−「塩の道・千国街道」の一番の難所、大網峠越えにチャレンジ!−
山行概要
2017年5月27日(土) | |
塩の道 | |
曇り後晴れ | |
単独 | |
塩の道資料館=0:40=大ザイの神=0:30=白池=0:25=大網峠=0:45=牛の水飲み場=0:10=横川吊橋=0:25=大網=0:45=いで湯の広場=0:35=葛葉峠=0:20=国界橋=0:10=湯原温泉=0:45=城の越=0:35=JR北小谷駅【6:05】 |
記録文(写真はクリックで拡大)
昨日の塩の道その1(糸魚川〜山口)に続く連戦。
4時に起床し、山口に戻る。いつものように味気ないが、まずは目的地に車で向かい、電車等で出発地に戻ってこようと思ったが、いかんせん、今日の目的地を想定している大糸線の北小谷駅の始発が8時前と遅いうえに、バスとの接続も悪く、山口を出発するのが9時になってしまう。
日が長い時期とは言え、この日のコースタイムは9時間半余りの長丁場であり、時間の余裕が欲しかったので、今回はいきなり出発地に向かったのである(大糸線の本数が非常に少なく、中途半端な時間に着いてしまうと、2〜3時間も電車を待つ悲惨な目に遭うので、できればやりたくないのだが…)。
今日も塩の道資料館の駐車場に止めさせてもらう。天気は晴れの予報だったが、昨日とは逆でどんよりと曇っていて、気持ちが盛り上がらないままのスタート。
最初は車道をゆるやかに登っていく。広い車道と何度か交差するが、道標がないので、何度か迷いかける。とにかく細い車道を真っすぐに登っていけば良い。
ひとしきり登ると、大ザイの神と呼ばれる一本杉が現れる。木の東側が大きく開けており、正面に鬼ヶ面山が大きい。残念ながら雨飾山は雲の中であった。
一本杉のすぐ上から山道に変わる。ジメジメとした暗い樹林帯。早朝ということもあり、熊への恐怖も頭をよぎる。
黙々と登って行くと、正面に円錐形の戸倉山が大きい。藤の花の巨木も見事だ。
戸倉山の東山裾を回り込むように進んでいくと、立派な急傾斜とトイレが建つ白池畔に出た。
早朝と言うこともあり、周囲は誰もいない。秘境ムード満点である。
池を1/4週ほど進むと、湖畔一周の散策路から塩の道が分かれ、大網峠への登り道になる。少し上ると諏訪社跡があり、白池が一望である。
日本海も見える。あそこから来たと思うと感慨深い。ここで日本海は見納めとなる。
残雪もちらほらと現れる中、林に囲まれた角間池を過ぎ、少しの登りで大網峠。
標高800mを超える難所だが、糸魚川方面から登ってきた感想は「楽勝」だった。
往時は、茶屋と宿が建っていたという。
大網宿への長い下りが始まる。最初は普通の峠道で鼻歌混じりで下る。周囲の新緑は素晴らしいが、曇り空なのが惜しい…
菊の花地蔵から、急な沢沿いの下りが始まり、残雪直後ということもあり、道は荒れ気味かつ、雪解け水でルートが沢状になっている箇所もあったりと、あっと言う間に靴は浸水…
牛が水を飲みやすいように、岩をくり抜いてある、牛の水飲み場で一息入れる。それにしても、こんな険路を牛が越えていたとは…
やっとのことで、横川を渡る。この辺りの横川は廊下状になっていて、とてもじゃないが川面を渡ることは不可能で、かなりの高さのところで吊り橋で渡る。
さらにもう一本、枝沢を橋で渡るとダートの車道に出る。この辺り、方向感覚が取りづらいので、地図を熟読する。
ダートを少し進むと、すぐ左手に塩の道の道標が現れ、再び山道へ。杉の植林帯の中を登っていく。小平地となっている六地蔵を過ぎると、大網の集落にやっと到着。
下りでもこれだけ苦労したのだから、大網峠を松本側から越えようとすると、かなり健脚者でないと厳しいと思われる。
さて、大網集落内も塩の道は不明瞭。何度か行ったり来たりを繰り返し、地元の人に道を尋ねたりして、何とか、大網バス停の横から上方に伸びる踏み跡を発見し、しばらく登ると、すぐ車道に飛び出し、その終点に庚申塔が建っていた。
塩の道は、その先も続いているが、刈り払いがされておらず、飛び込むのに躊躇する。念のため、すぐ横で除草作業中だった、爺さんに道が正しいことを確認し、ブッシュへ突入。
