屋久島

−永田岳直下で不覚にも激しい捻挫… 一時はどうなることかと思いました−

   

山行概要

日 程
1988年3月23日(水)〜28日(月)
山 域
屋久島
メンバー
とくさん(♂)、せいちゃん(♂)、私
コースタイム
3/23
宮之浦(なるみ旅館)=TAXI=白谷雲水峡=1:05=白谷山荘=0:25=辻峠=0:40=小杉谷荘跡=0:50=仁王杉=0:10=大株歩道入口=0:15=翁株=0:05=ウィルソン株=0:40=大王杉=0:05=夫婦杉=0:25=縄文杉=0:05=高塚小屋【4:45】
3/24
高塚小屋=1:20=第一展望台=0:20=第二展望台=0:40=平石岩屋=0:10=平石=0:15=焼野三叉路(宮之浦岳ピストン35分)=1:00=永田岳=1:00=鹿之沢小屋【5:20】
3/25
停滞【1:55】
3/26
鹿之沢小屋=1:10=永田岳直下=0:55=鹿之沢小屋→停滞【2:05】
3/27
鹿之沢小屋=0:30=ローソク岩展望台=0:35=永田岳=0:50=焼野三叉路=0:30=宮之浦岳=0:25=翁岳鞍部=(翁岳ピストン25分)=0:50=投石岩屋=0:10=投石湿原=0:20=黒味分かれ(黒味岳ピストン35分)=0:15=花之江河=0:10=小花之江河=0:10=高盤岳展望所=0:35=淀川小屋【6:20】
3/28
淀川小屋=0:30=林道入口=TAXI=平内海中温泉【0:30】

記録文

 3/21 雨
 この日、大荒れの天候の中、春合宿を九重山の長者原で終了した僕らは、その日のうちに鈍行を乗り継いで何とか鹿児島までたどり着いた。

 3/22 曇り

桜島をバックに錦江湾を進む

 口泳良部島に向かう3人組と一緒に早朝のフェリーで憧れの屋久島へ。6人中、3人が船酔いで倒れるという強烈な揺れに苦しみながらも、何とか昼過ぎに島に到着。なるみ旅館に部屋を確保してから、疲れた体にムチ打って、買い出し、山の情報収集に努めた。

 3/23 曇り
 5時に予約しておいたタクシーが1時間近くも遅れ、白谷雲水峡の美しい渓谷美を充分味わう暇もなく、霧の中をあわて気味で出発。
 白谷山荘、辻峠を経て小杉谷までの道は、いかにも屋久島らしい鬱蒼とした原生林の中を縫うようにしてつけられており九重山を登ってきた僕らにとって、緑一色の世界は強烈だった。

トロッコ軌道

 小杉谷から始まるトロッコ軌道は歩幅が合わず、とても疲れる。(私の足が短いだけという意見もあるが)

大株歩道入口

 ここでやっと軌道から解放され、いよいよ本日のハイライト、屋久杉めぐりが始まる。

ウィルソン株

 出はなの急登を越えると、ウィルソン株が現れる。株の中は小川が流れていて、その中で昼食をとった。

大王杉

 ここからはなおも急登が続くが、大王杉、夫婦杉などが適当な間隔で出現し、あまり疲れは感じない。

縄文杉 申し訳ありません、根元を思いっきり踏んでます…

 そして主役の縄文杉にようやく到着。でかいとは聞いていたがそれでも想像以上の大きさだった。ここで写真を撮りまくったりしてゆっくりする。ここから高塚小屋はすぐそこである。水は縄文杉下より。夜は冷え込んだ。

 3/24 曇り後雨
 5時起床、6時発。暗闇の中、ヘッドランをつけて出発。今日も原生林の尾根道を突き進む。第一展望台では辺り一面真っ白で、強風が吹いている。3人とも『せっかく屋久島までやって来たのに…』ブチブチ言いながら登り続ける。平石岩屋でも寒さに凍えながらのレーション。もう僕は家に帰りたかった。しかし、平石を過ぎたころから強風がピタリと止み、忌ま忌ましいガスがどんどん取り除かれていく。

ガスが一気に切れ、永田岳の勇姿が!!!

