その金色院の鎮守社で、古くより雷除け、歯痛、疱瘡治癒の信仰を集めた。拝殿は、住宅風の古建築で宇治離宮の遺構と伝えられ、国の重要文化財に指定されている。
拝殿の裏にある本殿は、一間社流造で、檜皮葺きの建物。
天気予報は外れ、小雨が降りだす。旧金色院の惣門をくぐり、急ぎ足で集落の中を宇治川に下っていく。
宇治川には、先ほどの紅葉谷入口から、わずか50mほど下流のところに飛び出し、以降、宇治川左岸沿いを淡々と進み、平等院を横目に見ながら(あまりの人混みに、平等院参拝はパス)、京阪宇治駅に戻った。
本来、ここでゴールだが、隣駅の三室戸駅前に「三国志」という、麻婆豆腐専門店があったので、一駅歩いて、ここでフィニッシュとなった。
参考タイム
4/15 | 京阪宇治駅 8:35 ⇒ 8:45 宇治神社 8:45 ⇒ 8:50 宇治上神社・源氏物語ミュージアム 9:30 ⇒ 9:45 仏徳山 9:45 ⇒ 9:55 興聖寺 10:15 ⇒ 10:35 天ヶ瀬吊橋 10:35 ⇒ 10:40 紅葉谷入口 10:40 ⇒ 10:55 九重石塔 10:55 ⇒ 11:00 白山神社 11:05 ⇒ 11:40 京阪宇治駅 11:40 ⇒ 11:50 京阪三室戸駅 |
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