何とか3、400mほどで、古いダート道に合流し、以後は姫川畔まで、大きく折り返して下っていくこの車道を下る。
姫川の川面が大きく近づく頃、通行止めの標識が… 逆コースの場合は注意が必要である。
大網橋で姫川を渡り、平岩駅は右だが、まだ先を進む私は左折し、ホテルを過ぎたところにある、「いで湯の広場」で、しばらく休憩する。トイレ有り。
ようやく天候が本格的に回復し、青空が広がってきた。
ここから葛葉峠までは、しばらく旧国道の車道歩きが続く。うねうねとジグザグに高度を上げる。途中、廃業した白馬観光ホテルを通過するが、ここには白馬大仏が鎮座している。高さは、台座共23.5m、前巾18mで、建立当時世界最大だったそうである。
白馬大仏の開眼は1969年(昭和44年)で、何と私と同い年ではないか! 宗教法人白馬大仏教会管長で白馬観光ホテル社長である金田義孝によって建立され、眼球と白毫はヒスイ、唇はメノウで出来ていたらしいが、今は完全に忘れられた存在になっていた…
葛葉峠手前の崖っぷちには、「ボッカトチノキ」と呼ばれる大木がある。ここからの姫川沿いの展望は雄大。明星山もその尖峰の先端を覗かせている。
建設事務所が建つ味気ない葛葉峠を越えると、すぐに左手の藪の中に塩の道の道標が建っており。車道を離れ(この先、旧国道は通行止めになっている様である)るようになるが、あまりのブッシュの濃さに飛び込む気がしないが、ここを進まないと先に進めないので、藪漕ぎ開始。踏み跡はしっかりしているので、ジグザグに足元を確認しながら、姫川畔まで何とか下る。
いったんR148に出て、湯原トンネル入口手前の国界橋を渡ったところを、塩の道の道標に従い、橋の下へ下り、国道をくぐって、山道へ。ここもブッシュがうるさいが、先ほどの葛葉峠の下り道ほどのことはない。
猫鼻の石仏群を通過すると、広い河原に出て、目の前に掘っ建て小屋(失礼)が建っている。
これが、湯原温泉「猫鼻の湯」で、平成19年(2007年)7月の大雨の水害で国道148号線がめちゃくちゃにやられたとき、この辺りにあった温泉も、水害でなくなってしまったが、平成23年(2011年)に復活させたらしい。何とも野趣豊かな源泉かけ流しの温泉で、激しく心を惹かれたが、まだ先は長いので、泣く泣く先へ進む。
国道を横断し、前沢に沿ってしばらく遡り、砂防堰堤を何基か超えると、吊り橋で前沢を渡り、天神道へ。ここは日陰のせいもあって、ブッシュは薄い。
さすがに足も痛くなってきたが、何とか天神峠(城の越)を越え、島温泉のところでR148に合流。後は足を引きずりながら、道の駅を過ぎ、橋を渡って北小谷駅に到着。
何ともこじんまりとした駅舎だ(笑)
まだ12時前。後半は一気に気温も上がって来たし、10時間近いコースタイムを考えたら上出来だ。おかげで、根知駅でのバスの接続(何と3分!)も良い12時14分発の電車に余裕で間に合った。
バスを乗り継ぎ、山口集落の塩の道資料館には、13時過ぎに到着。空がますます晴れ渡ってきたので、白馬村へ車を走らせる。
信濃森上辺りで、一気に眼前が開け、白馬連峰が広がる。
定番スポットの大出原の吊り橋まで進み,ここで白馬三山をカメラに収め,満足して,白馬八方の湯へ。
明日のスタート地点となる北小谷の道の駅「小谷」に車を停め,信州サーモン他とビールこの日も夕方から昇天し,併設している温泉「深山の湯」で源泉かけ流し湯を堪能。この日も大満足の車中泊だった。
明日の塩の道その3(北小谷〜南小谷)へ
参考タイム
5/27 | 塩の道資料館 5:15 ⇒ 5:55 大ザイの神 6:00 ⇒ 6:30 白池 6:35 ⇒ 7:00 大網峠 7:00 ⇒ 7:45 牛の水飲み場 7:45 ⇒ 7:55 横川吊橋 7:55 ⇒ 8:20 大網 8:25 ⇒ 9:10 いで湯の広場 9:25 ⇒ 10:00 葛葉峠 10:00 ⇒ 10:20 国界橋 10:20 ⇒ 10:30 湯原温泉 10:30 ⇒ 11:15 城の越 11:15 ⇒ 11:50 北小谷駅 |
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