 眼前に永田岳の岩峰が姿を表す。我々は狂喜して駆け出した。
 宮之浦岳へは、明日以降の予定コースに入っているので、今日登る必要は本来なかったのだが、屋久島の天気がとにかく読めないので、焼野三又路でザックをデポして、とりあえず突撃することに。

念願の宮之浦岳についに到達

 手に持っているのは「宮之浦賛歌」の歌詞。
 曇ってますが、屋久島の主な山々は全て我が視界に。感激っす。

永田岳

 やっぱり宮之浦岳から見るのが、一番格好いいですね。
 続いて永田岳へ向かう。この辺りはなだらかな屋久笹のスロープが続き、とても気持ちの良いところだ。ただ、踏み跡が2、3あり少しややこしいが、そのいずれもピークに到達しているので心配はない。

永田岳からの宮之浦岳

 宮之浦岳と永田岳は屋久島の双璧ですね。

永田の集落を見下ろす。この後に悲劇が…

 永田岳の頂は屋久島奥岳から唯一下界が見下ろせる場所で、すぐ真下に永田の集落と海岸線が見え、かなりの高度感が味わえる。

 滞頂中から小雨が降りだし、急いで下山を開始する。が、笹に隠された段差に気がつかず、先頭を歩く私は、思いっきり足を捻って一回転してしまった。
 何とか歩くことはできるが、荷を軽くしてもらうなど、他の2人に大変迷惑をかけてしまった。すんまそん…
 慎重に下山を再開、鹿之沢小屋へは最初はずっと尾根通しに下降していくが、突然左側の潅木帯へそれていくので注意が必要だ。
 鹿之沢小屋は鹿之沢源頭の湿原地に建っていて、小さいがしっかりした造りの小屋だ。水は鹿之沢より直接汲む。我々が小屋に到着したころから雨が本降りとなる。
 靴を脱ぐのに苦労するくらいに、足首は腫れ上がった… とりあえず湿布するしかない。こんな山奥なのに… 下山できるだろうか…

 3/25 雨
 終日滝のような雨が降り続き、文句なしの停滞。
 結果的に、足の回復が進み、良かった。

 3/26 曇り後雨
 朝起きると、雨は止んでいたので出発。足は何とかなりそうだったが、永田岳の直下に登りついた瞬間に嵐となり、ほうほうの体で小屋に逃げ帰った。
 このまま永田歩道で下山かな… それにしても宮之浦岳に登っておいて良かった。

 3/27 晴れ後曇り
 5時起床。外に出てみると星がきらめいている。急いで出発し、好天の予感に胸躍らせながら、まだ薄暗い潅木帯を快調に登る。ここを歩くのはもう4回目。すっかりなじみとなってしまった。

2日ぶりの永田岳、朝日が眩しい

 途中のローソク岩で朝日を拝み、2日ぶりの永田岳へ。やっと晴れました。なんと鹿児島まで見渡せる。目指す屋久島主稜は今ようやくその全貌を太陽の下にさらそうとしているところ。大満足のひととき。
 そして、これまた2日振りの宮之浦岳へ。

宮之浦岳から屋久島主稜を望む

 宮之浦岳のピークでも大展望に恵まれる。空の青と海の碧が遥か彼方で重なり合っている。まさに『洋上アルプス』の面目躍如。ここまで来た甲斐がありました。

投石(なげし)平付近にて

 このころからガスが湧いてきたが、それでも巨石が特徴的な翁岳や投石平の湿原は素晴らしく、疲れは全く感じない。黒味岳へは黒味分かれからピストンとなる。細い踏み跡をたどり、巨石の間を縫って、20分で到着する。

