若桜鬼ヶ城跡・若桜宿

−カニが目当ての日本100名城・続日本100名城の旅2日目−

  

山行概要

日 程
2019年12月15日(日)
山 域
若桜鬼ヶ城跡・若桜宿
天 気
雨後曇り
メンバー
単独
コースタイム
若桜鬼ヶ城跡駐車場=0:15=若桜鬼ヶ城本丸跡=0:20=若桜鬼ヶ城跡駐車場【0:35】 道の駅「若桜」=0:05=若桜駅=0:05=蔵通り=0:20=道の駅「若桜」【0:30】

記録文(写真はクリックで拡大)

 昨日の鳥取城跡に続く、鳥取の名城巡り2日目。この日は若桜宿に向かおうと思う。帰りは、15時前に鳥取駅を発つ「スーパーはくと10号」であり、鳥取駅周辺で、もう1発呑むことを考えると(笑)、時間はあまりない。
 と言う訳で、最近、重宝している、「タイムズカーシェア」をこの日も利用することとし、6時過ぎに鳥取駅前を発進する。
 まだ夜も明けぬ中、快調に若桜宿に到着したが、天気は快調でなく(涙)、時雨て来た… 目指す若桜鬼ヶ城跡へは、若桜宿から3〜40分ほどかけて、直接登ろうと思っていたが、天気予報では曇りであり、とりあえず様子を見ようと、先に天然の岩窟内にある舞台造りの建物で、国の重要文化財に指定されている、不動院岩屋堂を先に回ることにし、R29をさらに播州方面へと八東川に沿いながら車を走らせる。

不動院岩屋堂 7:01

 支流の吉川川が合流する箇所で右折し、吉川川沿いに少し進むと、不動院岩屋堂に到着。雨が降り続く中、堂宇したへ。
 不動院岩屋堂は、高さ約13m、間口約7m、奥行約10mの天然の岩窟に嵌め込まれるようにして造られた寺院建築で、建物の高さは約10m、桁行(けたゆき:幅)、梁間(はりま:奥行)ともに約5mで、前面を入母屋造、背面を切妻造とする、舞台造の建物である。
 三朝町にある三徳山三仏寺の投入堂及び宇佐市の龍岩寺奥院礼堂とともに、「日本三大投入堂」の一つとされる。
 地元に伝わる「書上帳」によれば、大同元年(806年)の創建という。中世以前、本寺は寺領150石を有すとしていた妙見山神光寺の大伽藍の一部であったが、天正9年(1581年)の秀吉の因幡侵攻により焼失し、岩屋堂だけが残ったといわれる。
 現在の堂は鎌倉時代初期の源頼朝による再建と伝わるが、解体修理の結果、室町時代初期の建立と推定されている。また、本堂の不動明王は、弘法大師が33歳の時に刻んだもので、「日本三大不動明王」の一つとされている。

不動院岩屋堂と岩屋神社 7:03

 岩窟の下には、岩屋神社がひっそりと建っている。
 満足して、若桜宿に戻るが、雨が小雨になってきたので、車で若桜鬼ヶ城に登城しようと、城のある鶴尾山をぐるっと反時計回りに回りながら、車で登って行けば、城跡の馬場手前にある駐車場に到着した。ここから歩き出す。何とか雨は止んだようだ…

二の丸からの本丸 7:44

 ダートの道がしばらく続くと、平坦な馬場跡に到着。ここまで車で入ることができる。
 馬場からは、歩道となり、いったん緩やかに下ってから、登り返すと、「ホオズキ段」と呼ばれる、本丸南側直下の郭に到達。史跡保護のための鹿除けの電気柵を簡易扉で抜け、本丸下の犬走りを時計回りに北側まで回り込むと、二の丸に到達。

本丸からの眺望 7:47

 二の丸から本丸はすぐ目の前。
 一段上がって本丸に入ってみると、素晴らしい展望が待っていた。残念ながら、左奥方面の氷ノ山は確認できなかったが、左右に延びる街道筋(左:但馬街道、右:播磨街道)が一望で、この城がこれら街道筋を押さえるための格好の地にあることが良く分かる。

三の丸からの眺望 7:51

 本丸から二の丸に戻り、さらに北側一段下の三の丸へ。若桜宿側なので、街並みが直下に見える。
 若桜鬼ヶ城は、正治2年(1200年)頃、駿河国より入封した矢部暉種によって、鶴尾山山麓部に築城された(古城部)。以降、戦国時代末期まで矢部氏16代の長きにわたって居城となるが、天正3年(1575年)6月、尼子再興軍を率いていた山中幸盛の謀略によって城主の矢部某が捕らえられ、落城した。同年、吉川元春の攻撃を受け、奪還されるが、秀吉率いる織田軍が因幡国に侵入するとその拠点となり、天正9年(1581年)の鳥取城攻めの後、秀吉家臣の木下重堅が2万国で入城した。
 関ヶ原の戦いで木下重堅は西軍に属して切腹を命じられ、山崎家盛が3万石で入封して居城となった。ちなみに山崎家盛も西軍に与したが、義兄の池田輝政のとりなしもあり、許されている。木下・山崎氏時代に、山頂周辺の近世城郭が整備された(主要部)
 家盛の子、山崎家治は元和3年(1617年)に備中国成羽3万石に移封され、因幡一国は池田氏の所領となったため、一国一城令によって廃城となった。 現在も主要部の石垣には、一国一城令による破城の形跡が見られ、各所で崩れた石垣が確認され、大変貴重な遺構である。

若桜神社へ 8:11

 車に戻り、来た車道を若桜宿方面に戻ると、途中に若桜神社があるので、立ち寄る。
 若桜神社の創建時期は不明だが、社伝によると古くから松上大明神と呼ばれており、元は若桜町内の三倉村の八兵衛谷に鎮座していたが、鬼ヶ城を築いた矢部氏が駿河の国より来往したことを機に、現在の位置に遷ったとされている。
 慶長6年(1601年)、町内赤松村から熊野権現を、三倉村から八幡社を合祀し、祭神とした若桜の氏神様で、若桜城主代々の崇敬を集めるとともに、郡中の大社として崇敬された。

若桜神社拝殿 8:15

 境内は広くシラカシやもみの木の原生林によって鎮守の森が形成されており、「若桜神社社そう」として鳥取県の天然記念物に指定されている。
 車に戻り、若桜宿へ、若桜駅の裏にある道の駅に車を止め、今度は若桜宿の散策開始。駅南東側の若桜交差点で東側から回り込み、若桜駅前に出る。

若桜鉄道若桜駅 8:35

 若桜駅は、若桜鉄道若桜線の終着駅である。
 若桜線は、JR因美線郡家駅から若桜駅に至るローカル線で、昭和5年(1930年)12月に全通し、木材や木炭等の物資輸送や通勤通学の便として大いに活躍したが、旧国鉄の合理化により廃止が決まった。
 その後、住民運動により存続が決まり、若桜町などからなる第3セクターとして、昭和62年(1987年)10月14日リスタートし、現在も地元住民の足として、重要な役割を担っている。
 終着駅の若桜駅には、開業当時の姿をとどめる木造駅舎のほか、機関車を方向転換させるための手動式転車台や給水塔などの設備が残されており、レトロな雰囲気が漂っている。平成20年(2008年)6月には若桜駅を含む23の施設が国登録有形文化財に指定された。
 若桜鉄道では現在も硬券切符を使用するなど、鉄道ちゃんの聖地になっている。

蔵通り 8:41

 駅前から延びる道をしばらく進んで、道標に従い左折。古刹が左側に並ぶ細道を進んで行くと、右手に蔵が建ち並ぶポイントに出た。
 かつての城下町の名残として、旧家の白壁土蔵群の通りが約300m残っており、往時の若桜宿の繁栄ぶりが偲ばれる…
 明治18年(1885年)5月に若桜宿のほとんどを焼き尽くした大火が発生した後、11条にわたる地域の取り決めが決議され、その中の一つとして、寺を火災から守るために蔵以外を建てることが禁止され、かつ、寺の本堂や庫裏も道路から16間(約30m)離れた所に建てなければならないと決められた結果、この辺り蔵がまとまって建てられているのだ。
 現在、蔵通りには現在20の蔵があり、約300mにわたって商家の土蔵が連なっており、白壁、赤瓦、板張りどれも妻側を蔵通りに向けている。

浅井番所跡 9:02

 ぐるりと若桜宿を一周してから、道の駅へ帰還。駐車場の奥、若桜駅の構内に隣接した場所に、浅井番所跡があった。
 浅井番所は、文久3(1863年)、幕末の動乱の中、人や物の出入りを監視するため、鳥取藩により、但馬、播磨、美作の各国へ通じる交通の要衝であった、若桜宿の向かいの、浅井集落のはずれに設置された。
 浅井番所には番士9名、下役4名がおかれ、他国から入国する際は名前や行き先を聞かれ、不審者は通行できなかった。また、他国へ出る際も目的や行き先を聞かれた上で番所の印鑑を押した書類が渡され、他の番所からの書類も確認されたという。

鳥取駅前の「スーパー居酒屋 鳥取 だいぜん」さんで昼呑み!@ 11:08

 鳥取駅に戻り、駅前にある「スーパー居酒屋 鳥取 だいぜん」の始業と同時に飛び込む。
 親がに(セコガニ)茹でからスタート! しかし、1杯食うのに骨が折れる。昨日の「味暦あんべ」さんで食した、親がに15杯程度をつかった親がに丼を一気に食べているので、当たり前か(笑)…

鳥取駅前の「スーパー居酒屋 鳥取 だいぜん」さんで昼呑み!A 11:21

 続いて、造り盛り合わせ! これはなかなかお値打ち品でした〜

鳥取駅前の「スーパー居酒屋 鳥取 だいぜん」さんで昼呑み!B 11:34

 勢い余って、おでん盛りを… タケノコが秀逸でした〜

「木の香り」さんで追撃戦!@ 13:52

 まだ電車の時間まで余裕があったので、気になっていた、鳥取名物の薬膳カレーを味わうことに…
 同じく駅前にある「木の香り」さんで、オムライスカレーを発注!

「木の香り」さんで追撃戦!A 13:53

 「人に疲れたみたい」、「金運アップ」など、意味不明のタイトルが付けられた、12種のスパイス群…
 入れまくったが、あまり違いが分からなかった(笑)…
 散々飲み食いし、気が付けば、鳥取駅のホームで爆睡し、「スーパーはくと10号」の発車時刻3分前に起きるという奇跡!(笑)
 車内でも爆睡し、大阪までワープするのは、いつものこと(笑)  充実の鳥取の旅が終わった…


参考タイム

12/15 若桜鬼ヶ城跡駐車場 7:307:40 若桜鬼ヶ城跡 7:558:15 若桜鬼ヶ城跡駐車場
道の駅「若桜」 8:308:35 若桜駅 8:358:40 蔵通り 8:409:00 道の駅「若桜」

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