黒味岳から宮之浦岳を望む

 黒味岳では再びガスもきれ、ピークでは今日縦走してきた屋久島の主稜が見渡せた。

黒味岳頂上でのんびりと

 久しぶりに「乾いた」ところで、ゆっくりと寝そべりました。

花之江河(はなのえごう)

 黒味分かれに戻り、えぐれて溝状になっている急坂を下ると、山上の別天地、花之江河の湿原帯が姿を現す。

まさに別天地

 癒し系の景色がたまりません。
 すぐ下の小花之江河はほとんど池にちかい湿原で落ち着けるところだ。ここから淀川小屋まではダラダラとした下りで、小屋には4時ちょうどに到着。とても奇麗で大きな小屋です。
 小屋の横を流れている淀川の雰囲気はとても良く、私は夕食の準備も忘れてずっと河畔に佇んでいた。

 3/28 雨
 またまた5時起床。昨日あれだけ天気が良かったのに、また雨が降っている。しかしそそくさと出発の準備を整えて、下界のメシを頭に描きつつ、雨中へ突入する。霧雨に煙る屋久杉の中を彷徨するのもいいものだ。予定では尾之間歩道を下るはずだったが私の怪我のため予定を変更し林道を下ることにする。小屋からなだらかな道を半時間で林道にでた。ラッキーにもタクがすぐ来て、海中温泉に直行する。

平内海中温泉にて

 海をすぐ間近に見ながらの入浴は格別!!! 長かった山旅の疲れを癒やす。

千尋滝

 滝も迫力ありますが、それよりも滝横の一枚岩が凄いです。
 この後は、タクの運ちゃんに屋久町引き廻しの刑に… 屋久島を二分する上屋久町と屋久町は仲が無茶苦茶悪いらしく、絶対に上屋久町の観光地を案内しようとしないのには、いささか呆れた。
 なるみ旅館に戻り、久しぶりの布団に寝返りしまっくって喜びを爆発!

 3/29 曇り
 ついに屋久島を離れる。帰りのフェリーも相当揺れた。1時間以上も遅れて鹿児島に到着。もうぐったり。息つく間もなく、その晩の夜行急行「かいもん」(当時)で博多に向かう。体を苛めているとしか思えない行程に、さすがに家が恋しくなった。

 3/30 曇り時々晴れ
 爆睡のまま博多に到着。何だかとても元気である。そうなるとこのまま帰るのがもったいなく思えてきて、気分の向くまま、迷走して帰ることに。
 新幹線で倉敷に向かい、倉敷の町をひととおり回る。(正直町並みがわざとらしい感じがして、あまり好きになれなかった…)
 そしてなぜか松江へ向かう。

宍道湖の夕暮れ

 松江城の天守に立つ。松江を訪れた動機はこの城が9割ほどを占めていた。期待通りの渋い佇まいに感動。来た甲斐がありました。
 旅の最後は、分不相応だが松江温泉のホテルに泊まった。ホテルのベランダで暮れゆく宍道湖をボーッと眺める。昨日屋久島にいたことを考えると、今ここにいるのがとても可笑しく感じた。とても一人では食べきれない豪華な夕食に涙し、後は温泉でまったり。いやー最高。

 3/31 晴れ
 いよいよ最終日。鈍行で鳥取に向かう。車窓からの残雪を纏った大山の優美な姿に涙、涙… やわらかな春の日差しを車窓越しに浴びながら、何度かうたた寝をしている間に鳥取に到着。至福の鉄道旅行です。

旅の終わりは砂丘

 やはり砂丘に行きました。風が強くて体中砂だらけになりました…

 鈍行で東へ。雄大な日本海を眺めながらの旅が続く。城崎温泉で途中下車し、外湯に浸かり、志賀直哉の文学碑を見て一人興奮。
 最後は特急で京都へ。九重での春合宿から通算すると15日間の旅がようやく終わった。最後はまさに迷走という感じだったが、まあ、こんな旅もまたよきかな、です。

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諸国名山探訪

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